ビジネスインサイツ70
- ページ: 11
- いとしています ﹂
を受講した人数。第一線で活躍す る技術者を研修に招集するには上
用化され︑数十社に展開しているも
11 年間で MOT カスタマイズ研修
長の説得が不可欠だが、受講者が
送り出す側になりつつあり、受講
371人 11年
しやすい環境が整ってきている。
KEY WORD 1
技術経営を 見据え 研 修 を カスタマイズ
ワイヤーハーネスという商品をご 存じだろうか︒車の中でスイッチを 入れると︑当たり前のように電気が 点き︑機器が作動する︒それはケー ブル︑コネクタなど から構成されるワイ ヤーハーネスが車の 中に張り巡らされて いるからだ︒このワ イヤーハーネス製造 の世界トップクラス のシェアを占めるの が 矢 崎 総 業 で あ る︒ 現在︑ の国と地域 でグローバルに展開 している︒主力は自 動 車 機 器 で あ る が︑ ガス機器などの生活 環境機器︑環境リサ イクルや介護︑農業
修内容。午前中にインプッ ト、午後にアウトプットと いう体得しやすいプログラ
研修はマーケティング︑プレゼン
のも生まれています︒ほぼ実務に近
テーションの基本︑知財戦略︑顧客 義・演習は多岐にわたる︒
い演習をすることにより︑自社での
プロセス分析︑コスト開発など︑講
問題点や改善点などが見えてきて︑
業務に定着していくのです ﹂
参加者には︑ ﹁ 他部署の人と意見
トップ ダ ウンによ り 研 修の重 要 性 を 周 知
7
交換をする機会がなかったので︑大
きな気づきを得ることができた ﹂と
いう人も多い︒そして︑自社の業務
第一線の技術者を 日間もの間︑ 修を行っている︒技術力をベースに した企業競争力向上は開発部門の必 須課題であり︑自社の技術シーズ︑ 顧客ニーズの融合を図り︑環境変化 に即したビジネスができる人材が求 められているからだ︒ ﹁ 技術力をベースに︑競争力を上げ ていこうという動きはあったのです が︑当時の技術者は自分の持ってい る技術に専念し︑それを極め︑より 技術力の高い製品を開発することば かりに目を向けていました︒ しかし︑ ビジネスを進めていくためにはお客 合させて事業に展開させることが必 要 で す︒そ の た め に 生 ま れ た の が
KEY WORD 2
に即した研修プログラムを受講する
研修に出すというのは︑抵抗がある
ことで︑モチベーションの醸成にも
部署も多い︒そこで重要なのが︑各
役立っているようだ︒
部署の上層部への働きかけだ︒研修
さらに継続的改善として︑講義内
のメリット︑期待できることを説明
容の強化や研修効果の定量評価の検
し︑最後はトップダウンを引き出し
討に加え︑ ﹁ 受講計画書 ﹂による動
て動くように尽力している︒研修は
機づけなどに取り組んで成果を得て
業務ではないため︑どうしても優先
いる︒
46
順位が低くなりがちだが︑矢崎総業 と認識され始めている︒
のそれは業務と同等の重要性がある
POINT OF VIEW
動の継続」 と 「実際の開発案件を研修テーマに据える」 ということです。
本事例のメインテーマは「新事業・新商品の創出を牽引する人づくり」
です。この活動により実際の新商品も生まれています。そのカギは 「活
単なる座学ではなく、 経営理論を実務に応用するトレーニングを行い、
マに据えるのが大きな特徴です︒商
案件を使うところ。そのままプロ
ムになっている
超える従業員が働いている︒ 2001年に立ち上がったリソー スセンターは︑ 技術開発部門として︑ 人材育成はどうあるべきか︑その仕 組みづくりや研修を行う機能ももつ 部署だ︒ 年前から自社の事業内容 に合わせたMOT カスタマイズ研
ジェクトとして進むケースもあ
本研修の最大の特徴は実際の開発
力を入れ︑グループ全体で 万人を
研修テーマは 実際の開発案件
などの新規事業にも
さまのニーズを取り入れ︑それを融
MOT カスタマイズ研修です︒矢
崎グループの技術者にとって必要 な︑矢崎流のMOT の考え方を学 ぶ内容になっています︒自社の技術
活動の継続で得られた高い研修効果
﹁ 実際に動いている開発案件をテー
活動の継続により組織として事業化能力を高めることで高い研修効果
り、商品化されることも。
近藤晋 (R&D コンサルティング事業本部長 シニア・コンサルタント) 「MOT カスタマイズ研修」 テキスト より (JMAC 作成)
3 カ月のべ 7 日間で行う研
30
を事業化する能力を強化し︑技術者 が事業を引っぱっていくことをねら
11
Business Insights Vol.70
を実現しています。
11
- ▲TOP