ビジネスインサイツ59
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〜マザー工場の力を育む「道場」の効果〜
ビジネス成果に向けて JMAC が支援した 企業事例をご紹介します。
安全活動で醸成される 「人間力」が ものづく りの総合力を高める !
栗東積水工業株式会社
積水化学工業株式会社・滋賀栗東工場では、災害撲滅に向けた改善 活動や訓練などの安全活動を再優先の取組みとしている。同工場で は、 『安全と生産性や利益確保は相反するものでなく、安全の推進 が事業全体の基本であり、 ひいては生産性を高め、 利益体質を生む』 と考え、事業活動を行っている。同工場の生産を担っている栗東積 水工業株式会社の代表取締役社長・岩田吉信氏は、長らく同社全体 の安全活動の「仕掛け人」として尽力してきた。同氏に、現場の安 全づくりへの思い・人づくりのモットーなどをお聞きした。
代表取締役社長
岩田 吉信
Yoshinobu Iwata
現場・現物・現実の精神を 「道場」で継承していく
積水化学工業株式会社は、プラスチック製品のパイオニ アとして 1947 年に創業、戦後日本の生活および産業への プラスチックの普及に貢献してきた。同時に海外進出など のグローバル化、住宅などの事業の多角化も進めてきた。 現在、 「住宅」 「環境 ・ ライフライン」 「高機能プラスチックス」 の 3 つのカンパニーにより事業を展開している。環境・ ライフラインカンパニーに属する滋賀栗東工場は、 給排水 ・ 建設設備・下水道などに使用される管工機材の主力工場で
あり、 高い生産力 ・ 技術力を有するマザー工場の役割も担っ ている。 同工場には、安全・品質・環境・KAIZEN・保全の 5 種類の「道場」が設置されている。この「道場」は技術・ 技能伝承と向上のための研修施設であり、優秀事例やトラ ブル事例のパネル・材料・工具・測定器などの現物も展示 されている。とくに安全道場には、さまざまな災害(挟ま れ・巻き込まれ・感電など)を疑似体験できる設備や機器 が設置され、従業員の訓練に活用されている(次頁写真) 。 同工場の道場は、技能教育の場として他の模範となってお り、全国に広く普及している。 「気がついたら、道場だらけになりました」と笑いなが
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