ビジネスインサイツ69
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- 設計のミスやボツになったアイデア、
れており︑それ︵ 改善 ︶ どころでは
に蓄積されるべきナレッジ。その設計 ルの精度がどんどん上がっていく。赤 過程を見える化することで、マニュア
試行錯誤を 標準化
字の入った設計図は大切な財産
KEY WORD 4
個 人 技で乗 り 切 ら ない 周 囲 を 巻き 込んで
ロッド設計管理課長の大田勲さん は元設計者であり︑現在は改善プロ ジェクトを取りまとめる責任者だ︒ ﹁ JMACさんのアンケートの後︑ 私たちは個別に面談を行いました︒ 新しいものをつくりたい︑という意 識はみんな高いんです︒しかし︑そ の時間がないというのが現状︒会社 の売上拡大の目標もさることなが ら︑業務の効率化は必然だと感じま
1㎜のゆがみも許さない検品作業 こそ一流品の証
不採用になったものこそ、設計チーム
ないという雰囲気 ﹂という設問があ
る︒開始前は %がYESと答えて
いたが︑1年後の回答は5%にまで
減少︒社員の意識が大きく変わった
結果である︒
改 善 を やりきって 次 な るステージへ
コンサルティングの導入は︑社員 した ﹂ ︵ 大田さん ︶ コンサルタントの渡部は︑属人化 している非効率を変えるべく﹁チー ム設計 ﹂ にこだわった︒ ﹁ 企画︑技術︑デザイン︑設計部門 など︑それぞれのチーム間で風通し を良くし︑コミュニケーションがと れるように﹃チーム設計 ﹄という考 え方に変えてもらいました︒まわり の人同士で助け合える構図です︒連 ミスがあっても早く発見されます︒
個人技で乗り切らない︒誰がやって
のモチベーションにつながっている︒
も成果が出るようなお膳立てはどう
時間がたって︑元に戻っては意味が
すればいいのか︒その対策の1つに
ない︒ 改善施策が習慣化するために︑
﹃ 大部屋ミーティング﹄を導入しま
定期的にコンサルタントと行うミー
した︒みんなで成果をお披露目しあ
ティングは欠かせないという︒
ったり︑報告したり︒あるいは自慢
﹁ 本来なら︑自分たちがつくった製
しあったり︒これは個人商店から脱
品を持って大海原に釣りに出かけた
却する大きな施策になっています︒ ピードが上がりました ﹂ ︵ 渡部 ︶
いじゃないですか︒ そうなるために︑
その結果︑良い刺激を受け︑質とス
JMACさんにはこの取り組みを︑
最後まで一緒にやりきってほしいで
携をとりながら業務を進めるため︑ 改善活動を始める前にとったアン
すね ﹂と︑鈴江さんは最終ゴールの
ケートの中に︑ ﹁ 日常業務に忙殺さ
イメージを描いている︒
業務効率化成果を何に使うか? 将来のありたい姿を策定し、設計 者全員で共感を得ながら活動を進 めることが重要です。
て、オープンリソースにします。
個人技で乗り切らない。誰がやっ ても成果が出るようなお膳立ては どうすればいいのか。即効性はあ りませんがボディブローのように 効いてきます。
企画、技術、設計各部門の連携を 図るため、それぞれの改善活動業 務内容を報告しあえるような場を 月1で実施します。
設計実務を進めるためのインフラ
整備。設計に必要な情報やノウハ ウ、失敗事例などの情報を整理し
渡部訓久
[ 改革スタッフの組み方 ]
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階層別にミッションを掲げ、 各人が遂行すべきことを 明確にします。
リーダークラス: 活動展開実施、進捗管理、 成果責任
EYE
[ 3つのポイント ]
部課長クラス: 活動企画立案、後方支援
改革シナリオの作成
大部屋ミーティング
設計の足もと固め
シニア ・ コンサルタント
実務者クラス: 改善施策実践、成果出し
コンサル タント
JMAC
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Business Insights Vol.69
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