ビジネスインサイツ62
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▲故障した現物を教材化して展示。写真は、ヒーターの断線見本 (左) 、軸受が破損したモーター。もちろん、しっかりと故障解析 もされている
は最高の教材になるのである。 故障解析を支援した勝浦は「なぜ壊れたのかをきちんと 解析して、その結果と現物を自分たちで展示して、共有化 している」としきりに感心、 「故障に学ぶことの意義をしっ かり理解している証拠」と高く評価している。 「もちろん、一発ですぐに正解はなかなかむずかしいで す。よかれと思ってやったことが、うまくいかないこと もあります。しかし、あるべき姿へ向けた PDCA を回す ことはできています。収穫としては、 『本当に正しいのか』 を確認できるようになったことです」 (京道氏)
▲自慢のからくり改善の展示を説明してくれたのは坂 信也 氏 (AT 製造部設備技術課) 。 「自分たちのアイデアを具現化していく楽し さを感じるようになったから、これからも良い改善がどんどん生 まれそう」と終始笑顔だった
造はお客様」ということ。メンバーには「製造の言うこと を聞け・断るな・故障対応や改善の納期を守れ」を徹底さ せた。こうした厳しい指導も、かつて製造課長も兼務して いたからだ。今では「保全がやるなら製造でも一緒に考え よう」という事例がどんどん出るようになった。そしてメ ンバーはその成果を外部の展示会や発表会などで積極的に 発表するようになり、 社内でも一目置かれるようになった。 「われわれの取組みや成果を自工場だけにとどまらず、 他の工場、他の事業所、そして全社へと共有していくこと が今後の課題。設備管理とはリスクをどう評価してアク ションをとるかということ。リスクとの関わりで情報発信 していけば、経営も判断しやすい。これからは働き方改革 も視野に入れて 『One Furukawa』 のキーワードのもとで、 全社的な展開へと発展させていきたい」との想いを語る京 道氏の夢は、 一体感の輪を全社レベルに広げていくことだ。 今後ゆるぎない成長をするであろうメンバーと京道氏の 強い想いは、 「One Furukawa」への大きな波となり、さ らに「一段上」へと成長するに違いない。
不可欠です が︑再発防止には 障を解析すること 原理・原則から故
メンバーを見守る眼差しの先にある 「One Furukawa」への想い
「個人の成長もさることながら、要は保全チームとして どれだけやれるようになったかです。まず事後保全をしっ かりやって、再発防止、そして予防保全へと取り組むこと ができました。さらに 2 年くらい前から製造と協力して 設備改善 (からくり改善など) にも取り組んでいます」 (京 道氏)と、そのねらいは「製造と保全の一体感・信頼関係 の構築」にもある。 そのために京道氏がメンバーに強く訴えていたのは「製 担 当 コ ンサルタントからの一言
設備管理の仕組みづくりは人材育成そのもの
今回の 5 つの活動テーマは設備管理にとって不可欠なものですが、業務経験 がないと理解するのが難しかったかもしれません。しかし、メンバーのみな さんが必死に勉強して「故障から学ぶ」ことで解析力、対応力を飛躍的に伸
ばしたことには敬服します。とくに実際に故障した現物を教材にして共有化 していることは素晴らしい。おそらく 1 年ほどで、5 つのテーマそれぞれが 密接に関係し合っていることに気づいていただいたはずです。京道さんはじ
TPM コンサルタント
村田 晃章
めスタッフの方々のバイタリティと熱意があってこそ、メンバーが積極的に
なり自身を成長させたといえます。 活動そのものが人材育成になった好例です。 TPM コンサルタント
勝浦 弘
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