ビジネスインサイツ63
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小池 利和
Toshikazu Koike
1955 年 1979 年 1982 年 1992 年 2000 年 2005 年 2007 年
愛知県出身 早稲田大学政治経済学部卒業 ブラザー工業入社 ブラザーインターナショナルコーポレーション(米国法人)に出向 同社 取締役 同社 取締役社長 帰国 ブラザー工業 取締役常務執行役員 同社 代表取締役社長 現任 いと考えています。
的に言い続けています。
テーマは 「変革への挑戦」 構造改革で持続的成長をねら う
鈴木:ブラザーはこれまで、時代や環境の変化に対応して ミシン製造からファクス、プリンターなど情報通信分野へ と事業の構造改革を絶えず行ってきました。今後のブラ ザーの方向性や目指したい姿についてお聞かせください。 小池:現在、ブラザーの売上げ・利益はプリンティング事 業に支えられていますが、近頃はモバイル端末の普及で プリンターや複合機で印刷する機会が減ってきています。 そこで、“ 成長のエンジン ” を今後の成長が見込まれる BtoB 領域にシフトして会社の形を変えていくことを決め、 2016 年度からの 3 ヵ年中期戦略では「変革への挑戦」を テーマに構造改革に挑戦しています。2015 年にはこの布 石として、英国の産業印刷機メーカー、ドミノプリンティ ングサイエンスを 1,900 億円で買収し、技術者集団を迎 え入れました。 構造改革では、事業ごと一気にリストラするのが合理的 かつ迅速ではありますが、できればその手法はとりたくな いと思っています。日本的な発想なのでしょうが、ある程 度時間がかかることを想定したうえで、 「混合」の形をとっ ています。その中で、限られたリソースを最大活用し、徹 底的に効率化することで新たな顧客価値を創出していきた
「情熱」と 「責任感」を持ち続け “人生を賭ける覚悟 ” で臨む
鈴木:最後に次世代を担うトップや経営幹部の方々への メッセージをお願いします。 小池 : 経営者にとって一番大切なのは、 「心折れることなく、 情熱と責任感を持ち続けること」だと思っています。リー ダーである以上、大勢の従業員が自分の顔を見ているわけ ですから、常に明るく楽しく元気にニコニコしていなくて はいけない、という面での努力は必要だと思いますね。 また、今はグローバル化が急速に進み、ビジネス環境が ますます複雑になってきていますから、 「何百倍ものデー タを自分の頭で必ずダイジェストし、常に迅速に正しいと 思われる判断をし続けること」 が重要な要素です。とくに、 ブラザーは 82 パーセントが海外ビジネスですから、日ご ろからすぐに現地の細かい情報をつかめるだけのネット ワークを張っておいて、迅速な判断ができるようにしてお かなければなりません。 要するに、経営者とは「強靭な体力と精神力」と「飽く なき情熱と責任感」を持ち続けなければならない、という ことです。トップというものは、決して生易しい仕事では ありません。次世代のトップを担う方たちには、そういう 気概を持って臨んでいただきたいと思います。
てこられたこともあり、人を惹きつけるフランクさがとてもさわやかでした。仕事に 情熱を持ち、ブラザーを牽引していく強い想いが溢れていました。大学卒業時点で社 長になるという志を持ち、その想いを初志貫徹なさったことに脱帽です。
小
池社長の印象はとにかくポジティブでした。高い志を持ち、有言実行してき たという自負と自信が感じられました。また、アメリカで多くの人脈を築い
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