ビジネスインサイツ61
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土屋 裕弘
Michihiro Tsuchiya
1947 年 1976 年 2001 年 2006 年 2007 年 2009 年 2014 年
長野県松本市生まれ 京都大学大学院 薬学研究科 博士課程 修了 田辺製薬株式会社入社 応用生化学研究所配属 同社・取締役 経営企画部長 同社・代表取締役 専務執行役員 研究本部長 田辺三菱製薬株式会社・取締役 副社長執行役員 同社・代表取締役社長 社長執行役員 同社・代表取締役会長 現任
その歴史を伝える史料館をここに併設したのも、この町 が「くすりの町」だということをもっとみなさんに知って いただきたいという思いからでした。 道修町には今もなお製薬企業が多く、医薬品出荷額でも 関西は全国の 3 割を占め日本一ですが、このことは世間に はあまり知られていません。製薬企業はビジネスの相手が 限定的で、消費者との接点が直接的でないため、関心の対 象になりにくいのでしょう。 また、世界の医薬品売上高上位 100 製品に占める国別 シェアにおいても、日本は米国に次いでスイスと共に世界 第 2 位を誇ります。医薬品産業はこれからも日本の重要 な産業であり続けると思いますので、私たち製薬企業は もっと情報発信を通して開かれた産業として、存在感を示 すべきだと思っています。関西、とくにこの道修町発の新 薬を世界に向けて発信していきたいと思っています。
▶歴史を次世代に伝える田辺三菱製薬史料館◀
2015 年 5 月 に 本 社 ビ ル の 2 階に開館。明治期の くすりの町・道修町の再 現、1678 年 の 創 業 か ら の同社の収蔵品とあゆみ、 そして国際創薬企業に向 かう未来の姿を紹介。
なお、館内の収蔵品は史料 館のホームページにも紹介 されている。来館予約は同 ホームページから。 www.mtpc-shiryokan.jp
思っていることを言える自由闊達なものであることが大事 です。 私はよく「逆命利君」 (中国・漢代の説話集にある一説 「命に逆らいて君を利する、之を忠と謂う」 )がとても大事 だと言っています。これは、上司の言ったことでも会社の ためにならないと思えば違うと言いなさい、それがまた会 社を変えることになるのだから、ということです。私自身 も入社以来「こうあるべきだ」と思うことは言ってきまし たし、今でも心がけていることです。また経営を担ってか らは、反対の立場で、部下の言う「耳の痛い」話も真摯に 受け止めるように心がけています。 確固とした企業風土をつくるためには、 一貫性のある 「ブ レない経営」が必要です。次世代のリーダーには、自分自 身が企業風土そのものだということを自覚し、自由闊達に 「ものを言える風土」をつくってもらいたいですね。
自由闊達に 「ものを言える風土」 こそが人と会社を元気にする
鈴木:最後に、土屋会長から次世代を担うトップ、経営幹 部の方へ向けたメッセージをお願いします。 土屋:経営にとって企業風土は非常に大事です。企業風土 というと、どこか他人事と捉えがちですが、自分自身が企 業風土のひとつだという自覚を持つべきです。企業風土を こうしたいと言う前に、まず自分自身が変わる努力をしな ければなりません。そして、その企業風土は、お互いに
見を言えること等々、学生時代からの経験が研究所、会社のマネジメントに活きてい ること、そして TOP としてブレない経営をすることに対する熱い想いを伺うことが できました。 創薬、 海外展開、 これからも田辺三菱製薬の躍進に期待したいと思います。
土
屋会長とのインタビューでは「自由」という言葉を多くの場面でお使いにな ることが印象的でした。自由闊達な雰囲気、夢を実現するためには自由に意
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