ビジネスインサイツ62
- ページ: 8
- 8
▶▶▶経験ゼロからのスタートでも今や頼れる保全チームに◀◀◀
“ 京道塾 ” で鍛えられたメンバーの方々から活動の感想や今後の抱負などを聞いた。 鈴木 志京 氏(AT 製造部・設備技術課保全班) 学校を出たばかりで何もわからない状態でしたが、 「考 えることで成長する」を実感できたので、これからもどん どん考えて前に進んでいきたいです。今はメンバーの中で いちばん年下ですが、 今後新人が入ったときに頼れる先輩、 指導できる人間になれるようガンバっている最中です。 水野 祐希 氏(同・設備技術課保全班) 活動でとくに印象に残っているのは、結果をまとめるときに、 みんなで何度も話し合ったことです。指導を受けて、トライ & エラーを繰り返してだんだんと良くなっていくのが楽しかった です。今後もメンバー同士のコミュニケーションを密にして活 動を深めていき、自分自身を高めていきます。
坂 洋輔 氏(同・設備技術課保全班) 最初は活動を甘くみていました。 いざ始まるとまったく理解できなく て、すごくつらかったです。理解す るために、自宅でも夜も寝ないで必 死に勉強しました。今では自分が やってきたことは間違っていなかっ たと堂々と言えます。活動で得た知 識を仕事に活かし、一段上に成長で きるよう努力していきます。
水野 智彦 氏 (同 ・ 設備技術課保全班) 保全未経験でこの職場に入ったの で、JMAC の教育がなかったら、こ こまで成長できなかったと思いま す。レベルが低いままだったかもし れません。身につけたことすべてを 完璧にこなせるまでには至っていま せんが、AT 平塚工場の保全マンや 全社の保全マンたちに教えることが できるくらいになりたいですね。
ないままに険しい山に登るような不安があったが、お互い に励ましあって少しずつでも確実に前に進んでいたのだ。 月 1 回のチェックポイント(指導会)まで遭難せずにた どり着けたのは、 「やはり京道さんの役割が大きい。仕事 にはたいへん厳しいが、それと同じく部下のフォローや面 倒見は徹底している」 (勝浦・村田)からだ。 フォローの工夫について京道氏は「実はプロセスよりも 定期的に結果を見てフォローしていました。結果が出てい ないときは、あまり細かく言わないで、ここはこう考えた ら? というやり方ですね。自分も中に入ってしまうと、 口出ししたり、これはこうだと答えを言ったりしてしまい がちなので、あえて距離を置くことにしたのです」とその 秘訣を語る。一見回り道のように思えても、メンバーが自 分で考えて結果を出すこと、それが「早期戦力化」につな がることを京道氏は信じていたし、メンバーもその期待に 十分に応えたのである。
技能レベルには、 「経験」というファクターが大きく影響 するからである。 「しかし経験だけでは一生気がつかない こともある」と語る京道氏がとくに期待したのは「故障解 析」である。 「経験していけば、いずれはわかるときが来 るかもしれませんが、 故障解析をやったかやらないかでは、 全然違うはずです。解析をやることによって、1 年かかる ものが 1 ヵ月でわかるという部分もあるのです」 (京道氏) 故障解析では、故障が発生するメカニズムを原理・原則 から解析することで、真の原因をつかんでいく。それをも とに、故障が発生しない条件を設定すること、それを維持 していくことが求められる。このように「故障から学ぶ」 ことで、経験だけでは習得しにくい解析力・知識力・対応 力が向上していくのである。 「たとえば 1 ヵ月に 1 回の故障の修理が当たり前とイン プットされると、毎月の作業に固定化してしまいます。し かし、故障解析で真因をつきとめ、フィードバックすれば 半年もつこともあるのです。経験だけではなかなか気がつ かないものですが、きちんと故障解析をすれば現状を見直 して、合理的な対策も打てます。そういう意味で早期戦力 化に大きく寄与していると思います」 (京道氏) 故障解析を学習・実践するに当たって、同工場では故障 した現物を「教材」として活用している。保全の使命とし ては「故障させない」ことであるが、故障したらその現物
「故障に学ぶ」を真に実践 自ら教材をつくり知識を共有化
早期戦力化とはいえ、非定常の作業が多く占める保全と いう業務において真に戦力となるレベルに達するには、一 朝一夕ではむずかしいことを京道氏も十分認識していた。
- ▲TOP