ビジネスインサイツ66
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CS 行動指針策定に携わった CS リーダーの声
・行動・創造・挑戦と 3 つのキーワードと CS リーダーみんなの想いからつくり上げ た CS 行動指針です。AIRDO 全体に浸透し、みなさんに活用してもらえることを期 待しています。 ・新しい CS 行動指針は「自分のため」 「チームのため」 「会社のため」 、そして何より 「お客様のため」のアクションをまとめたツールです。みんなで AIRDO らしさを体 現していきましょう。 ・どうすべきか迷ったときに、この CS 行動指針を思い返し、みなさんのすべての行 動が「お客様のために」へつながるようになれば最高です! (AIRDO 社内報より抜粋・編集)
も「日本一好感度の高い航空会 社を目指し、全部門で顧客満足 度の向上に資する具体的な取り 組みを実施する」とした。施行 後は、 CS リーダーが先頭に立っ て部門独自の活動に取り組んで きた。月 1 回の定例ミーティン グでは、活動実績を発表し、水 平展開を図っている。 こうした活動の中で、草野氏
葉を入れるかだ。特定の地域へのこだわりはかえって事業 展開の制約につながるとの意見もあった。しかし、 「大手 でもなく LCC でもない、独自性のある航空会社」を目指 す AIRDO にとって、キーファクターは北海道であること を明確にした方が、 会社の方向性がわかりやすいと考えた。 また、この行動指針は「個人」 「チーム」 「企業」の三層 構造になっているが、 この点について草野氏は 「個人はチー ムを、チームリーダーは会社全体をというふうに、それぞ れが一段上の立場から物事を考え、行動してほしいと思っ ていたので、JMAC から『キーワードを三層にわけましょ う』とアドバイスを受けたときには、 『とてもいい、これ はいける』と感じました」と語る。 これらの草案を練る際には、経営層と CS リーダーとの やりとりが幾度となく行われた。草野氏は「CS リーダー がモチベーションを持って主体的に決めていくという基本 方針がある一方で、これはたいへん重要な経営テーマでも あることから、そのバランスをどうとるかに非常に苦労し た」と振り返る。とくに初回は双方のイメージのギャップ が大きく、 「ほぼ出直しだ」と差し戻した。 「最初の頃に CS リーダーから出てきたものは網羅的で、力が入りすぎ てゴツゴツした印象でした。経営陣としては、もっと『日 常的に血となり肉となるような言葉にしてほしい』という 意識が強く、そこのギャップが大きかった」 こうして議論を重ね、考え抜いて策定した CS 行動指針 は、2017 年 2 月の CS 向上推進会議において満場一致で 承認された。
が一番大きな変化を感じたのは「お客様と直に接しない社 員も、顧客満足を強く意識するようになった」ことだと語 る。整備部門から CS 推進室に対して「機内設備の不具合 に関するお客様の声を、四半期に一度まとめて教えてほし い」と初めて要請が来たことに加え、その分析結果をもと に「社員が私用・社用で搭乗したときには機内のオーディ オを試し、不具合があったら知らせてほしい」という提案 があったという。 オーディオサービスは乗客が期待するサービスの上位に くるが、安全には関わらないため定期的な整備点検が求め られていない。ゆえに整備士が不具合に気がつくことは難 しく、乗客に指摘されない限り発見できないという実態が あった。CS 推進室は早速この提案を社内報で発信し、全 社員に共有した。草野氏は「お客様と直に接していない整 備の人たちからの声だったことに驚きましたし、うれし かったですね。特定の部門の仕事を想起させないで、みん なで共感しようということをねらった行動指針から、良い 成果が生まれました。これがほかの部門に火をつけてくれ ると、とてもいいですね」と期待を込める。
定着に向けて、これからが勝負だ
お客様への貢献を実感できる活動に
これまでの活動を振り返り、草野氏は「JMAC には本 当に親身に関わっていただきました。策定中は、CS リー ダーミーティングをスムーズに進める丁寧なファシリテー トや、熱い想いを込めた数多くの文章案の提示をしていた だきましたし、策定後にはワークショップに関わっていた だいたことで、 浸透を促進することができました」と語る。 とはいえ、まだまだ浸透途上であるとし、 「せっかくわ かりやすく身につきやすい行動指針ができたので、今後こ
「お客様の声を聞かせてほしい」 率先して動き出した整備士たち
新たな CS 行動指針は同年 4 月から施行され、経営方針
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