ビジネスインサイツ61
- ページ: 12
- 12
の 3 つに大きく絞り込ま れたのである。 柳沢氏と仲田氏は、 「絞 り込んだテーマは、効果 の範囲が全社にわたり、 かつ課題認識されていた ものの、従来の考え方で
柳沢昌宏氏(総務部参事役・本社 移転プロジェクトチームリーダー)
「2015 年 7 〜 10 月に、 “ 働き方見直し研修会 ” と題して、国内外の全部 長や管理や営業支援系の 副部長クラスに集まって もらい、全社共通の会議 ルールを発表するととも に、JMAC にお願いして “ 会議の進め方研修 ” を
仲田和弘氏(企画部副部長)
は所管部が不明確で取り 残されていたものという
イメージですね」と語る。さらに、 「当社でも、もちろん 社員の業務改善への意識は高く、部署単位での業務改善へ の取組みは従来から実践しています。しかしながら、 『情 報がどこにあるかわからない、発信がバラバラ』 『会議が 長い、開催者によって運営がバラバラ』 『業務量にバラツ キがある』 など、 よりベーシックな働き方の基盤となる “ 全 社共通のルールや仕事の進め方 ” の整備とそれらを実現す るオフィス環境の整備に取り組みました」と振り返る。
開催しました。研修終了後、9 つのルールに当てはめて、 自部署の現状と今後の目標を “ チャレンジシート ” として 提出していただきました」 (仲田氏) その後、移転を経た 11 月には中間フォローを実施。具 体的には、 「同じシートに実践してよかったこと、まだ苦 戦していることなどを記入いただき、定着度合いを計測 しました。また、苦戦している部署には JMAC にも参加 していただき個別相談会を開催し、定着に向けたアフター フォローを行いました」 (同氏) 。そして移転後半年を経過 した 2016 年 2 月には「同シートに最終結果を記入いた だき、現時点で “ ありたい姿 ” が実現しているか否かの確 認をしました」 (同氏)と定着度合いを引き続き計測して いる。このシートを軸に、定着に向けたアフターフォロー 活動をするという仕掛けである。 「 『ルールを決めたので、これでやってください』と言わ れ、やるもやらないも本人次第になるケースがよくありま すが、そうならないように、移転 PT では定着に向けたさ まざな “ 仕掛け ” をやっていただいています」 (田中) 現在 “ チャレンジシート ” で確認した 9 つのルールの 定着度合いは、当初 3 割の実施レベルが半年で 6 割まで 向上した。その結果、各部署での要改善対象の会議は軒並 み 10%の時間効率化を果たした。また、2016 年 2 月に 実施した全社員アンケートでは、たとえば「会議時間の長 さ」について「目的に応じた長さになっている」と回答し た社員は以前は 5 割台だったが、今は 6 割を超え、部署 によっては 24 ポイントも改善している。全社定着に向け しっかりと成果が表れているようだ。
9 つの会議ルールを徹底する チャレンジシートの活用
2015 年 9 月、 東京本社移転そのものは無事終了したが、 テーマ自体は普遍性があり、終わりのないテーマとも言え る。現状について仲田氏は「移転後まだ半年しか経ってな いので、どれだけ成果が出ているとはすぐには言えません が…」と前置きしたうえで、 「目に見えて変わったなと感 じているのは『会議のあり方・やり方』ですね」と語る。 「会議については、当社ではその目的によって大きく 3 つ(意思決定会議・情報共有会議・アイデア出し会議)に 分類していますが、準備〜終了までの会議運営を標準化す るために、全社共通の 9 つのルールを設定しました(次 頁囲み) 。このうち白ヌキの部分は全会議必須項目として います。 また、 本社に限らず国内全拠点の会議室には、 時計 ・ タイマー・プロジェクターなどを整備しました」 (植田氏) とかく会議となれば、部署ごとに根付いたやり方や属人 的なノウハウ・経験のような暗黙のルールで運営されがち だ。全国どこのオフィスでも標準化された共通ルールで会 議を運営することは、SMFL が目指す「働き方」を根付か せる土壌づくりだと言えよう。 ルールを設定したら、次は「定着」である。SMFL では そのための「仕掛け」をどのようにしているのだろうか?
「働き方」を追求し続け、 さらに次のチャレンジへ
移転 PT のテーマは “ 働き方の見直し ” という各人の業
- ▲TOP