ビジネスインサイツ60
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人と組織(チーム)の力を最大化することを目的に JMAC が 支援した企業事例をご紹介します。
CS と ES の両輪で 「働きがいのある職場」をつくる
〜現場の本音に向き合い続けた 10 年間 そして今、次なるムーブメントへ〜
「現場の不安を払拭せよ!」 すべてはここから始まった
「おいしい瞬間を届けたい」というスローガンを掲げ、 日本の食卓を支え続けて 70 年。株式会社ニチレイは 1945 年に設立して以来、 「長期保存」 「品質保持」 「食材 の再現性」 といった特性を持つ “ 冷力 ” をコア技術として、 事業を進化させてきた。 そして 2005 年、ニチレイは、ニチレイフーズ(加工食 品) 、ニチレイロジグループ(低温物流) 、ニチレイフレッ シュ(水産・畜産) 、ニチレイバイオサイエンス(バイオ サイエンス)の事業を担う 4 つの事業会社からなる持株 会社体制へ移行した。 このとき、 ニチレイロジグループ(以下、 ロジグループ) は、地域の競合他社との熾烈な競争に勝つため、持株会社 化移行と同時に地域分 社化した。しかし、分 社は現場の雰囲気を大 きく変えた。 「市場や競争環境の 変化に伴う業績の低迷 もあり、分社の際には 村山匡秀氏 賃金を一時的にせよ下 げざるを得なかったの
です。そのため、現場の社員には不安が高まり、士気も低 下していました」と語るのは、当時のロジグループで人事 を担当し、改革推進の立役者となった現ニチレイ人事総務 部長の狩野豊氏だ。 当時まさにその現場である冷蔵倉庫部門に所属していた 現ニチレイ人事総務部人事企画グループマネジャーの村山 匡秀氏は、そのときの様子を「皆、これからどうなるんだ ろうと不安を抱えていて『こうなった以上、とにかくやる しかない』 という言葉ばかりが聞こえていました」 と語る。 村山氏はその 2 年後の 2007 年に人事部に配属され、狩 野氏と共に改革を担ってきた。 この不安感を払拭すべく、トップが動いた。当時のロジ グループ社長・村井利彰氏(現ニチレイ会長)が「仕事や 職場に不満を抱えている従業員がお客様を満足させること はできない」と考え、 CS(顧客満足)と ES(従業員満足) を両輪とした「働きがいのある職場づくり」を強く打ち出 したのだ。 この方針を受け、狩野氏は「ロジグループの人事担当者 として、非常に大きなミッションだと感じた」と当時の思 いを語る。そして、改革を成功させるためのパートナーに JMAC を選んだ。 JMAC を選んだ理由について「以前からグループ会社 のニチレイフーズが JMAC の CS 支援を受けていたので、 きっかけはありました。他の 5 社からも提案を受けてみ たのですが、こちらがやりたいことを話して一番親身で柔
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