ビジネスインサイツ69
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- クラスが﹁ 本気でやろう!﹂という ロッド設計課には設計者が十数人 いるが︑スキルや経験値が異なるた め︑これまで各人のやり方で個人商 ﹁ 生産性を上げるには︑たとえば誰 がつくっても最低でも 点くらいは できてほしいし︑全員同じ基礎から つくるべき︒ただし︑ベテランもい れば新人もいる︒さらに︑釣り竿の 設計は︑メカ設計ではなく剛性設計 なのでゼロからというのはあまりな く︑ちょっと穂先を硬くしたり︑曲 がりを調整したり︑強度を2割上げ る⁝⁝というような作業が多い︒で すから感覚的な仕事といえばそうか
先行開発・改善活動など
意識に変わったという︒ 次に着手したのは︑500点以上 策を行うか︑壮大なマトリックス図 を作成︒業務を自動化できること︑ ツール化できることをそれぞれ見極 めた︒その結果︑これまで気づかな かった重複ロスや︑やり直しなどの 無駄が減り︑第 ステップを完了︒ 今回︑もっとも重要かつ効果を上 ﹁見える化﹂ げたのが第 ステップの
Consult ing Case 1 / GLOBER IDE
による設計の質向上だ︒
もしれません ﹂ ︵ 鈴江さん ︶ ︒とは いえ︑500点もの新製品を手掛け る物量はかなりのものだ︒我流の進 め方ではロスもそれなりに生じてし まう︒そのため設計者全員の頭の中 にあるものを︑ すべて出してもらい︑ 整理した︒失敗事例や︑うまくいっ たノウハウ︑やらなくていい作業な ど︑設計実務を進めるための情報を 各人から集めて整え︑精度の高いマ ニュアルを完成させた︒
明日の 仕事
る時間︒ ﹁ 今日の仕事 ﹂は新製品の
商品点数が2,000点を超えるフィッシング事業部
の新商品アイテムすべてにどの改善 店のごとく設計業務を進めていた︒
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れたり︑製造までたどり着いても強
業務効率化を図り、 新商品企画 ・ 開発に パワーシフトする
設計︑まさにミッションだ︒そして
度が弱かったということもある︒そ
﹁ 明日の仕事 ﹂はさらに創造的な時
うなると︑発売が遅れるなど︑重要
間︒先行開発や改善活動にかける時
な損失にもつながりかねない︒それ
間である︒ ﹁ 昨日の仕事 ﹂は本来な
を取り戻すのは︑設計者個人の範疇
改善イメージ図
新製品設計など
ら終わっているもの︒それに再度時 物でもない︒ 本来なら︑設計を本 格的にスタートする前 のインプット情報︵マ
を超える︒今回の取り組みで︑ロス
今日の 仕事
間を取られるのはストレス以外の何
の大幅減につながった︒
自分の設計が妥当かどうか、チェック
の項目数。たとえば、当初は21項目し
不具合対策・設計変更など
昨日の 仕事
改 善 前 後で パワーシフトに変 化
上の図は︑業務効率化前と後を比 較したものだ︒ ﹁ 昨日の仕事 ﹂ とは︑ やり直し作業︑設計変更などにかか
ニュアル︶ の精度を上 げないと︑着手すべき で は な い︒な ぜ な ら︑ 足もとが危ういところ からスタートすると︑ やり直しのロスが生ま
か見ていなかったが、実は30項目必要
30
だった、ということも起きていた
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