ビジネスインサイツ61
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務目標とは異質なものになっている。その ため、全社員に常に関心を持たせ、持続さ せることがより重要となる。それが次の活 動への継続性を生むことになるからだ。 そこで移転 PT では、全社員に向けて「働 き方見直しニュース」を発信している。こ れは経営トップが “ 働き方見直し ” や “ ワー クライフ・バランス ” への自らの考えや実 践を伝える場として、また業務効率改善に 向けた新ファシリティの紹介、各部による 取組み好事例の発信の場としている。 このアイデアを提案した田中は、 「本件に限ったことで はないのですが、活動テーマを継続させるには、もともと 何のためにやっているかをしっかり認識して PDCA サイ クルを踏まえながら、最終的には現場に落とし込むことが 重要です。それに加えて経営トップからの強力な発信も必 要なのです」と継続性の秘訣について語る。 「社員からは『経営の考えを直接聞く機会が少ないので、 とても参考になります』という声はけっこういただいてい ます」 (仲田氏) また、前述の社員アンケートによれば、9 割以上の社員 が「見た」と回答し、うち約 7 割以上の社員が「有益だっ た」と回答しており、“ 働き方見直し ” への関心や意識も 定着しつつあるようだ。 SMFL の現中期経営計画の終了とともに移転 PT は 2016 年 3 月で解散することになるが、植田氏は「“ 働き 方見直し活動 ” を一過性のキャンペーンにすることなく、 次年度以降どうつなげ、どう継続していくかをじっくり
会議 終了後 会議中
9 つの会議ルールはどう定着したか
SMFL の会議ルール(白ヌキは必須項目)
会議 開始前 1 2 3 4 5 6 7 8 9 会議招集システムの活用 資料の事前配布 役割の設定 5 分前集合 タイムキーピング 議論の見える化 会議後のアクションなどの決定 5 分前終了 残った課題などの共有
SMFL では会議運営に関わる 全員が、左記ルールの実施状 況を「チャレンジシート」に
記入して提出することになっ ている。ルール発表時 (2015 年 7 月)の定着度合いは 3 割程度だったが、フォロー活 で 6 割まで向上した。
動の結果、2016 年 2 月時点
と検討したい」という。その背景には、“ 働き方見直し活 動 ” は、SMFL のワークライフ・バランスやダイバーシ ティへの対応にもつながっている。現中期経営計画におい て、2012 年に買収した世界トップクラスの規模を誇る航 空機リース事業の基盤確立や、従来の東南アジア、中国で の営業展開に加えて、 2014 年にはニューヨーク支店開設、 2015 年には欧州進出など、これまで以上に業務がグロー バルに拡大しているのだ。 「ワークライフ・バランスやダイバーシティに加えて、 フレックス制度や在宅勤務などの柔軟な働き方、そして介 護の問題などは、今後は会社として大きなテーマになるは ずです。まずは 1 年かけて、じっくりと議論し、次期中 期経営計画につなげていきたいのです」と植田氏は意気込 みを見せる。 圧倒的な存在感で業界 No.1 企業を目指す SMFL にとっ て、 新しい働き方へのチャレンジはこれからも続いていく。
もの!
自ら創造する
答えはなし
働き方に ベストな
担 当 コ ンサルタントからの一言
『ありたい働き方』実現の鍵は「未来志向」と「対話力」
「働き方改革」は制度・ルール、ICT 活用、オフィスファシリティなど、さまざ まな切り口があります。大切なのはそれらを活用し「将来自分たちはどんな “ ワ クワクする ” 働き方をしたいか?」を未来志向で想像し、社員間の対話によって 自ら完成形をつくり上げることです。働き方とは 1 年 2 年の課題ではなく、長 きにわたって多数の社員の行動を決めてしまう企業の “ 型 ” だからです。明確な ゴール・指針の積極的な発信をエンジンにして、社員が働き方の課題と “ 型 ” の
チーフ・コンサルタント
田中 良憲
活用を自分事として考えるように仕向ければ、自ずと時間意識の向上・仕事の
取組み方・成果物志向といった行動の変化・数値の成果はついてくるはずです。
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