ビジネスインサイツ58
- ページ: 15
- 15
株式会社池田模範堂
外用剤のトップメーカーである株式会社池田模範堂は、創業 106 年を迎える老舗の医薬品製造販売会社である。 時代のニー ズに挑戦し続ける中、システム化が進むにつれ人的組織が弱く なりつつあることに危機感を感じていた。問題解決のカギはコ ミュニケーションの復活にあると考えた同社は、 「人の和づく り」を中核とした改革に乗り出した。その活動の背景や思い、 メンバーの成長、今後の目指す姿についてお伺いした。
▲取締役工場長 ・ 吉田 裕一氏(中央) 、 製造グルー プグループ長・巽 和弘氏(左) 、包装グループ グループ長・ 嶋田 哲雄氏
理されるようになり、現場もグループ分けが進んでこじん まりとまとまって作業をするようになりました。それぞれ が別々に作業するようになり、以前あった触れ合いがなく なっていきました」と語る。 包装グループグループ長・嶋田哲雄氏は「新工場への移 転当初は、まだ旧工場でのつながりがあったからよかった のですが、だんだんシステムが自動化されるにつれ、それ に慣れてきて皆話さなくなっていきました。製品の自動搬 送もされるようになって、ますます横のつながりがなく なっていきました」と当時を振り返る。
なら今しかないと思いました」と当時の思いを語る。 そこで、まず工場のメンバーの思いを聞くための社内ア ンケートをとることから始めた。折しも、人事評価制度が 変わって能力主義が採用されるようになったこともあり、 「上司が正当な評価をしてくれない」 「連携がうまくいかず、 思うように仕事が進まない」 といった不満が殺到した。 「自 分たちの思いと現場のメンバーの思いとのズレを突きつけ られました」と吉田氏、巽氏、嶋田氏の全員が声を揃え る。これはまさしくコミュニケーションが不足しているか ら起こったのではないか、と強い危機感を感じた。そして JMAC をパートナーに選び、改革へと動き出した。 JMAC を選んだ理由について吉田氏は「JMAC 含め 2 社に提案をしていただきましたが、 『 人 にフォーカスし て活動をしていきましょう』と言ってくれたのが JMAC でした。コミュニケーションの問題を解決したかった私た ちがたどりたいプロセ ス、ゴールを提案して くれたので JMAC に決 めました」と当時の思 いを語る。 改革を支援した JMAC チーフ・コンサ ルタントの今井一義は、
▲ 吉田 裕一 氏
アンケートで不満が噴出! 意識のギャップを埋めるには
2010 年 CI を一新し、会社は経営理念である「変身への 挑戦」をさらに推し進めようとしていた。しかし、吉田氏 は「皆、決められたことはきちんと真面目にこなすが、挑 戦しようという欲があまりない」 と感じていた。そして 「横 のつながりが弱く、 コミュニケーションが希薄なままでは、 同じ目標に向かってがんばる、変身すると言っても単なる お題目になりかねません。工場内の意識や体制を改革する
- ▲TOP