ビジネスインサイツ64
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が事業化に向け活動している。 山口氏は JMAC について「10 年以上ずっと一緒に歩ん でいただいて、チーム運営でもずいぶんと苦労をおかけし てきました。しかし今は、支援の成果が出て、最初のころ と比べて、たいへん良い方向へ変わってきています」と述 べる。 メンバーの変化については「チームに入って活動するこ とで、自部署だけではなく自社、そしてグループ全体を知 り、一人ひとりが全体を考えるようになりました。また、 開発は初めてだというメンバーも多く、 『ないものをどう やって生み出し、 他社との差別化をどう図るか』といった、 それまでになかった思考回路を持つことができたのも大き いと思いますね。 『どうしたらうまくいくのか』 『グループ 全体だったらどうなのか』を常に考えることで、リーダー シップやマネジメント力が培われ、この活動のもう 1 つ の目的である次世代の経営者候補の育成もできているよう に思います」と評価している。 また、会社の体質も大きく変わってきたと言い、 「開発 だけではなく、通常業務も横の連携をするようになりまし た。商品ごとに『営業利益の管理』を実施するようになっ て、その商品にかかった原価から労働力までをトータルで 考えていこうという、横のグループでの連携が進んでいま す」と語る。
る。 「2020 年の東京オリンピック・パラリンピックで日 本は大きな変化点を迎えます。変化点を世の中の潮流とし て捉え、日軽金グループが何か世の中のお役に立てること を考えていこうと、 3 年前に 『オリンピック活動』 をスター トした今、4 テーマが事業化に向けて活動しています」と 語り、経緯を次のように説明する。 まずグループ全員の 13,000 人からアイデアを募り、集 まった 8,000 件を全国の若手で議論した。そこで残った 8 分野にまたがるアイデアでチームをつくり、次のステッ プに進むプレゼンテーションを経て最終的に残った 4 テー マが今、動いている。 今後の展望について山口氏は「日軽金グループには『お 客様に感動していただきたい』という強い想いがあり、そ れを会社の行動指針にもしています。お客様に感動してい ただき、選んでいただける企業になるためには、それに見 合う価値のものを見つけていかなければなりません。その ためには今の 2 倍はテーマが必要ですから、全員参加が 当たり前であるという形にしていきたいと思っています。 今後はさらに 「創って作って売る」 を加速し、 日軽金グルー プにしかつくれない付加価値を提供し続けていきたいと考 えています」と力強く語る。 「創って作って売る」——日軽金グループが「お客様が 本当にほしいものは何か」を探索・実現し続けてきたこの 活動は今、新たな飛躍のときを迎えようとしている。
お客様に感動を、そして選ばれる企業へ 未来への布石を打ち続ける
そして今、日軽金グループでは、新たな挑戦を始めてい 担 当 コ ンサルタントからの一言
新事業開発には 継続する強い組織 づくりが 欠かせませんね
鬼束 智昭
シニア・コンサルタント
“ 信念 ” を持った継続こそが “ 組織の力 ” となる
私自身の日本軽金属様とのおつき合いは 10 年程になりますが、直接的な事業 成果だけでなく、体質の変化に大きな成果を感じます。技術者の行動や思考が 本質的な意味で顧客志向になってきたり、活動の中で使っていた顧客志向の キーワードが日常業務でいろいろな人から自然に聞こえるようになったりした 工夫を取り入れてきた山口室長はじめ推進室の取組みによるところが大きいと お取引様に対して新しい価値の提案を実現していくことと思います。
ことが大きな変化と感じます。これは毎年の活動に甘んじず、日々さまざまな 感じます。 この体質の変化はこれからも戻ることはなく、 オリンピックに向けて、
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