ビジネスインサイツ66
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の指針が社員の血となり肉となり定着化させていくため に、これからも実践的なアドバイスをしていただきたいと 思っています。浸透させることが一番難しいので、これか らが勝負です」と今後を見据える。 JMAC の蛭田は「CS リーダーミーティングでは活発な 議論が行われ、まさに部門の垣根を超えた相互刺激の場と なりました。今後 AIRDO の中堅として経営の一翼を担っ ていく方々の相互刺激の場としても、とてもよかったので はないかと思います。浸透・定着に向けて、お互いの行動 をきちんと見て認め合い、常日頃から『今までにない高い 志と情熱でやっているね』 『チームワークよかったね』と コミュニケーションしていくことが大切です」と述べる。 今後は、 「社内啓発説明会」 「研修」 「CS 行動指針賞」の 3 つの施策を通じて浸透を促進し、定着させていくことに なる。 「社内啓発説明会」では、CS リーダーの活動や CS 調査結果を説明して社内啓蒙活動を深め、新入社員を含め た階層別の「研修」でも、顧客満足や行動指針に従って行 動することの重要性を伝えていく。 「CS 行動指針賞」 では、 CS 行動指針を体現した人を表彰して裾野を広げることを 目指す。 「やはり、体現した人がほめられることで浸透す るルートも必要です。今後は、社員一人ひとりがお客様へ の貢献を実感できるよう、お客様からおほめいただいたこ とがもっとダイレクトに本人に伝わるようにしていきたい と思っています」 (草野氏)
2018 年 12 月 に 就 航 20 周 年 と い う 節 目 を 迎 え る AIRDO。草野氏はこの 20 年を振り返りつつ、 「企業とい うのは難しいもので、ずっと成長を続けていると、どこか に歪みが生じます。当社はこれまで路線を拡大し続けてき ましたが、運航乗務員の確保が追いつかず、路線便数を見 直す必要に迫られました。今は次の 20 年の飛躍に向けて、 いったん足元を見つめ直し、成長に伴って追いついていな かった部分をしっかりと安定させるときだと考えていま す」と語る。 今後の経営課題については「われわれは『北海道の翼に ふさわしいエアラインとは何か』を常に考えなくてはなら ないと思っています。私自身は『北海道に AIRDO があっ てよかった』 『北海道には AIRDO があるんだぞ』と誇り に思っていただけるような会社になろうよ、ということだ と思っています。その実現にあたっては、経営陣はこうし なさいと指示するのではなく、大きな方向性を明示するに とどめて、具体的なことは社員一人ひとりが自分で考えて 行動できるような会社にしていきたいと考えています」と 語り、社員たちの「新たな価値の実現への挑戦」に大きな 期待を寄せているとした。 「北海道の翼」——就航から 20 年目を迎える今もその 信念は変わることはない。オンリーワンのエアラインを目 指し、AIRDO はこれからも独自の道を歩み続ける。
「北海道の翼」にふさわしい オンリーワンのエアラインを目指す
担 当 コ ンサルタントからの一言
いますか?
体現して
行動指針を
一人ひとりが
行動指針は自社 “らしさ” 実現と働きがい向上の源泉
理念や行動指針は多くの企業にありますが、浸透や実践まで至らず「空文化」 している残念な例も見受けられます。 AIRDO様では中堅社員であるCSリーダー を中心に経営陣との対話を通じて、これまでの行動指針の徹底的なレビューを 行い、 「AIRDO らしい」CS 行動指針を策定しました。そして現在進行中の CS 一人ひとり・チーム・企業全体が CS 行動指針を体現することによって、 「お客 が向上する」という好循環が重要と考えます。 行動指針に込められた想いに全社員が共感し、実践する活動をされています。 様から AIRDO らしさを認めていただく→社員の貢献実感が高まる→働きがい
蛭田 潤
シニア・コンサルタント
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