ビジネスインサイツ61
- ページ: 11
- 11
三井住友ファイナンス & リース株式会社
グローバルベースでモノに関するさまざまな金融ソリュー ションを提供することで総合リース会社として業界のリー ディングカンパニーを目指す三井住友ファイナンス&リー 移転集約を契機に、“ 働き方でも No.1” への取組みをスター ス。2015 年 8 月、従来 3 拠点に分散していた東京本社の ト。本稿では同社取締役専務執行役員・植田祐一郎氏、本社
本社移転プロジェクトチームリーダー) 、仲田和弘氏(企画部副部長)に
移転プロジェクトの実務を担当した柳沢昌宏氏(総務部参事役・ 活動の振返り、 成果事例や今後の進め方についてお聞きした。
植田 祐一郎
取締役専務執行役員
Yuichiro Ueda
すべてを期限内に対応することは、逆にすべて中途半端に 終わる懸念がありました」と語る。 担当した JMAC チーフ・コンサルタントの田中良憲が 最初に取り組んだのは、 「やるべきこと」の切り分けだっ た。 「このままでは、 結局このテーマは移転 PT がやるのか、 所管部がやるのか、いつまでに何をやるんだという話にな り、まとめきれない心配があった」ため、 「まずは、東京 本社が移転したときの理想の働き方・ワークスタイルとは どんなものかを話し合ってもらい、移転 PT として目指す べき理想像の合意形成をすることにしたのです」と田中は 振り返る。理想像をつくるために、田中は本社移転を経験 した他社見学会を複数回開催したり、ワークライフ・バラ ンスに取り組んでいる著名企業による講演会の開催などで 刺激を与え、 新たな 「意見出し」 を仕掛けていったのである。 こうして移転 PT では、まず目指すべき働き方を『限ら れた業務時間内で業務を効率化し、かつ顧客サービスを高 め、余暇の時間を有効に活用している状態(人) 』である とした。具体的には、“ リース会社 No.1 の働き方 ” とし て 『自ら機動的かつ効率的に動く “ 自律している社員 ” が、 有機的に連携し、仕事の価値(成果 ・ 効率)を高めている』 ことを掲げた。 「その理想を実現するために、やるべきテーマは何か、 そのテーマを実践していくには何が必要かを整理し、さら に移転 PT がやること、各所管部でやるべきことを切り分 けたのです」 (田中)
「あれもこれもやらなければ」という状態だったが、 「JMAC からは、テーマの絞り方へのアプローチ、絞り込 んだ各テーマの課題とありたい姿の設定、ありたい姿に向 かって東京本社移転までに実践する施策やタスクを時系列 に整理することなどをご支援いただき、各テーマについて 統一感ある進捗管理ができるようになりました。頭の中で 考えてはいましたが、文字や表にして目に見える形になっ たのは、個人的にはすごく新鮮でした」 (柳沢氏) 「テーマを絞ったとはいえ、やらないということではな いのです。チームは人事、システム、事務企画、営業統括 などからも参画しているので、移転 PT として対応できな いことは、各所管部の業務計画に落とし込んで、推進して いただくことになりました」 (仲田氏)
業務スタイルの根っこにある ベーシックな部分を重視
こうして移転 PT の取組みテーマは、 『効率的な働き方 の追求』を目指して、 1)仕事ナレッジ・情報の積極共有(ありたい姿: 『必要 なときに自ら情報を効率的に収集、活用できている』 ) 2)会議のあり方・やり方の見直し(ありたい姿: 『目的 に応じた効率的な会議が開催・運営されている』 ) 3)組織と個人のタイムマネジメント(ありたい姿: 『組織全 体での業務工数の低減によって残業時間が削減されている』 )
- ▲TOP