ビジネスインサイツ68
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キル・知識の習得など、さらに道場の活用範囲が広がるこ とを期待しています」と語る。
◀︎ 水運転体感実習設備では課題の 図 面 を 参 考 に、 配 管 や バ ル ブ を 調 整 す る 作 業 を 体 験 す る。 現 場 でのトラブル経験が少なくなっ たため、実習設備で経験を積み、 能力を高めている
TPM は 「人づく りの柱」 10 年後を見据え、着実に歩む
宮森氏は、豊橋事業所が息の長い TPM 活動を続けるこ とができたのは、即効性よりも基礎体力を上げていくこと に力点を置いてきたからだと語る。 「 『スピードアップして、 ある期限までにこれを達成する』ということよりも、 『持 続的に定着させよう、焦らず確実にやっていこう』という スタンスでスタートしたことが大きいと思います。教育な どへの取組みも、5 年 10 年経ったときに必ず差が出てく るはずです。実際、10 年前に比べるとわれわれの現場は ずいぶん変わったようで、たまによその事業所の人が来た ときに、 『だいぶ変わりましたね』という言葉を聞くと嬉 しいですね」 また、将来的には事務局主導ではなく、現場が自主的に 活動できるような文化にしていきたいとも話す。 「そうい うことが各現場で代々受け継がれ、それが当たり前になる のが理想です。ただ、外部の刺激を入れて変化していくこ とも大事ですから、JMAC さんにはこれからも、われわれ の考えつかないような新鮮な視点を提供していただきたい ですね」 そして豊橋事業所にとって、TPM は「人づくりの柱」 であるとする。 「私は、 TPM 自体は基本的には “ 人づくり ” だと思っています。技術的なことだけではなく、ものづく りの文化をつくるうえで、TPM 活動を柱にしてやってい きたい。それに耐えうる活動であると私自身が信じていま 担 当 コ ンサルタントからの一言 木村 吉文
TPMコンサルタント
▶︎回転体体験実習設備では、擬似手 を使って、 巻き込まれたときの「危 険度」を体験することができる
すし、TPM を通じて、現場改善などいろいろなことを楽 しめるような形の人づくりになっていったらいいなと思い ますね。モチベーションを持って活動に取り組めて、しか も仕事が楽になって、トラブルが減って残業も減る。これ らはすべて働き方改革にもつながっていきますので、この 活動をずっと続けていくことが大切だと思っています」 三菱ケミカルが TPM で得たのは、故障減の成果だけで はない。そこには人と組織の大きな成長があった。そして これからも、次の 10 年を目指して一歩一歩、歩み続ける。
人財育成の重要性を真に理解し、実践する
豊橋事業所とは長いお付き合いです(木村:2009 年〜、中西:2013 年〜) 。 同事業所は「継続的に人を育て続けていく」という信念のもと、長年活動を 進めています。これは昨今の社会において非常に重要な概念ですが、実際に 継続して実行するのは難しいのが実情です。しかし豊橋事業所は見事にそれ
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をやり続けています。その原動力は「改善とは仕事が楽になり、生産性が上 人財育成のための教育プログラム、研修施設の充実ぶりがとくに素晴らしく 特筆すべきことです。今後の活動継続を心から応援しています。
がることである」ということを全員が理解し、 納得し実践しているからです。
▶︎ 回転体体験実習設備の前で の 研 修。 実 際 の 現 場 に は 回 転体を使った設備が多いた め、受講生も真剣そのもの
テーマです
永遠の
人財育成は
中西 浩明
TPMコンサルタント
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