ビジネスインサイツ63
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人と組織(チーム)の力を最大化することを目的に JMAC が 支援した企業事例をご紹介します。
「若手の発想」 が会社の未来をつくり出す 先進の事業探索が今、走りだした
〜「自分たちの 10 年後」を見据え、 「未来志向の事業」につなげていく〜
「クリエイティブな発想」で 既成概念を打ち破れ !
広島市に本社を置く総合医療機器メーカー、ジェイ・エ ム ・ エスは「輸液輸血」 「血液透析 ・ 腹膜透析」 「循環器」 「医 療用一般用品」 という 4 つのフィールドで独自技術を持ち、 製品の開発・製造・販売までを一貫して行っている。 同社はここ数年来、 「既存事業に加えて、今後どのよう な周辺事業を展開することができるか」を模索し続けて おり、社外のさまざまなセミナーに参加する中、2010 年 に参画した JMAC の「将来の事業展開を考えるセミナー」 が活動のきっかけとなる。 このセミナーに参画し、のちにプロジェクトの推進役と して事務局を担った中川宜明氏(研究開発統括 中央研究 所 研究管理室室長)は、 「セミナー講師とディスカッショ ンする中で、 『新たな事業展開をするときに、知識のある 人が中心になってもなかなか殻は破れない。その人たちが しっかり仕組みをつくって、若手の柔軟な頭で考えていく 展開をすべきではないか』との話に共感し、 そこから、 『若 手の発想をどう活かせるか』ということを具体的に考えて みようと思ったのが活動のきっかけでした」と語る。 後日改めて JMAC と話し合いを重ね、支援を依頼する ことに決めた中川氏は、 「やはりわれわれは技術者ですか ら、 『技術目線を活かし、医療の現場で本当に何が必要な ものかを提案する』という方向性を軸に、当社に合った支
援プランを構想の段階からしっかり打ち出していただけた ところがよかったですね。この活動で、若い技術者が自ら クリエイティブな発想ができるような仕組みをどうつくっ ていくか、 そのきっかけを生み出せるメンバーも選出して、 実現に向けて若手目線でトライしていこうとスタートしま した」と語る。 こうして 2011 年、ジェイ・エム・エスは JMAC をパー トナーとして、“ 若手の発想 ” を活かした新規事業開発へ の取組みをスタートした。
「10 年後にどうなりたいか」を 本気で考えたことはあるのか ?
活動にあたり、まずは将来のテーマ創出に必要な “ 考え 方 ” や “ 手法 ” を習得するところから始めた。まずは何を 目指したいか。 医療現場の視点に立ったビジョンの構築法、 また現実と結びつける「仮想カタログ」展開をジェイ・エ ム・エス流にカスタマイズして将来開発したいものを製品 カタログとして描き、チームで練り上げていく。 通常の研究業務に加え中長期で行うこの活動では、将来 の幹部候補への期待を置ける者や、 自ら手をあげた者など、 + αの活動に入れる “ やる気のあるメンバー ” を集めた。 しかし、それでも最初のころは、宿題をやらされていると いう “ やらされ感 ” や、 「コンサルタントは外から見て好 きなことを言うだけでしょ」 という雰囲気があったという。
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