ビジネスインサイツ58
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〜顧客起点のタイムリーな供給を実現する生産管理の再構築〜
ビジネス成果に向けて JMAC が支援した 企業事例をご紹介します。
高品質なものづくりで 高付加価値ビジネスを展開
株式会社セイバン
株式会社セイバンは、ランドセル業界の変化を受け、 生 産 体 制 の 行 き 詰 ま り を 感 じ て い た。2013 年 か ら JMAC とともにタイムリーな供給体制の実現と製造現 場の意識改革に向けて動き出した。最初は反発もあっ た現場だが、納得感を重視した施策が徐々に現場の空 気を解きほぐし、能動的な活動につながっていった。 活動を通した現場での気づきや変化、今後の活動につ いてお伺いした。
代表取締役社長
泉 貴章
Takaaki Izumi
ランドセル業界の変化で 直面した現実
株式会社セイバン(以下セイバン)は、創業者である泉 亀吉氏が 1919 年、大阪市で皮革の財布やカバンなどを製 造する会社を起こしたことに始まる。戦後は本社を御津町 (現・たつの市)に移転して、1946 年よりランドセルの製 造販売を開始し、一貫して熟練した職人の手仕事、国内生 産にこだわり、高品質なランドセルをつくり続けてきた。 長年、ランドセル業界で国内トップクラスのシェアを維 持している同社であるが、2003 年に発表した新機能ラン
ドセル「天使のはね」が大ヒットし、その名を一躍全国に 知らしめた。その後も、2010 年に A4 サイズの教材に合 わせたサイズ変更が好評を得るなど、使う子どもの目線に 立ったランドセルづくりに邁進してきた。 そのような中で、 ランドセル業界は大きな変化を迎える。 それまではランドセルといえば男子は黒、女子は赤が定番 だったが、各社がデザインやカラーバリエーションにも力 を入れ始めたのだ。おしゃれで個性的なランドセルは、少 子化の影響もあって祖父母などからの「ハレの贈答品」と しての需要が高い。店頭に並び出すタイミングも 11 月 12 月から前倒しされて 5 月 6 月となり、通年販売が当たり前 になった。
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