ビジネスインサイツ61
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思っています。そして、営業や管理部門の人たちにもどん どんカートファクトリーに参加してもらって、メーカーと して、ものづくりについて活発に議論する風土を浸透させ ていきたいですね」と展望を語る。 桑田氏は「メンバーからアイデアを出し合い、治具など をもっとブラッシュアップして、進化させることが楽しみ です」 と語り、 佐藤氏は 「今はまだ、 このカートファクトリー を使った教育が浸透し始めたところですが、これからもっ と広がっていくでしょう」とアネスト岩田の未来に想いを 馳せた。岩田氏は「カートファクトリーで、 『ワンアネス ト岩田』の一体感を実現していきたいと考えています。こ れからも、やればやるほど色々なアイデアが出てきて、非 常におもしろい研修にできそうです」と期待を込める。
▲ 取 材 当 日、 人 事 グ ル ー プ の 松 尾 美 紗 子 さ ん( 後 列 左) 、鈴木里美さん(中央)も応援に駆けつけてくれまし た。全社員一丸となってアネスト岩田の「ものづくりの DNA」を次世代へ、世界へと伝承していきます
日本大震災では BCP(生産現場の危機管理)について多 くの教訓を得たと言い、 「生産拠点の拡大については BCP を踏まえながら慎重に、しかし積極的に実施したい」と今 後の指針を語る。 さらに JMAC について壷田氏は、 「JMAC には、海外 法人も含めて、 ここのところずっとお世話になっています。 会社によっては目的ごとにコンサルティング会社を替える ところもありますが、 私たちはどちらかというと、 より知っ ていただいた方が、さらにさまざまなご提案をいただける と思っています。JMAC は経験豊富ですから、これから も積極的な関与と提案をお願いしたいですね。自分たちだ けでは気づかないことや、なかなか難しい局面もあるので 知恵をお借りできればと思います」と期待を寄せている。 創業以来 90 年受け継いできた「ものづくりの DNA」 を次世代、そして世界へと伝承するため、大きな第一歩を 踏み出したアネスト岩田。 「エクセレントメーカー」を目 指し、カートファクトリーでの切磋琢磨の日々は続く。
100 周年に向けて原点に戻る 「メーカー」としての誇り
アネスト岩田は、2016 年度に創業 90 周年を迎えるに あたり、 「100 周年に向けて、もう一度メーカーとしての 原点に戻る」ことを第一に掲げている。 これまでは、その収益力の高さから「エクセレントカン パニー」を目指していたが、 「われわれが、次に目指すべ きなのは『エクセレントメーカー』になることです」と壷 田氏は語る。 「きちっとしたものを効率的につくるために はどうしたらいいかということに、お金と知恵を使うべき である」とし、そのためには「今後、技術者や生産現場、 生産機械の効率化にも、さらなる投資をしていきたい」と 話す。また、日本にはまだオイルフリーコンプレッサのコ ア生産が残っており、中心は福島工場であるため、先の東 担 当 コ ンサルタントからの一言
生まれます
ことで共通言語が
試行錯誤を重ねる
同じ釜の飯を食べ
世界の仲間と “ ツーカー ” になるために
アネスト岩田様ではグローバルベースで、①人材育成、②人事制度、③グルー プ拠点管理の仕組みをつくることに挑戦されています。この 3 つそれぞれを個
田丸 信幸
シニア・コンサルタント
別に改革するケースが一般的ですが、 3 つ同時に連携させて再構築することで、 グローバルでの人材流動を促進されようとしています。その中で Kart Factory 化背景の異なるさまざまな国のメンバーと一緒に Kart Factory という場を共 有し、改善の基本メソッドを体感するとともに、言葉や価値観の壁を越えて “Anest Iwata Way” を全世界に浸透していくことが期待されています。 はグローバル人材育成のための一つのツールとして位置づけられています。文
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