ビジネスインサイツ60
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横串の活動をするときには、従来の「縦の強さ」に「横 の強さ」を加えていかなければ、いつの間にか縦が強すぎ る組織にまた戻ってしまう。そうなると、本当のグローバ ルを目指していく中での業務プロセス改善や営業利益にも つながっていかない。 永井は「今は、かつての『箱モノを売る』時代から『グ ローバルでのソリューション提供』が求められる時代とな り、開発・生産・販売の密接な連携がますます重要になっ てきています。横串の調整機能を強化していくためには、 まず部門を構成する一人ひとりが横串を意識すること、そ して、常に組織連携がうまくいっているのかをモニタリン グし、随時修正・改善していくことが大切です」と語る。 リバウンドを繰り返しながら、徐々にでも横の強さを加 えていくことが、結局、目標達成への早道なのだ。
なコンサルティン グをしてくれまし た。 ですから 『ああ、 経験があってわ かって言ってくれ ているんだな』と 実感できている感 じが現場にはあり ま し た。ま た、経
伊藤孝司氏
営陣からは『確かにそうだ。頭を殴られたような思いだっ た』などと言われることも多く、やっぱり指摘されたこと がズバッと本質をついていて、目からうろこの部分があっ たんだろうなと思いました」と話す。 今回使ったプロジェクトを進めていくための「型」や、 日程の進捗管理のツールは、どの部門でも共通して使える ため「今後もさまざまな場面で活用していきたい」と伊藤 氏と中根氏は声を揃える。 そして伊藤氏は「全体最適を永続させるために、横串改 革活動を一過性で終わらせるのではなく、長い時間軸、視 点を持って進めていきたいと思っています。同時に、個人 のキャリアを生かして会社の力に変えていけるような組織 にしていきたいですね」と今後の展望を語る。 縦組織に横風を送り込む。そのとき、扉が大きく開かれ るほど、風はよく通り抜ける。コニカミノルタの個性あふ れる各部門の扉は、 今、 少しずつ全開に近づいてきている。 次々と光学技術の歴史を塗り替えてきた同社の次なる大き な一手が楽しみだ。
「人のチカラ × 組織力」で 全体最適を永続させる
これまでの活動を振り返り、伊藤氏は JMAC について 「期待どおり、持ってきてくれた『型』がすごく良かった ですし、一緒に現場に入って汗をかいてくれました。それ から、とくにお願いしたのは他社事例です。これを出して もらうと、 われわれが言うより随分と効き目がありました」 と評価している。 中根氏は「JMAC は現場の非常に細かいところまでよ く知っていて、教科書どおりのことだけではない、柔軟
です
とがポイント
状態にするこ
成果を見える
担 当 コ ンサルタントからの一言
「型」の活用でスピーディな改革立案を!
プロセス改革を推進するうえでの 「型」 は、 あるべき姿を立案するためのフレー ムワーク(改革視点やリファレンスモデル)であり、ビジネスモデル特性や 製品・サービス商品特性などに合わせ、適正に使用していくことが重要とな ピーディに立案可能となりますが、改革案のレベルが高くなり過ぎないよう に、現状の実力レベルから適正な落としどころを設定することも重要となり る状態にすることが、改革を永続的に推進するポイントとなります。 ります。 「型」を適用することで、確実に成果を得ることができる改革案をス
永井 敏雄
シニア・コンサルタント
ます。改革活動で疲弊してしまわないように、適度なサイクルで成果を見え
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