ビジネスインサイツ65
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ズにお応えできるような形で製品をご提供させていただい て、 その社会に貢献していくことが大切だと考えています」 現在、積水化成品はグローバル拠点を含めた日本の全自 動車メーカーに部材を供給しているが、今後はさらに世界 中の自動車メーカーへの供給を目指し、製品開発を進めて いく。2016 年には展示会の開催都市ドイツ・デュッセル ドルフ市内に欧州初の開発拠点を開設し、自動車部材に使 われる「ピオセラン」をはじめとする発泡プラスチックス の試作品をタイムリーに提供できる環境を整備した。 今後の見通しについて柏原氏は、 「海外拠点も順調に拡 大していますし、工業分野の新しい商材にもしっかりとつ いていっていると思いますので、早晩、生活分野と工業分 野は五分五分になると思います」と語り、 「そのためにもっ と開発を加速する必要があります」と表情を引き締めた。
クノゲル」の需要が増えている。 「医療向け素材はこれか らの高齢化社会に貢献できると思いますし、美容素材は新 興国の方たちも興味を持っているのでワールドワイドに伸 びていくと思います」と期待を寄せる。 今後の展望について柏原氏は、 「プラスチックスのビジ ネスで地球や環境にどのような貢献ができるのかをしっか りと考えていきたい。日本のみならずグローバルな社会に 貢献し、産業界に貢献し、環境に貢献していくことが重要 です。それを実現する形で成長していきたい」と語る。 そのためには時代に先駆けた技術革新をし続けることが 必須であり、何をどうすべきかについては「その都度みん なで議論しながら、お客様との対話を通じて見つけていく ことが大切である」と語る。 「経営者も社員も、みんなが想いを持って方向性を一致 させて、それぞれの方向に対して自分が果たすべき役割を 意識しながら一緒になってやっていこうというのが、創業 の精神である『全員経営』です。創業から 57 年経った今、 その発想は積水化成品のカルチャーになっています。とき にはぶつかり合ってもいいと思っています。切磋琢磨しな がら、 全員経営でチャレンジしていく。そういう気持ちは、 これからもずっと持ち続けたいですね」 プラスチックス・ソリューションで無限の可能性を追求 し続ける積水化成品グループ。 「全員経営」 のチャレンジで、 これからもプラスチックスの未来を切り拓いていく。
「全員経営」のチャレンジで
プラスチックスの未来を切り拓く
グローバルに工業分野が躍進する中、国内でも生活分野 の新開発製品が好調だ。 「素材のご要望にあわせて改良し てきた結果、 今、 伸びている」と柏原氏が挙げたのは、 「電 子レンジ対応型の素材」だ。これまで発泡が困難とされて きた PET 樹脂を独自技術で発泡したものや、従来のポリ スチレン系樹脂発泡体をさらに進化させたもので、その断 熱性の高さから電子レンジにかけても熱くならない。弁当 や麺類の容器としてシェアを伸ばしている。 また、医療・健康の領域では心電図用電極や電気メス用 対極板、美容パックなどに使われるハイドロゲル素材「テ 担 当 コ ンサルタントからの一言
ヒット商品の開発でジレンマに陥っていませんか。
技術開発に最大限の力を注いでも、ヒット商品に恵まれない、商品にお客さ 水化成品工業様はこうしたジレンマを克服し、新分野でも製品を開発し高業
まが満足していない、というジレンマ(悪循環?)に陥っていませんか。積
シニア・コンサルタント
績を上げ続けています。 その秘訣について開発畑出身の柏原社長は 「顧客ニー ズ・ウォンツの捉え方」 「顧客共通の便益の束ね方」などの事例を交えて語っ てくださいました。また、同社の秘訣を掲載した書籍『儲ける開発』が好評
発売中です。 「ヒット商品は最先端技術から生まれる」 「ヒット商品を生み出
せるのは一握りのスーパーマン」 などは幻想だということがわかるでしょう。
﹁儲ける開発﹂を 5つのステップで 実践する方法を 解説しています ぜひご一読を! 中村 素子
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