ビジネスインサイツ66
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株式会社オカムラ
社会環境が変わり、 生き方や働き方が多様化した現代において、 ダイバーシティ推進は企業の重要課題のひとつとなっている。 しかし、それをどのように進めればよいのか頭を悩ませている 企業は少なくない。そうした中、オカムラがダイバーシティ推 進で着実に成果を上げている。女性リーダーと 10 人の女性プ
ロジェクトメンバーが会社全体を巻き込み、在宅勤務制度の導 入や大規模な「ワークショップ」開催など、いくつもの「オカ 土を目指すオカムラの、活動の軌跡と今後の展望を伺った。 ムラ初」を実現してきた。男女ともに誰もが活躍できる組織風
管理本部 人事部 ダイバーシティ推進室 室長
望月 浩代
Hiroyo Mochiduki
氏
こうして、オカムラは JMAC をパートナーとしてダイ バーシティ推進プロジェクトを加速していった。
目指す方向がキッチリ決まったことでチームがひとつにな れました」と振り返る。尾﨑氏は「メンバー全員で多様な 意見を出し合って議論を重ね、全員が納得できる『目指す 姿』をつくることができたので、その後は施策や制度を検 討するときにも積極的にさまざまな視点からの意見を出し 合うことに抵抗がなくなり、 一気に進みました」と述べる。 本プロジェクト成功のカギとなったのが、 「目指す姿」 の実現に向けた重点課題への取組みだ。重点課題を 3 つ に分けて次の 3 チームで推進している。 ①モチベーションチーム 女性社員の日々の仕事や昇格に対する意欲の後押し (ワークショップ、他社との交流会など) ②コミュニケーションチーム 女性社員と上司・同僚とのコミュニケーションサポート (育休復職者向けセミナー、 キャリア面談用シート作成など) ③多様な働き方チーム 柔軟な働き方を実現するための仕組みづくりと浸透(在 宅勤務制度導入、 フレックスタイム制度のコアタイム廃止、 短時間勤務者へのフレックスタイム制度適用など) 中でも育児・介護者が活用できる在宅勤務制度は、プロ ジェクトにてトライアルを実施し、スタートから 10 ヵ月 で導入を実現した。アンケートやヒアリングからヒントを 得た施策や企画をミーティングで発表・議論し、決定後は
「スピーディーな支援制度づくり」で 実効性のあるプロジェクトに
その後は、どのような課題があるのかを綿密に調査し、 取り組むべき重要課題を抽出することから始めた。同僚や 上司への草の根ヒアリングや女性社員へのアンケートでは 「女性管理職が少なく、自分がなるというイメージがわきに くい」 「時間に制約がある社員が増加する中、もっと柔軟に 働ける環境であれば」といった意見が多く寄せられた。こ れらをもとにオカムラの女性活躍の「目指す姿」を、男女 ともに目指すべきものとしたうえで、次のように策定した。 ①一人ひとりが自身の目指す姿を描き続け ②あらゆる状況の中でも自分なりの成長を常に意識し ③仲間と共に、組織の発展にさまざまな形で貢献している プロジェクトミーティングとして対話・議論を重ねてい く中で「目指す姿」が決まった瞬間、 「明らかにチームの 雰囲気が変わり一体感が生まれた」と語る望月氏は「それ までみんな何を目指すのか、何がゴールなのかとモヤモヤ していましたが、 『まずは女性活躍推進から始めて、その 先の多岐にわたるダイバーシティ推進もやっていこう』と
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