ビジネスインサイツ61
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〜顧客目線の技術開発を! 殻を破った技術者たちの挑戦〜
ビジネス成果に向けて JMAC が支援した 企業事例をご紹介します。
「先行提案力」を強化して 顧客のニーズと心をつかむ
JX 金属株式会社
JX 金属は、銅を中心とする非鉄金属に関する鉱物資源の探査・採掘・ 製錬から電子材料製品の生産・販売・開発、リサイクルまでを手が けており、その製品の多くが国内トップ、世界でもトップクラスの 生産量を誇る。グローバルな企業間競争がますます激しくなる中、 他社との差別化を図るためには技術者の「先行提案力」の強化が重 要であると考えた同社は 2011 年、技術者のマインド変革という大 きなチャレンジに踏み出した。この活動で技術者たちはどう変わっ ていったのか、その軌跡と今後の展望などをお聞きした。
執行役員 技術本部副本部長
Norio Yuki
結城 典夫
若き技術者たちよ、今こそ 「山師的な発想」を取り戻せ!
JX 金属の歴史は、1905 年(明治 38 年)に日立鉱山の 開発に着手したことに始まり、以降 100 年余りの間、さ まざまな事業の変化に対応しながらグローバルな取り組み をしてきた。現在は、銅を中心とする非鉄金属の製造・販 売などを手がけ、上流の「資源開発」 、中流の「金属製錬」 および下流の「電材加工」 「環境リサイクル」までの一貫 した事業を展開している。スマートフォンなどのプリント 基板に使用されている同社の “ 圧延銅箔 ” は、世界シェア 70% を誇る。
近年、企業間競争がますます激しくなる中で、他社との 差別化が重要であると考えていた同社は、製品開発にもっ と顧客の声を反映させる必要があると考えていた。 「一昔前までは、 技術者がお客様の所へ行くときには “ ご 用聞き ” として営業や問屋に同行をしていて、それで成り 立っていました。しかし、グローバル化が進み、お客様の 要請が多様化してきている今、これまでのやり方のままで は競争力が確保できないため技術者にはもっとお客様とコ ミュニケーションをとってほしい、と考えるようになりま した」と話すのは、本活動の担い手である結城典夫氏(当 時の技術開発センター電材加工グループ長、現在は執行役 員・技術本部副本部長)だ。 しかし、日立技術開発センターは顧客が多く集まる東京
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