ビジネスインサイツ63
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を供給する) ②品質調整作業改善(治具を改良するなどして、あるべき 方向に変えていく) ③生産スケジュール改善 (毎日の出来高目標を決めて、 キー マンがスケジュールコントロールを行う) 工場に入って、製造技術の提供も含めた支援を行った藤 井は「きわめてオーソドックスな方法をみんなできちんと 実践していくことで、生産性向上を目指しました」と説明 する。毎月の定例報告会で活動の進捗状況を聞いていた中 田氏は「JMAC にいろいろ指摘を受けて、 『できて当たり 前だと思っていたことが、実はできていなかった』といっ た多くの気づきがありました」と振り返る。 こうして活動を続けてきた結果、ペン先の生産能力が現 在では 20 倍まで引き上げられ、供給不足が少しずつ解消 され始めた。 で実践を重ねた。たとえば「この会議にはどういう企画を 出して、そのためにはどのテーマを誰に与えて、それをど うやってフォローしていくか」といった一連のマネジメン ト業務を仕事の中で経験し、 方法や考え方を習得していく。 この活動は 2016 年 3 月まで行われた。藤井は「その 後も、ミドルのみなさんは勉強会などで定期的に考える機 会を持ち、さらに力をつけていきました。現在では当初の 20 倍の生産能力がついています。もうわれわれが何もし なくても、みなさん自身の力でものをつくれるようになり ました」とその成果を語る。 中田氏は「それでもやはり、ミドルの育成は難しい。そ の少し上のミドルの問題や次世代をどう育てるかの問題も あるので、課題は尽きません」と話し、 「企業にとって人 材育成は一番大切で、永遠のテーマでもあります。人が強 くならない限り、企業は強くなりません。何ごとも、内向 きになるのが一番良くない。ミドルに限らず、みなさんに はもっと外に目を向けて、リスクを恐れず、自ら考えて能 動的に動ける人材になってほしいですね」と語る。
「ミドルの自律」で会社を強く 本質的な課題はここだった
この活動に続き、 次は資材調達の構造改革に着手したが、 なかなか運用の仕組みを定着させることができなかった。 この状況から「運用が定着しない原因は、工場の維持管 理を行うミドルのマネジメント力不足にあるのではない か」と考えた中田氏は、JMAC 支援のもとミドルのマネ ジメント力強化にも注力していった。キーワードは「ミド ルの自律」 。マネジャー自身が結果を出すのではなく、う まく人を回しながら答えを出していけるよう、OJT 形式
“ 手仕事 ” と “ 工業化 ” のはざまで 万年筆ゆえの面白さと難しさ
こうして生産能力を 20 倍に引き上げたプラチナ万年筆 であるが、販売数も順調に伸びているため、未だ慢性的な 供給不足が続いている。さらに合理化を進め、効率的な生 産をしていく必要があるが、そこには万年筆ゆえの難しさ もある。
ペン先加工の代表的な工程(14 金・18 金) ❶
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資料提供:プラチナ万年筆
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