ビジネスインサイツ60
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〜個々の木ではなく、まず森を見る ―今ある「部門最適」から「全体最適」への改革〜
ビジネス成果に向けて JMAC が支援した 企業事例をご紹介します。
「縦割り組織」に 「横串」を通して、 全体最適を目指す !
コニカミノルタ株式会社
コニカミノルタ株式会社は、情報機器において世界トップクラスの シェアを誇るが、実は各部門の専門性が高いゆえの悩みを抱えてい た。縦割り組織による「利益なき繁忙」が常態化していたのだ。情 報機器事業における新規事業へのリソース創出が急務となり、長年 の「利益なき繁忙」の旅にピリオドを打つことを決意する。そして 2012 年、縦割り組織に横串を刺すという大きなチャレンジに踏み 出し、2014 年から「型」の導入による「全体最適」改革に乗り出 した。この改革における葛藤や期待、今後の展望をお聞きした。
業務革新部 部長
伊藤 孝司
Takaji Itou
世界トップクラスの企業が 抱える意外な悩み
コニカミノルタ株式会社(以下、コニカミノルタ)は日 本の光学機器メーカーとして 1、2 番目の歴史を持つコニ カ株式会社(1873 年創業)とミノルタ株式会社(1928 年創業)が経営統合し、2003 年に誕生した。 「コニカ」 「ミノルタ」といえば、カメラやフィルム、複 写機で一時代を築いた存在として有名だが、統合した現在 はその光学技術の DNA をさらに進化させ、カラー複合機 等の情報機器分野において世界トップクラスのシェアを誇
る。その中で、 新規事業への拡大を視野に、 積極的なリソー ス創出のための業務効率化を推進してきた同社。2012 年 には情報機器事業内に改革推進組織※を発足し、最初の 2 年間は営業利益を上げることに特化して改革を推進した。 発足当初、 「開発や生産、販売の各部門は、それぞれ試 験研究費の最適化、原価低減、販管費低減など、みな本当 にがんばっていました。 しかし、忙しい割には最終的な 営業利益につながらない。一生懸命なのにどうして、とい う感覚がありました」と語るのは、当初より改革推進に携 わってきた業務革新部 部長の伊藤孝司氏だ。
※現在はコーポレートの業務革新部
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