ビジネスインサイツ67
- ページ: 8
- 8
ところが事務局の悩みです。ただ、エース 級のメンバーに参加してもらっているこ とが、一番大きな成功の秘訣であると思っ ています。一人ひとりがエース級ですし、 彼らもテーマを 20 個出せと言われたら手 を抜かない。横の人たちがしっかりすごい ものを出してくるので、皆競い合って『よ し、私もこれをやろう』と思えてそれがま
浜岡益生氏 (研究開発本部 要素技術研究部 メカ ユニット研究室 第 2 グループ) 矢部文彦氏 (研究開発本部 要素技術研究部 新機 能研究室)
た楽しい、という話は聞いています」と語 る。 JMAC 高橋は、 「 『楽(らく) 』ではない
今後は、 それを参照した人が『これを調べたのはこの人だ。 話を聞きに行こう』という風にしていきたい」と蓄積した 「技術カタログ」 の共有 ・ 活用を積極的に進めていくとした。
けど『楽しい』という感覚ですよね。負荷的には本当にき ついと思います。エースで日常業務もきちんとやらなくて はいけないという責任感もあって、プラス JMAC からの ノルマもある。それでも終わった後に楽しかったと言って くれるメンバーが本当に多く、うれしいですね。メンバー が自己実現できて、それが会社にとってもよい結果につな がるような活動にしていかなければならないと思っていま す」と語る。
「やりたい」を後押しする仕組み
実業務とプロジェクトの両立に苦悩
2016 年 2 月からスタートしたプロジェクトは、今年で 3 年目に入った。その間の変化について腹巻氏は「報告内 容を見ても、確かにこの 3 年でレベルは上がってきてい ます」と一定の評価をする一方で、 「もっと一人称の『私 がこれをやりたいんだ』という気概がほしい」とも語る。 「せっかく『筋のいい開発テーマ』を見つけても、 プロジェ クト終了と同時に事業部に引き継いで本人は手を引いてし まうのが惜しい。実業務を持ちながらのプロジェクト活動 なので、 どうしても実業務の方が気になるとは思いますが、 そこを突き抜けて 『もう 1 年、 私にやらせてほしい』 と言っ てくれるのをわれわれは待っているのです」 事務局は、多忙な実業務とプロジェクト活動の両立をど のようにフォローしているのであろうか。事務局リーダー の矢部文彦氏(同 新機能研究室)は、メンバーの上長に 対して活動への理解をいかに浸透させるかが重要であると 述べる。 「昨年、2 年目のメンバーたちから『両立は結構 しんどかった』という声がありました。上長に自分たちの ワーキングのたいへんさをもっと周知してほしいとの要望 もあったので、今年の活動では上長への情報発信を念入り に行っています」 プログラムも、試行錯誤しながら「メンバーのモチベー ション向上」と「実務・事業貢献」の両立を図れるよう、 調整を続けてきた。濱田氏は「現実との折り合いが難しい
目指すはプロジェクトのルーチン化 財産を残し、未来への架け橋を築く
今後のあるべき姿について、浜岡氏は「こういう活動を 通じて、新たな技術を生み出していくことを当たり前にし ていきたいと思っています。今後検討するかもしれない財 産としてしっかりと形に残し、欲を言えばそれを着実にビ ジネスにつなげていきたいですね。1 年ではなく継続でき る体制にしていくと、もっと目に見えてわかりやすい成果 物になってくるのではないかとも考えています。事務局と しても、そこをしっかりサポートするためにメンバーの中 に入っていかなくてはいけないと思っています」と語る。 矢部氏は「事務局としては、彼らがいかに楽しく良い活 動ができるかというところを支えていきたいと考えていま す。技術者としては、やはりもっと新しいこと、楽しいこ とをやりたいですね。こういう活動も通じて、いかに良い 爪痕を残していけるかということだと思います。そして、 その成果を認めてもらっていくことになるのではないかな と思っています」と語る。 そして、濱田氏はプロジェクトの統括者としての想いを こう語った。 「今やっていることは、本当に研究開発の仕
- ▲TOP