ビジネスインサイツ60
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ポーラ化成工業株式会社
世界中に「笑顔」と「感動」をもたらす技術集団を理念とするポーラ化成工業株 式会社は、ポーラ・オルビスグループの商品(化粧品)の研究、生産を担ってい る唯一の企業であり、高品質かつ安全・安心のものづくりを目標に日々活動して いる。その開発力・技術力は国内外から高い評価を得ている。品質についても高 い目標値が要求される中、さらなる向上に向けて JMAC と取り組んだ改革活動 について、同社の西方和博氏(営業・購買担当取締役) 、小林一成氏(品質保証 部課長) 、板井宏子氏(包装課リーダー)にお聞きした。 ていたのだ。多重検査で守る品質よりも、 「つくり」の段 階で安心できるようにしておく必要があると感じた西方氏 は、 「何か根本的な問題があると感じました。対お客さま に関しては、確かに品質保証部が受けるものですが、工場 の現場ではそれが具体的な仕事に落ちていないのです。ヘ ンなものがあれば、手前で取り除けばいい、という感じで した」と当初の不安を振り返る。
営業・購買担当取締役 西方和博氏
剰検査」ゆえに逆に前工程が緩みがちになっていること も、大きな課題として浮かび上がっていた。さらに班単位 で構成されている現場では、班ごとに言葉の定義が違うと いう状況にあることから、統一した解釈ができるように定 義をし直す必要性もあった。1 つのキーワードで集められ るデータに共通性がなかったり、解釈がバラバラだったり すると、データに信頼性がなくなるからだ。 さまざまな問題はあるものの、松田は細かな診断項目の 結果からというより全体に共通する文化や思想から「やり 方次第で確実に結果が出る!」と確信したという。 「製品に対するプライドと愛情の強さが半端ではないと 感じました。トップから現場までがそうなのです。根底に は『いいものをつくる!』という信念があるからこそ、少 し時間がかかっても検査依存型から脱却して製造工程で品 質をつくり込めるようになるはずだと考えました」 (松田)
客観的な品質診断で 漠然とした問題点が明確化
生産担当の役員になって半年間、西方氏は漠然と「根っ こを叩かないと…」と常々思いあぐねていた矢先、グ ループ企業のポーラ・オルビスホールディングス経由で JMAC を知ることになる。 「自分が認識した問題点は、短期の力技で解決できるも のではなく、何らかの仕組みが必要だと考えていました。 これまでのやり方や現場の風土みたいなものも含めて、第 三者の目でみてもらいたいと相談したところ、JMAC を 紹介されたのです」 (西方氏) こうして JMAC のシニア・コンサルタント松田将寿が 中心となって、品質保証の現状を詳細に診断することに なった。トリプルゼロという非常に高い目標値に向けて奮 闘している現場では、 確かにさまざまな問題が起きていた。 西方氏が指摘していたとおり、 何回も検査を実施する 「過
課題ははっきりした! 解決に 向けた実践のフェーズへ
「結果は出せる!」 という JMAC の思いが伝わったのか、 診断結果のレポートを読んだ西方氏は「さすがによくまと まっていて、うまく明文化できなかったり、チャート化で きなかったりしたことがすぐに出てきて、やっぱりそうか と納得できるものだったので、すぐにでも実践のフェーズ に移りたい」と思ったという。
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