ビジネスインサイツ60
- ページ: 7
- 7
伊藤氏によれば、 「利益なき繁忙」の最大の原因は、縦 割り組織ゆえの非効率性だった。 「開発・生産・販売の壁 をもっと取り払い、全社的な改革をすることで業務量と営 業利益がリンクする体質にしていかなければならないと考 えていました」と、組織横断で専任的に活動するチームが 必要だったと語る伊藤氏。 発足から 2 年間、力技で改革を乗り切ってきたが、そ の定着化、さらなる利益貢献のためにコニカミノルタは、 新たな道を探し始めた。
と、これが同社にとっての次なるチャレンジだったと伊藤 氏は語る。 コンサルティングファームの選定にあたり、まずは 100 社から 4 社に絞り込み、提案を受けた。その中から JMAC を選んだ理由について伊藤氏は「重視したのは、 きちんとした『型』を持っていること、そして一緒に汗を かきながら納得するまでやってくれることです。その両方 を兼ね備えていて、さらにメーカー経験が豊富なところが 決め手になりました」と語る。 改革のキーワードは「型の導入による業務プロセス視点 での全体最適」 。2014 年、 コニカミノルタは JMAC をパー トナーにさらなる改革に乗り出した。
力技からの脱却 ! 最適化 メソッドで組織を変える!
それまで、経験則に基づく力技で改革を乗り切ってきた という同社。 もっと確実な方法で改革を進めたい、 そう思っ た同社は、コンサルティングファームを活用しようと決断 する。 「われわれはメーカーとしてこれまで何十年もプロセス 改革をし、さらに 2 年間の改革活動でそれなりの成果を 上げてきました。しかし、さらなる営業利益への貢献/全 体最適の推進には、限界を感じていました。ですから、こ れまでのような力技ではなく、完成された『型』を使って 改革を進めようと考えました。それに、自分たちでわかっ ているつもりでも本当はどうなのか、第三者の目線で指摘 してほしかったのです。抜本的な見直しをするなら今しか ないと思い、外部からの支援を要請することにしました」
JMAC の 「型」 の例 (抜粋)
その仕事、本当に必要? 「利益なき繁忙」をなくす
プロジェクトを始動して最初に着手したのは「現状の見 える化」だ。業務量調査を行い、徹底的にムダ・ムラをあ ぶり出していく。すると、部門間での重複業務が山のよう にあることがわかった。 「利益なき繁忙」―お互いの状況を知らずに、よかれと 思ってしたことが実は重複していた、ということがよく あった。たとえば、開発、生産、品質保証がそれぞれ独自 に行った市場調査など、一本化できるものも多い。これに ついて伊藤氏は「どの部門で何をしているのかわからず、 欲しいものがあればとりあえず自分たちでつくってしまう
- ▲TOP