ビジネスインサイツ64
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張本 邦雄
Kunio Harimoto
1973 年 2003 年 2005 年 2006 年 2009 年 2010 年 2014 年
東陶機器株式会社(現 TOTO 株式会社)入社 取締役 執行役員 販売推進グループ長 取締役 常務執行役員 販売推進グループ長 マーケティング&コミュニケーショングループ担当 取締役 専務執行役員 マーケティンググループ 販売推進グループ担当 代表取締役 社長執行役員 代表取締役 社長執行役員システム商品グループ 新領域事業グループ担当 兼 V プラン新領域事業担当 代表取締役 会長 兼 取締役会議長
全社横断的な全社最適活動を推進しています。5 つのタス ク「マーケティング革新」 「サプライチェーン革新」 「もの づくり革新」 「マネジメントリソース革新」 「経営情報イノ ベーション」のヘッドには副社長 2 名、専務 2 名、常務 を据え、 「横が最適解を出すのだから、縦よりも横の方が 偉い」と宣言しました。横軸の組織をつくると縦横どちら が偉いかという議論になるので、あえて会議体のままにし ています。この活動の目的は業績の改善ではありますが、 何より重要なのは、横軸に入って活動した部長クラスの人 たちが 「全社最適とは何か」 を学ぶことだと考えています。 彼らは今ちょうど部門長クラスになりましたが、全社最適 の視点で議論ができるようになっています。人づくりとは そういうことだと思いますし、これがこれから先 5 年 10 年の TOTO を支える大きな基盤になったのではないかと 考えています。 もうひとつの「全社一丸」では、真のグループ経営を目 指しました。その実現のためには、グループ会社を本当に 大切に思う心を持ち、同時にきちんと制度整備もしていく ことが求められると考えています。社内では「子会社」と は呼ばず、 「グループ会社」という呼び方をします。また、 グループ会社を含めた業績連動型賞与の導入や、TOTO グループ会社のユニオン設立、契約社員の組合員化は制度 整備の一例ですが、皆の意識改革は着実に進みました。 グループ全体で行う人材教育も非常に重要で、リーダー 候補を育成する「経営塾」は、コースによっては参加者の 半分がグループ会社の社員です。グループ会社の社員をき
ちんと教育して経営にコミットしてもらえるようにするこ とはとても大切ですし、ここのメンバーは何年かに一度 会っていると思いますが、もうすっかり「同期」になって いるわけです。グループ会社とか TOTO 本体とか関係な い。こういうことが実は “ 腹落ち ” した真のグループ経営 だと思っています。
「日本を世界のショールームに」 日本のトイレ文化・技術を世界に発信
私は 2013 年 3 月期で社長を終え、2014 年度に会長に 就任しました。現在は、社長の喜多村が「TOTO V プラ ン 2017」に基づき、 「真のグルーバル企業」を目指して さらなるグローバル化を進めています。 今、TOTO が注力しているのは「日本を世界のショー ルームに」 という活動です。 海外から日本に来た方々にウォ シュレットを使っていただいて、母国に帰ってぜひウォ シュレットを広げてほしいというものです。 われわれは、その地域その国でトップブランドになるこ とが真のグローバル化だと考えています。今、全世界でナ ンバーワンのところも、セカンドのところも、まだまだ無 名のところもありますが、誰もが TOTO を知っている、 そして使ってみたいと思っていただけるようなブランドを 目指し、さらなるグローバル化を進めてまいります。
本稿は 2017 年 7 月 25 日に開催した JMAC トップセミナーの基調講 演をもとに作成したものです。
講演を聴いて
ためには強い牽引力は言うまでもなく、ロジカルに周囲を説得かつ納得させて進めて いくことの重要性を改めて認識させられました。逆の見方をすると単に緻密なだけで は持ち得ない「人を牽引する魅力」があるお人柄でした。
張
本会長は一見豪放磊落な方なのかという印象を持ちましたが、非常に緻密で 定量的に物事を進められる方であることがわかりました。改革を推し進める
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