ビジネスインサイツ66
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尾﨑 佑衣子氏 (管理 本部 人事部 人事企 画課)
らなるウェーブを起こした。それが、オカムラ初の試みで ある全女性社員を対象とした「ソダテルワークショップ」 だ。部門を超えた交流とキャリアについて考えるきっかけ の場として開催され、全 6 回で女性社員の 8 割にあたる 約 300 人が参加した。最大 80 名規模での開催もあり、参 加者からは「継続してこういう機会をつくってほしい」と いった前向きな感想が多く寄せられた。 実はこのワークショップ、経営層に打診したときには 「全国からそんなに人が集まるのか?」 「開催は難しいので
尾﨑氏の所属する人事部で制度化するというスピード感あ る対応が、プロジェクトをより実効性の高いものとしてい る。
は?」との声もあった。 「それでも私たちは、絶対に実現 したいという想いでした」という望月氏は、役員と顔を合 わせたときにはなるべくその話をして、想いを共有できる 関係づくりに努めた。結果、ワークショップを実現し、役 員自ら参加してメッセージを発信してもらえるまでになっ た。 「今後も積極的にアクションを起こして経営層の理解 を得ながら、いろいろな場面で巻き込んでいくことが必要 だと感じています」 (望月氏) JMAC シニア・コンサルタントの笠井洋は「中村社長 は『女性が活躍できる業種 ・ 業界なのに女性社員が少ない』 とよくおっしゃっていますが、本プロジェクトに対しても 『他社のまねではなく、オカムラに合った、オカムラ独自 の活動を継続してやってほしい』と期待を寄せています。 経営層の多くが『何かできることはないか』という姿勢で いてくださるのは、やはりみなさんの活動が社内に良い影 響をもたらしているからだと感じます」と述べる。
オカムラ初の「ワークショップ」が熱い! 「巻き込み力」で経営層とも想いを共有
このスピード感とともにプロジェクトで大切にしている のは「オープンなスタンス」だ。 「閉じたところで勝手に 何かが決まっていく」ことがないように、社内の誰もがオ ブザーバーとしてミーティングに参加し、意見を言うこ とができるようにしている。毎回、性別や役職関係なく 誰かが必ずオブザーバーとして参加しており、茨城県つ くば事業所で行ったミーティングでは、メンバー 10 人と JMAC2 人(計 12 人)に対し、20 人以上のオブザーバー が参加した。 ダイバーシティ推進を自分ごととして捉えられるよう工 夫し、情報と想いの共有を図るこの「巻き込み力」は、さ
ソダテルロゴマークに込められた想い
本プロジェクトの愛称は「ソダテルプロジェクト」 。 このソダテルロゴマークには、 「オカムラの社員という う実を結ぶことができるように」という想いが込めら 多様な色・形の花をたくさん咲かせ、企業の成果とい れている。社内の女性デザイナーによるデザインであ るところもオカムラならでは。ロゴシールを所持品に 貼ってプロジェクト賛同の意を表す社員が増加中。
「こうしたい」が形になり 意識が大きく変わり始めた
プロジェクトがスタートして 1 年半が経つ今、 「女性社 員の意識が少しずつ変わり始めた」という尾﨑氏は「セミ ナーに参加したいと自ら手を挙げる人が増えましたし、 『こ ういう風にしてほしい』といった相談も日常的に入ってく るようになりました」と述べる。さらに、マネジメント層 の意識も変わりつつある。所属長も参加する育休復職者向 けセミナーの翌週には、今まで時短勤務者が参加しにくい 時間に実施されていた朝礼の時間を変更して、時短勤務者 も参加できるようにした部門も現れた。アンケートで「ダ イバーシティの方針が明確になっているか」 「今の女性活 躍の取組みに満足しているか」という項目についても、プ ロジェクト開始直後は「はい」がいずれも 10%程度だっ
※本物はカラーです
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