ビジネスインサイツ69
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- げざるを得ないので
500点もの新製品を出し続けるために
30 アイテム
︒ 長 鈴江浩 康さん ︶ ではどこにメスを入 れればいいのか︒鈴 江さんは︑設計チー ムの改革を決めたと いう︒ ﹁ 革新的なアイデア が求められ︑世界最
設 計 者 全 員の 積 極 的な 参 画
に、膨大なタスクが課されている
KEY WORD 2
市 場は 減 少 ︑ 売 上は 拡 大 課さ れ た ミッション
釣りの国内市場は年々︑加速度的 に減少傾向だ︒なのに製品数が増加 しているのはなぜか︒それは︑個々 のニーズが多様化し︑顧客の求める 設計が多岐にわたっているからだ︒ グローブライドのフィッシング事 業部は︑世界的シェアのトップを走 っている︒しかし︑それは本当の意 味でのナンバーワンではないという︒ ﹁ 海外には︑ローカルの小さなメー カーが山ほどあります︒安価なもの から︑地域性に特化したものまで︒ 釣りは文化でもありますから︑伝統 の道具というものも︑まだ存在して います︒私たちはそれらの市場を獲
す﹂ ︵ロッド製造部
1人の設計者が同時に動かしているア
イテムは数十アイテムに上る。世界最
高水準の技術と品質を形にするため
全 員で 連 携
国内の釣り人口が減少する一方、 ユーザーの嗜好が多岐にわたる釣り市場。
高水準の技術と品質を形にするミッ
そこで︑JMACタイのコンサルタン
ションを抱えている設計者たちです
トが製造部門の改善に入り︑見事に
世に出し続けなければならない。 効率化のために着手すべきこととは
が︑現状は我流のやり方で業務を進 1人約
生産性を上げたという実績があった︒
そのリクエストにこたえるためには、 商品を改良し、 新しいものを
めているため効率が悪い︒何より︑
グローブライドはこれまで外部リソ
30
アイテムを並行して動か
ースを使わない方針だったが︑タイ
課題
し︑日々の業務に疲弊している彼ら
の実績があり︑ロッド設計課にコン
に︑素晴らしいアイデアを求められ るを得ませんでした ﹂ 得したい︒本当の意味でのトップを 取るために︑新製品のアイテム増は 避けられません︒とはいえ︑リソー スは限られていますから︑効率を上
ていることがわかる。ここにグローブ 国内の釣り人口の数字。市場が縮小し
サルタントが入ることとなった︒
るのか︒設計部門に生産性を求めざ
設 計 業 務 全 体 の見える化
そこで︑JMACにコンサルティン
設 計インフラの 整 備
設 計 者 全 員の頭の中 を マニュアル化 す る
グを依頼することになるのだが︑鈴
江さんとJMACの出会いは7年前
担当コンサルタントの渡部訓久は
に遡る︒当時︑タイの工場立て直し
﹁ 設計業務全体の見える化 ﹂ ﹁ 全員
の 命 を 受 け︑
で連携 ﹂ ﹁ 設計インフラの整備 ﹂ ﹁設
赴任した鈴江
計者全員の積極的な参画 ﹂という4
2000 万人
700 万人
ライドは拡大戦略を打ち立てる
さん︒現地で
KEY WORD 1
つの課題を掲げ︑改革をスタート︒
﹁ 某二輪メー
まずはアンケートを実施︒ すると︑
カーの工場を
﹁ 担当のアイテム以外の仕事︵ 改革
立て直したコ
業務 ︶ をしたら︑損したような気分
ンサルティン
になる ﹂ ﹁ 過去に何度もやりました ﹂
約
task 30
グファームが
﹁そんなこと手伝っていたら納期が
ある ﹂と噂を
間に合わない﹂ という回答があった︒
聞 き つ け た︒
想定内の回答ではあったが︑管理者
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Business Insights Vol.69
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