ビジネスインサイツ70
- ページ: 1
- Vol.
70
ユーザーイ ン経営で イ ノ ベーシ ョ ンを実現する
TOP MESSAGE
アイリスオーヤマ株式会社 代表取締役会長 大山健太郎
R&D INNOVATION FORUM
本質を追求し続ける
味の素株式会社/矢崎総業株式会社/日本女子大学 コニカミノルタ株式会社/三菱商事ライフサイエンス株式会社
「生産性」 の R&Dにおける
- ▲TOP
- ページ: 2
- TOP MESSAGE
代表取締役会長
(おおやま けんたろう)
大山健太郎 氏
1945 年 7月 3日生まれ、大 阪 府出身。 19 歳で家業を継承、大山ブロー工業所 (現アイリスオーヤマ) 代表者に就任。 グループ国内工場 14 カ所。1992 年ア メリカ、1996 年中国、1998 年オランダ などに現地法人を設立し、現地生産、 現地販売で事業を展開。地方から世界 で展開するグローカル 企 業に成長さ せ、現在に至る。 [座右の銘] 心身一如
顧客になくてはならない会社とは
ユーザーイン経営で イ ノベーションを実現する
日本を代表する経営トップの方をお招きし、 経営のヒントや改革、 革新の視点を話していただく 今回は、 アイリスオーヤマ株式会社。 JMACトップセミナー。
「 ユーザーイン経営」 についてお話しいただいた。 消費者が気づかない潜在ニーズを商品化する、
Vol.70
2
- ▲TOP
- ページ: 3
- 消費者も気づかない、 潜在ニーズをどう見つけるのか
のブロー成型技術を活かした漁業用
いところを︑ つも つも買うとい
3
世の中にないもので 求め ら れている もの
ユーザーインとは︑お客さまの声 に耳を傾けて商品開発することでは ありません︒消費者も気づいていな いニーズを見つけ︑こちらが需要を 創造していくのがユーザーインの考 え方です︒そのためには消費者にリ サーチをするのではなく︑まず社員 が消費者となって考える︒自ら生活 の中で商品を使い倒し︑そこで見つ けた課題をヒントに︑自社の強みを プラスして最速で商品化する︒それ が私たちのビジネスなのです︒ アイリスオーヤマの原点は父が立 ち 上 げ た プ ラス チック 加 工 会 社 で す︒ 歳のときに父が亡くなり︑私 は若くして会社を継ぐことになりま した︒当時は下請けとして取引先か らのオーダー商品をつくっていまし た︒しかし︑次第に自分の商品を自 分で値付けして売りたいと思うよう になりました︒そして最初のオリジ ナル商品となったのはプラスチック
のプラスチックのブイ︒竹の筏やガ ラスの浮きしかない時代︑漁業の方 たちの﹁ 割れる︑重い ﹂という悩み に目をつけ︑新しく市場を生み出し た最初の経験です︒ その後︑農業にも目を向けます︒ 田植え機が発明され︑機械植えに必 要な育苗箱を開発します︒通気性の ないプラスチックでも強い苗が育つ ように研究開発し︑ 商品化しました︒ 商品の背景には ﹁こんなものがあっ たら便利だな ﹂ というニーズが必ずあ ります︒それを見つけ出すのはお客 さまではなく開発者自身の生活の中 から︑たとえば当社の大ヒット商品 に透明の衣装ケースがあります︒あ れは私が釣りに行く朝︑セーターが 見つけられなかったという出来事か ら生まれました︒私自身がユーザー の立場で見つけた課題から商品化し た中身が見える衣装ケースは︑工場 をいくつつくっても間に合わないほ どの需要を生み出しました︒
う行動を起こしたからです︒ところ
が︑そのリバウンドで︑あっという
4
間に山のような余剰在庫に︒ 年間
で築き上げてきた会社の資産はたっ
た 年で底をつき︑倒産寸前まで追
い込まれました︒このときの私は︑
プロダクトアウトの塊だったので
2
10
す︒その結果︑家族同然で頑張って
きた従業員をリストラせざるを得な
くなりました︒ 歳だった私は二度
とこのようなつらい経験をしたくな
いという思いから企業理念を掲げた
プラスチックの漁業用 ブイ。世界中どこにも なかった、独自商品の 第一号
33
のです︒いかなる時代環境において
も︑その変化に左右されることなく
(昭和33年) 1958年 4月 (先代 ・ 大山森佑が大山ブロー工業所を創業)
着実に利益を上げ︑会社を存続させ
ていこうという決意です︒
[ アイリスオーヤマ株式会社 ]
(2019年1月現在) 3,503名
企業理念
アイリスオーヤマ株式会社
一 ︑ 会社の目的は永遠に存続すること︒ いかなる時代環境に於いても利益の 出せる仕組みを確立すること︒
1億円
二 ︑ 健全な成長を続けることにより
利益の還元と循環を図る︒ 社会貢献し︑
従業員数
事業内容
資本金
設立
この企 業 理 念 を 掲 げている 理 由
19 歳の頃。東 大 阪の 自宅工場前で
三 ︑ 働く社員にとって良い会社を目指し︑ 会社が良くなると社員が良くなり︑ 社員が良くなると会社が良くなる 仕組みづくり︒
1973 年のオイルショック直 後︑プラスチックなど石油製品の需 要が高まり工場をフル稼働させて商 品を量産しました︒消費者の物不足 への不安が高まり消費者が つでよ
四 ︑ 顧客の創造なくして企業の発展はない︒
IRIS OYAMA
常に未完成である 五 ︑ 常に高い志を持ち︑ 革新成長する生命力に ことを認識し︑ 満ちた組織体をつくる︒
3
Business Insights Vol.70
生活提案型企業として市場を創造する︒
1
本稿は 2019 年 6月 4日に開催した 「JMACトップセミナー」 の基調講演をもとに作成したものです。
生活用品の企画、 製造、 販売。 BtoCでは家電 事業、 食品事業、 ホーム/ヘルスケア事業を 手掛け、 建装・内装 BtoBではLED照明事業、 事業、 什器・スチール事業、 スポーツ施設事業 などを行う。
19
- ▲TOP
- ページ: 4
- TOP MESSAGE
年前から人件費の高騰を見据
え︑ロボットを導入してきました︒ 工場で必要な機能は︑基本的に﹁ 見 る目 ﹂と﹁ 動かす手 ﹂です︒ロボッ トの画像解析は人間の能力をはるか に超え︑
あなたの 奥さんはそれを 買いますか?
毎週月曜日の新商品開発会議は社 長をはじめ︑営業︑品質管理︑あら
時間365 日働いてく
れます︒これは︑利益を確保するた めの先行投資でもあります︒ ﹁いか なる時代環境においても利益を出 す ﹂というのが当社の理念です︒人 件費の変動で利益が減ることはあっ てはならないわけです︒おかげさま で人件費の削減を追いかけて工場を 移転する必要はなくなりました︒
これは私たちが持つ商品アイテム
数です︒新商品は毎年1000 点
を超え︑売り上げの 割強が 年以
たやすく廃番にしない 商品点数
どこでつくっても 同じコストの 生産を目指す
20
24
6
内に開発された商品︒ロングセラー
の代弁者であれ!
ゆる部署の担当がプレゼンをジャッ ジします︒ ﹁ 本当にその商品を︑あな たの奥さんは買いますか?﹂ この問い がユーザーインの視点であり︑社員 は生活者の代弁者でなければならな いのです︒開発担当は競合商品含め︑ 自ら使い倒してヒントを得る︒単な
ない。 それは自分が使わないとわからない。
4 4 4 4 4
商品に頼るのではなく︑移り変わる
生活者ニーズを追求し続けた結果で
す︒スクラップアンドビルドという
言葉がありますが︑私たちは次の代
替商品がない限り︑スクラップしま
せん︒売り場がある限り︑月に 個
しか売れない商品でも廃番にしませ るマーケットインの開発ではありま せん︒また価格設定 についても︑ユーザ ーインの視点を忘れ ません︒トップシェアのLEDは発 売当初︑他社が5000円だったも で設 のを ﹁ 主婦が買える2000円 ﹂ 定︒開発には苦労しましたが生活者 の支持を得ることができました︒
ん︒買ってくれるお客さまがいる限
してスピード感を持って市場に打って出る
り︑供給者としての責任がある︒だ
からこのような商品数になっていま
す︒ ﹁アイリスさんの商品は安いね ﹂
と言われますが︑私たちはきちんと
儲けています︒お客さまにとってい
いものを安く提供するのが社会的責
任︒その仕組みができると︑市場が
変わってくるのです︒
1
3
Vol.70
4
- ▲TOP
- ページ: 5
- 社員は全員、 生活者
今日の不満、 明日の不満、 不満のない商品は絶対に そして初めて生活者の潜在ニーズが見えてくる。 そ
メーカーベンダーだから トを一元管理 52万パレッ
アイリス オーヤマ流の 復興支援事業
私たちは東日本大震災の復興支援 で︑東北のお米の取り扱いを始めま した︒東北は当社の地元︒精米事業 もユーザーイン発想に基づき︑ ﹁簡 単︑便利︑おいしい ﹂で商品開発を 行っています︒お米は ℃を超える とうまみ成分が損われるので︑ 〝低 温製法 〟という最新鋭の精米技術を 完成させました︒お米のおいしさを 最大限に引き出すため︑どんなお米 でも当社で精米するとより甘みが出 ておいしくなります︒さらにこれを 従来のお米の流通の常識を超えて使 いやすい 合︑ 合パックにするこ
40
ユーザーインからの 新しい市場づくり
商品を市場に出すには つの壁が あります︒代理店の壁と問屋の壁︒ これを乗り越えないと店頭に商品が 並びません︒その流通コストは消費 者の価格に転化されてしまいます︒ しかし当社はこうした卸売業を経由 せずに︑ダイレクトにチェーンスト アを通じて販売する ﹁メーカーベンダ ー﹂ として事業を展開しています︒い ったい 万3000種類の商品の管 理はどうするのかとよく聞かれます が︑アイリスオーヤマは 万パレッ トの在庫量を一元管理する自動倉庫 を持ってこれに臨んでいます︒ほと んどの場合は 万〜 万パレットく
私たちは ﹁ペットは家族 ﹂ と位置づ
2
け︑室内で飼うためのさまざまな用
品を開発してきました︒かつて犬は︑
庭の犬小屋につながれていました︒
ペットを家族と見る︑新しい価値観
2
とで︑大手コンビニ全社で取り扱っ てもらえるようになりました︒メー カーベンダーだからできる発想なの です︒
3
により日本のペットブームを生まれ
たといっても過言ではありません︒
そしてもうひとつ︒ ﹁ 飾る園芸 ﹂
という 新 た な 価 値 を 生み 出 し たこ
と︒ ﹁ 庭を飾りたい ﹂ というユーザー
2
インの発想で︑プランターやラティ
52
ス︑スタンドをつくり︑ガーデニン
グブームが起こりました︒かつて育
苗箱をヒットさせた園芸用品のノウ
ハウが強みとなっています︒ユーザー
2
らいの自動倉庫︑あるいはそれを共 有した工場を持っているという規模 ですから︑私たちは規模世界一の自
IRIS OYAMA
5
イン経営とは商品を通して生活に新
しい価値を生み出すために︑イノベー 動倉庫を持っていることになります︒ す︒
ションをし続ける志であるといえま
5
Business Insights Vol.70
- ▲TOP
- ページ: 6
- 「生産性 」 の R&Dにおける
「 R&D」 「 生産性 」 × 。 見えない価値をどう評価し、 他の価値とどのように掛け合わせればよいのか。
本質を追求し続ける
(主催 :JMAC) の企業講演にそのヒントがあった。 R&D イノベーションフォーラム
[ 左から ]
R&Dコンサルティング
山中淳一
事業本部
事業本部 技術戦略センター チーフ・コンサルタント
R&Dコンサルティング R&D 組織改革・ KI 推進センター
チーフ・コンサルタント
大崎真奈美
R&Dコンサルティング
小田原英輝
事業本部 技術戦略センター チーフ・コンサルタント
Vol.70
6
- ▲TOP
- ページ: 7
- ます︒連携と言葉にするのはたやす
けている ﹁R&D ﹂ × ﹁ 生産性 ﹂ とい
R&Dの現 場か ら リアルな 声 を
24
月 日に開催された﹁ 第 回
いですが︑実際は試行錯誤の連続︒ どう突破したのか︑味の素様の事例
うテーマ︒これからの課題は何か︒
真の連携の達成に向けて何に悩み︑ ﹁ R&Dの生産性向上には︑現場の
主体性が必要になりますが︑生産性
23
で︑考え方や進め方の参考になれば と思います ﹂ ︵ 山中 ︶ ﹁ボトムアップで新事業を創出する ためには︑技術者の事業化スキルや 起業家マインドを醸成することが重 要です︒実テーマを題材とした研修 で着実な育成効果と意識変革につな げた事例として︑矢崎総業様にお話 しいただきました ﹂ ︵ 小田原 ︶ ﹁イノベーションに必要なのは異な る知の組み合わせ︒さまざまなミッ ション・所属の方々にご講演いただ きたく︑日本女子大様︑コニカミノ ルタ様︑三菱商事ライフサイエンス 様にご登壇いただきました︒これか らの時代に向けて考えたい課題を︑
とは﹃ 創造性×効率性 ﹄ の両
R& D イ ノ ベ ー シ ョ ン フ ォ ー ラ
ム﹂ ︒本誌では同フォーラムで紹介 された﹁ 研究・開発成果を事業成果 に変える ﹂ をテーマにした事例︵ 味 の素︑矢崎総業 ︶ ︑ ﹁ 異質な知の統 合で革新の壁を乗り越える ﹂をテー マにした事例︵ 日本女子大︑コニカ ミノルタ︑三菱商事ライフサイエン ス︶を掲載する︒今回のテーマでも × ﹁ 生産性 ﹂ という視 ある ﹁ R&D ﹂ 点で企業が取り組んでいる活動はさ まざま︒オープンイノベーシ ョンや組織のつくり方︑ 教育 ・ 評価という仕組み︑あるいは
R&Dの⽣産性とは「将来の価値創出」を⽬指し、 従来の延⻑線を追うのではなく、 組織の「⾮連続の事業成⻑を創出する」ことである。 R&Dは将来の価値創出・事業に責任を持つ。
5
立という面から考えるのが一
般的です︒ただし︑創造性や
効率性には企業や業種ごとに
違いが見られます︒ここにそ
の企業の開発のねらいや特徴 す﹂ ︵ 山中 ︶
の本質が見えてくると思いま
﹁ 技術者の知識やスキルを育
成するだけではなく︑それを
職場での実践や成果につなげ す﹂ ︵ 小田原 ︶
るための仕掛けが必要だと考えま
﹁ 技術者は︑ 〝 論理的に予想可能 〟 で
あることに安心感を覚えますが︑イ 未来に向けての課題提起な ど︑ヒントになる事例がいく つも登場した︒注目ポイント を担当コンサルタントは以下 のようにコメントしている︒ ﹁ 研究成果の早期事業化には︑ それぞれのお立場からお話しいただ いています ﹂ ︵ 大崎 ︶
価値向上
ノベーションの実現に向けては︑〝自
Output Input
他の心の動きを大切にする 〟 〝 想定
外の出来事を面白がる 〟といった素
質が大切であると考えています︒そ
R&D生産性とは何か
﹁生 産 性 ﹂ R&D の その課 題 解 決に向 けて
ⓒ 2019
の素質を尊重・成長させるマネジメ 自部門だけでなく︑他関連部
Output Input
効率化
69
ントが今後の課題です ﹂ ︵ 大崎 ︶ 門/外との連携が重要になり 長年︑研究開発の中で議論され続
同フォーラムで発表されたグローブライドの事例は本誌 V ol . に掲載しています
7
Business Insights Vol.70
- ▲TOP
- ページ: 8
- 川崎大師の近くに建つ「クライアント・イ ノベーション・センター(CIC) 」 。建物の 形は、神経細胞、ニューロンをイメージ
R&D _ Case 1
AJINOMOTO
「技術の棚卸し」 から始まる新しい
事業を発展させるために、 活かせる自社の強みは何か。
価値のオープンイノベーション
APPROACH
それを具体的に、 効果的にビジネスに活かす方法を理 解しているか。 自社の技術を俯瞰、 活用し直して新たな事業を生み出すには。
事業成長の鍵を握る 自社の技術を見える化
味の素の事 業の 基 盤を担うのは、 先 端 バイオ・ファイン 取り組んだのは 「 技 術の棚卸し」 作業だ。 技 術。その強みを生かし、 新たな事 業を生み出すために
味の素 株 式 会 社
課題
A S V * を 通じた 価 値 創 造
社 内 技 術の見える化 技 術の 事 業 化 継 続 的イノベーション
*Ajinomoto Group Shared Value
味の素株式会社 バイオ・ファイン研究所 次長 兼 価値共創グループ長
宮地 保好
氏
食品メーカーとしてグローバルの知名度を誇る味の素。事業は食品 事業とアミノサイエンス事業の2 本柱。売上高は1兆274億円、世界 トップクラスのアミノ酸メーカーでもある。R&Dにも注力し、研 究開発要員は世界中で約1,700名。研究者が主体となり、企業間連 携して新しい価値創造を行うオープンイノベーションは中期経営計 画の骨子でもある。同社が推進するオープンイノベーションとは。
Vol.70
8
- ▲TOP
- ページ: 9
- 【 微生物 ・ 酵素探索
探索する
1
生体 触 媒を
】
探す
□今までにない
バイオ製法 を実現す る生体触 媒を探し 出します。
微生物育
種
酵素変換
私たちには、 様々な代謝物 質や酵 素を生 発酵菌宿主、 産する多種多 遺伝子源、 酵素源として 様な菌 株・酵 活用すること 素のライブラ により、 リがあります 今までにない 。 これを 画期的なバイ オ製法を実現 します。
【 生理活性
探索する
2
生理 活性
□受容体解析技
生理活 性物質
物質を探 す
物質探索
】
術や合成 技術を駆 使して、 有用な生 理活
性物質を 探し出しま す。
分子設計
生体機能分 子合成 生体機能評
価
ラリ 半 世 紀に 渡る発 酵 菌 研究は 微生物を味の 莫 大 な 数の 素グル ー 有用な プにもたらし は宿主及び遺 ました。 伝子源としてこ 私たち し、 の財産を最大 最先端の発酵 限に活用 技術を築き上 げてきました 。
微生物ラ イブ
に作用するメ 構築します。 カニズムを解 さらに 、 析し、 味の素 グルー その生体メカ より生 理活性 プ独自の化合 ニズムを反映 が高い物質を 物ライブラリ したin vitro 創製すること 及び合 成技術 評価系を ができます。 を活用するこ とによって、
が生体
酵素探索 】 ・ 【 微生物
idea idea
探索する
探索 合成 ・ 発酵 ・ 酵素、 各々の専門家 抜本的な新規 の英知を結集 物質変換ルー して、 トを設計しま す。
idea idea
1
微生物ラ
イブラリ
す 生体 触媒を探
自然界か
新規 製法
ルートの
□今までにない
らのスク
リーニン
グ
します。 触媒を探し出 実現する生体 バイオ製法を
ユニーク な酵素の
リ 長年に わたる 生理 活性物 質の 探 索研究 よっ て、 20万点近くに に 及ぶ化合物ラ 構築していま イブラリを す。 このライブラ 生理活性を持 リから様々な つ化合物を探 し出してきまし た。
独自の化 合物ライ ブラ
【 生理活性物質
探索する
2
生体機能分
生理 活性物質
製 活性評価 結 果 及び 構造活性 から受容体と 相関の解 の結合に影響 析 の立体 的およ を及ぼす化合 び静電 的構造 物 より活性の高 要因を 推察し い化合 物を創 、 製します。
を探す
技術カタログ「アミノサイ エンスソリューション 」 。 きれいなイラストと少ない 文章で、わかりやすさにこ だわって制作
物の創製 予測に基づいた化合 出します。 性物質を探し
成技術 予測に基づい 解析技術や合 た化合物の創 受容体
□
有用な生理活 を駆使して、
探索 】
これを ります。 味の素グルー 探索 イブラリがあ プ独自の酵素 株・酵 素のラ ライブラリに からの探索や します。 多種多様な菌 加え、 in silicoで 産する 自然界 オ製法を実現 のスク素を生 を使いこなす 質や酵 リーニングな 画期的なバイ 代謝物 ことで、 どの手法 様々な 今までにない 実用的な酵素 私たちには、 を探し 用することにより、 酵素源として活 出しま 遺伝子源、 宿主、 発酵菌
す。
を したin vitro 評価系 ニズムを反映 その生体メカ とによって、 ムを解 析し、 を活用するこ するメカニズ 及び合 成技術 が生体に作用 物ライブラリ 生理活 性物質 プ独自の化合 味の素 グルー さらに 、 ます。 構築します。 ることができ 創製す が高い物質を より生 理活性
Ca 2+
分子設計
His、 Trp、 価 Phe、 Tyr 子合成 生体機能評
CaSR
IP3R
微生物育種 酵素変換
自然界か らの探索
G
電流の検
出
Ca 2+
in silicoで のスクリ ーニング 蛍光の検
狙い通り
の酵素を
技術活用例
輸液用 途とし て需要 の高い
7
ジペプチドで 技術と 新規酵 あるアラニル は宿主及 した。 素探索 技術か グルタミン。 を築き上げてきま ら生ま れた画 (アミノ酸エ この物 質は、 最先端の 発酵技術 し、 期的な 製法に ステル トラン 私たち の製法 よって 、 スペプチター ルート 探索 生産さ れてい ゼ) は、 ます。 これまで世界 製法の 鍵とな に報告 例のな る酵素 い新規 の酵素 反応を触媒し ます。
な 大 な 数の 有 用 酵 菌 研究は莫 私たち 半 世 紀に 渡る発 た。 プにもたらしまし ルー に活用 微生物を味の素グ この財産を最大限 び遺伝子源として
ラリ 微生物ライブ
探し出す
生理活 性物質 に 質の 探 索研究 が受容 体に作 を 解 明し、 用するメカニ 長年に わたる生 理 活性物 を さらに 培 ズム 養 細 胞を 化合物ライブラリ ス ル ープッ 利 用した 20万点近くに及ぶ トスク リーニ て、 ハイ よっ ら様々な ン グも実 in vitro 施 可能 な このライブラリか 評価系 を構築 構築しています。 することがで きました。 きます 。 合物を探し出して
化合 物の
カルシウ
活性評価
ム検出色
ラリ 素 化合物ライブ 独自の
出
相関の解 析 及び 構 造 活 性 活性評価結果 化合物 合に影響を及ぼす から受容 体との結 推察し、 電的構 造要因を の立体的および静 。 合物を創製します より活性の高い化
生理活性を持つ化
味の素の経営理念に ﹁ ASV ︵味
技術の可能性
﹁ 技術による課題解決は︑つまりは
2つの改 革 を 実 施
技 術で社 会に貢 献
とです︒当社には ㎰先端バイオ・ファ
イン技術 〟というものがありますが︑
自社のスペシャリティを追求するこ
は ﹁ 技術 ﹂ だと位置づけている︒
基本的な戦略だ︒そして︑その源泉
社会的な課題に貢献していくことが
もある ﹁アミノ酸 ﹂ の機能に注目し︑
る︒自社の財産であり︑事業の柱で
まざまな要素技術や評価技術を掛け
これはアミノ酸の機能を利用し︑さ
を通じた価値創造 ﹂というものがあ
の素グループシェアードバリュー︶
微生物ライブラリ リーニング
自然界からのスク
ない様々な生 することによ 理活性物質が り、 未知の受容体 存在します。 やその機能を 味の素グルー ことにより、 見つけ出し、 プには、 人々の生活を 生体機能評価 さらにそれら より豊かにそ 技術、 の受容 体に作 してより幸せ 分子設 計技術 用する物質を にする新たな 、 そして生体機 創製してきた 生理活性物質 能分子 合成技 歴史がありま の発見が期待 術を駆使 す。 これらの技術 されています をさらに深化 。 させる
世の中にはま だ知ら
れてい
Ca2+
Tyr Phe、 Trp、 His、
CaSR
G
電流の検出
知を結集して、 各々の専門家の英 酵素、 ・ 発酵 ・ 合成 します。 変換ルートを設計 抜本的な新規物質
idea idea idea idea
トの探 索 新規製法ルー
自然界 ブラリに加え、 プ独自の酵素ライ 味の素グルー ニングなどの手法 silicoでのスクリー からの探索やin し出します。 実用的な酵素を探 で、 を使いこなすこと
素の探 ユニークな酵
索
8
IP3R
Ca2+
蛍光の検出 素
カルシウム検出色
自然界からの探索
in silicoでのスクリー
ニング
カニズム 容体に作用するメ ハイ 生理活性物質が受 胞を 利 用した さらに 培 養 細 な を 解 明し、 グも実 施 可能 スクリーニン ス ル ープット できます 。 を構築することが in vitro 評価系
化合物の活性
評価
す︒そしてその技術を携
ることを総称したもので
創造に向けた研究を進め
合わせ︑新しい顧客価値
狙い通りの酵素を
探し出す
技術の可能性
技術活用例
ート探索 私たちの 製法ル この物質は、 。 酵素 ニルグルタミン 製法の 鍵となる プチドであるアラ す。 生産さ れていま 、 ます。 な製法 によって まれた 画期的 酵素反応を触媒し 告例のない新規の これまで世界に報 は、 ーゼ) ペプチタ トランス ル (アミノ酸エステ 輸液用 途として 需要の 高いジペ 技術と新 規酵素 探索技 術から生
子合成技 術を駆使 そして生体機能分 分子設計技術、 、 らに深化させる 生体機能評価技術 プには、 これらの 技術をさ 味の素グルー 歴史があります。 存在します。 質を創製してきた な生理活 性物質が 容体に作用する物 られていない様々 さらにそれらの受 し、 世の中にはまだ知 ます。 の機能を見つけ出 見が期待されてい 未知の受容体やそ 生理活性物質の発 により、 る新たな すること 幸せにす 豊かにそしてより 人々の生活をより ことにより、
8
資料提供:味の素
7
KEY WORD 1
オープン& リンク イノベーション
スピード感を持って社会的課題解 決に貢献していくため、知恵を合 わせて新しい 〝何か を生み出す 手法。研究テーマの公募、 M & A、 産学連携などを推進。
そのために必要なのはオープン&
そのためにはあらかじめ所有する
﹁われわれの事業領域に関連する社
つくっていく︒そうしてASV を
えて顧客機会を発見し︑顧客価値を
れは つのエコシステムだと捉えて
レートすればできることもある︒こ
れわれの強みと他社の強みがコラボ
きないことがあります︒しかし︑わ
会課題であっても︑単独では解決で
り組んだ︒ つは技術の棚卸し︑そ
してもう つは新しい価値を生み出
考えている︒そして つのことに取
リンクイノベーションだと味の素は
実現していくというものです ﹂
す ﹁ 場づくり ﹂ だ︒
だった︒
技術を俯瞰して見る︑棚卸しが必要
りが重要なのです ﹂
き︑ディスカッションを行う場づく
が技術を携えて各所に出かけてい
います︒そのためには︑研究者自ら
1
1
1
2
では︑研究者はイノベーションの
評価・選定は難しく︑時間も要し
﹁そこで﹃ 技術の見える化 ﹄を行い
技 術カタログと ﹁場﹂ 研 究 者 集 結の
JMAC の考える研究開発の生産性向上の 1 つの視点に「非連続な価値
創出に貢献できているかどうか」 があります。本事例はこの問いに正 面から取り組んだものでしょう。オープンイノベーションのために 「技 術カタログ」 と「技術者集結の場づくり」 に取り組み、単独では成しえ なかった社会課題がどう解決されていくのか。今後も注目されるとこ ろです。
近藤晋 (R&D コンサルティング事業本部長 シニア・コンサルタント)
ン﹂という技術カタログに集約︒こ
れがまったくできていなかった︒
うに紹介すればよいのか︒実は︑そ
のか︒自社の技術とは何か︑どのよ
パートナーに何を持っていけばよい
非連続な価値創出への取り組み
は﹁アミノサイエンスソリューショ
たが︑最終的にセレクトされた技術
ロセスと捉えることができます ﹂
位一体で事業開発戦略を策定するプ
よる事業と技術と知的財産︑この三
します︒この取り組みは︑R&Dに
うな技術との競合があるのかを整理
POINT OF VIEW
どの技術が使われているか︑どのよ
のフロースキルの中で︑どの工程で
たとえば︑ つのバリューチェーン
し︑ 技術マトリックスを作成します︒
ました︒発信する技術を評価︑選定
KEY WORD 2
1
技術の出前
研究者自らが、自分たちが持って いる技術をセレクトし、技術カタ ログを手にクライアント企業に訪 問。ディスカッションの機会を得 ることで、顧客視点での価値創 造、課題解決を目指す。
すでに川崎地区の1000人を超
さらに2018 年
﹁クライアント・イノベーション・
ている︒
える研究者を中心にリンクが始まっ
いくのがミッションです ﹂
客さま視点で新しい価値をつくって
センター﹂がオープン︒来訪するク
恵を合わせる︑輪を広げるという
設です︒ASV の実現に向け︑お
と一緒に新しい価値の創造をする施
つの機能を持った建物で︑お客さま
ションする ﹁ 技術の出前 ﹂ を始めた︒
れを持って社外に赴き︑ディスカッ
つくり上げた︒
プ︑情報のやり取りをする場を自ら
ライアントと議論やワークショッ
﹁ここは︑共感する︑体感する︑知
6
月︑川崎に
4
9
Business Insights Vol.70
- ▲TOP
- ページ: 10
- R&D _ Case 2
YAZAKI CORPORATION
事 業 成 果 創出に向けた 矢崎 流 MOT による人材 育成
事業を牽引するリーダーはどの企業でも不可欠だ。 自社の技術で勝負していくために、 必要な MOT* の考え方を学ぶ、
11年続く矢崎 総 業独自の人材育成プログラムにフォーカスする。
(技術経営) *MOT = Management of Technology
APPROACH
第一線の技術者が 事業を動かせる人材に
これまでの 「 個人の技 術を磨く」 という体 制から、 お客さ ま視点での先行開発 企画へ。ビジネスの核は、 魅力的な 先行提 案ができる人材の育成にある。
矢崎 総 業株式会社
課題
魅力的な先行提案ができる人材の育成 人材や 技 術リソースの 有 効 活 用 お 客さまニーズとの融 合 自社の MOT 必 須 項目の理 解
矢崎総業株式会社 技術開発室 リソースセンター 教育評価部 第一HRD チームリーダー
平井 亮子
氏
車の電気や通信を通すためのワイヤーハーネスで世界トップクラス のシェアを持つ矢崎総業。主力の自動車機器をはじめ、生活環境機 器、新規事業の3本の柱でグローバルに事業展開を行っている。リ ソースセンター 教育評価部は、人材や技術など自社が持つリソー スを有効活用し、お客さまにとって価値ある商品を、スピード感を もって開発するための 「 人材育成 」 をミッションとしている。
Vol.70
10
- ▲TOP
- ページ: 11
- いとしています ﹂
を受講した人数。第一線で活躍す る技術者を研修に招集するには上
用化され︑数十社に展開しているも
11 年間で MOT カスタマイズ研修
長の説得が不可欠だが、受講者が
送り出す側になりつつあり、受講
371人 11年
しやすい環境が整ってきている。
KEY WORD 1
技術経営を 見据え 研 修 を カスタマイズ
ワイヤーハーネスという商品をご 存じだろうか︒車の中でスイッチを 入れると︑当たり前のように電気が 点き︑機器が作動する︒それはケー ブル︑コネクタなど から構成されるワイ ヤーハーネスが車の 中に張り巡らされて いるからだ︒このワ イヤーハーネス製造 の世界トップクラス のシェアを占めるの が 矢 崎 総 業 で あ る︒ 現在︑ の国と地域 でグローバルに展開 している︒主力は自 動 車 機 器 で あ る が︑ ガス機器などの生活 環境機器︑環境リサ イクルや介護︑農業
修内容。午前中にインプッ ト、午後にアウトプットと いう体得しやすいプログラ
研修はマーケティング︑プレゼン
のも生まれています︒ほぼ実務に近
テーションの基本︑知財戦略︑顧客 義・演習は多岐にわたる︒
い演習をすることにより︑自社での
プロセス分析︑コスト開発など︑講
問題点や改善点などが見えてきて︑
業務に定着していくのです ﹂
参加者には︑ ﹁ 他部署の人と意見
トップ ダ ウンによ り 研 修の重 要 性 を 周 知
7
交換をする機会がなかったので︑大
きな気づきを得ることができた ﹂と
いう人も多い︒そして︑自社の業務
第一線の技術者を 日間もの間︑ 修を行っている︒技術力をベースに した企業競争力向上は開発部門の必 須課題であり︑自社の技術シーズ︑ 顧客ニーズの融合を図り︑環境変化 に即したビジネスができる人材が求 められているからだ︒ ﹁ 技術力をベースに︑競争力を上げ ていこうという動きはあったのです が︑当時の技術者は自分の持ってい る技術に専念し︑それを極め︑より 技術力の高い製品を開発することば かりに目を向けていました︒ しかし︑ ビジネスを進めていくためにはお客 合させて事業に展開させることが必 要 で す︒そ の た め に 生 ま れ た の が
KEY WORD 2
に即した研修プログラムを受講する
研修に出すというのは︑抵抗がある
ことで︑モチベーションの醸成にも
部署も多い︒そこで重要なのが︑各
役立っているようだ︒
部署の上層部への働きかけだ︒研修
さらに継続的改善として︑講義内
のメリット︑期待できることを説明
容の強化や研修効果の定量評価の検
し︑最後はトップダウンを引き出し
討に加え︑ ﹁ 受講計画書 ﹂による動
て動くように尽力している︒研修は
機づけなどに取り組んで成果を得て
業務ではないため︑どうしても優先
いる︒
46
順位が低くなりがちだが︑矢崎総業 と認識され始めている︒
のそれは業務と同等の重要性がある
POINT OF VIEW
動の継続」 と 「実際の開発案件を研修テーマに据える」 ということです。
本事例のメインテーマは「新事業・新商品の創出を牽引する人づくり」
です。この活動により実際の新商品も生まれています。そのカギは 「活
単なる座学ではなく、 経営理論を実務に応用するトレーニングを行い、
マに据えるのが大きな特徴です︒商
案件を使うところ。そのままプロ
ムになっている
超える従業員が働いている︒ 2001年に立ち上がったリソー スセンターは︑ 技術開発部門として︑ 人材育成はどうあるべきか︑その仕 組みづくりや研修を行う機能ももつ 部署だ︒ 年前から自社の事業内容 に合わせたMOT カスタマイズ研
ジェクトとして進むケースもあ
本研修の最大の特徴は実際の開発
力を入れ︑グループ全体で 万人を
研修テーマは 実際の開発案件
などの新規事業にも
さまのニーズを取り入れ︑それを融
MOT カスタマイズ研修です︒矢
崎グループの技術者にとって必要 な︑矢崎流のMOT の考え方を学 ぶ内容になっています︒自社の技術
活動の継続で得られた高い研修効果
﹁ 実際に動いている開発案件をテー
活動の継続により組織として事業化能力を高めることで高い研修効果
り、商品化されることも。
近藤晋 (R&D コンサルティング事業本部長 シニア・コンサルタント) 「MOT カスタマイズ研修」 テキスト より (JMAC 作成)
3 カ月のべ 7 日間で行う研
30
を事業化する能力を強化し︑技術者 が事業を引っぱっていくことをねら
11
Business Insights Vol.70
を実現しています。
11
- ▲TOP
- ページ: 12
- R&D _ Case 3
JAPAN WOMEN'S UNIVERSITY
計算 科 学とスパコンで 社会の課 題 解決に貢 献
計算科学は、 スーパーコンピューターの処理能力の向上とともに研究領域を広げている。 さまざまな社会課題の解決だけでなく学問の橋渡し役としても期待されており、 計算科学を学んだ人材も多方面での活躍の場が広がっている。
APPROACH
企業と大学の連携で R&Dの成果を出していく
研究を進めていくうえで、 企業の力は欠かせない。 共同研 に、 学会を通じた産業交流の場も活用していく。 究、 企 業からの委託、 企 業での実習などを進めると同時
日本 女子 大学
課題
研 究 者の意 識 改 革 スーパーコンピューターの活 用 計算 科 学 分 野 の人材 育成 学会 ・ 産 業 界との 連 携
日本女子大学 理学部 数物科学科 准教授
村岡 梓
氏
1901年に成瀬仁蔵により創立。家政学部、文学部、人間社会学部、
理学部を擁する女子総合大学。渋沢栄一が第3代学長を務めたこと でも知られる。 「 信念徹底 」 「 自発創生 」 「 共同奉仕 」 を教育理念と し、創立120周年を迎える2021年に向け、カリキュラム改革や新キ ャンパス建設を進めている。 現在川崎市にある人間社会学部を移し、
21年には4学部すべてが目白キャンパスに集結する。
Vol.70
12
- ▲TOP
- ページ: 13
- た、次世代の国産スーパーコンピ ュー
ターの名称で 「京」の後継機。富岳 科学者の目を育み、自ら課題を見いだして解決できる理系女子の
は富士山の異名で、 性能の高さ ( 「京」
「第 23 回 R&D イノベーションフォーラム」 の講演資料より
ビッグデータを扱うAI時代︑国 際的な競争社会を生き抜くために も︑R&Dが果たす役割は大きい︒ 日本の課題といえる㎰生産性向上 〟 に産学連携は不可欠であり︑大学現 場から生まれる ﹁知﹂ と ﹁ 人材 ﹂ への 期待が高まっている︒
を発表した理化学研究所で
5 月 23 日に理化学研究所が発表し
は︑スパコンで取り組むべ
の約 100 倍) や利用者の裾野の広が 育成を目指している
環境問題︑②エネルギー問
題︑③産業競争力の強化︑
④基礎科学の発展︑⑤健康
長寿社会の実現︒村岡氏は
研 究 者に求め ら れ る 技 術 思 考と 社 会 思 考
日本女子大学理学部で計算科学の
研究室が所有しているワークステー ション。理化学研究所や東北大学な
②の領域における ﹁太陽光﹂
を研究テーマとしている︒
﹁ 永遠に降り注ぐ太陽光
は︑電気エネルギー︑化学 ギーの
日から開かれる﹁ CSJ化学フェス
第一人者として研究・指導にあたる 村岡梓准教授は︑ ﹁ 理論と実地︵ 現 場 ︶の結合から成果が生まれる︒R
どとも連携している
エネルギー︑太陽熱エネル
のような産学官が交流 タ2019 ﹂
種類があります︒
できる場にも積極的に参加し︑日本
どのようなエネルギーに変
3
女子大学での計算科学への取り組み
&Dと生産性への取り組みには︑企 業との連携が不可欠 ﹂ と語る︒ 計算科学とは︑ ﹁ 超高速・大規模 計算によって自然現象を記述し︑多 くの変数からなる法則性を定量的 に理解し予測する分野 ﹂のこと︒量 子力学理論をベースに︑スーパーコ ンピューターを使ってモデル化︑シ ミュレーションを行っている︒ 科学の手法は つに分類される︒
換したら成果があるのかを
を︑学内外にアピールしていく考え
計算科学でアシストしていて︑変換 しています ﹂
だ︒
効率を上げるためのキーワードを探
4
した。同氏が指摘されているように生産性向上の取り組みには企業と
「異質な知」 のモデルとして日本女子大学の村岡氏にご登場いただきま
第
にデータサイエンスが相当す る︒計算科学は第 だけでなく︑第 にまたがる領域にある︒ 村岡氏は︑日々の研究で大切なの
村岡氏は︑計算科学を通じて︑そ
の可能性だけでなく﹁ 科学は物理が
コンピューターを使ったシミュレー ションを指す。高性能なスパコン の登場によって、実際に実験をす るのが難しいことであっても、模 擬実験や予測ができるようにな り、科学の柱として加わった。
第 3 の科学
は﹁どういった技術を使い︑何を目
KEY WORD 1
大本で︑そこから枝葉に分かれてさ 的とするかを決める研究者の意識 ﹂ だと指摘する︒今注目されている第 ・第 の科学が発展するには︑研
物理そのものの魅力についても学生
に伝えたいと言う︒そして︑高校︑
究者の技術思考と社会思考があわさ ってこそ可能となるからだ︒ シミュレーションに欠かせないの
大学で学んだことを網羅的にとら 長を願っている︒
で以上に関わることになるでしょう。
まざまな学問が成り立っている﹂ と︑
産学連携で研究者の社会思考を醸成
シミュレーションを行う計算科学︑
人 材 育 成に取 り 組 む 計 算 科 学の伝 道 師
4 4 3
ンスの発展においても研究者の社会思考が重視されています。大学の
大学の連携が求められています。また、近年注目されるデータサイエ
知を社会が活用するために、企業は研究者の社会思考の醸成にこれま
近藤晋 (R&D コンサルティング事業本部長 シニア・コンサルタント)
第 は実験︑第 は解析で︑第 に
3
4
POINT OF VIEW
1
2
3
富岳
野を挙げている︒①防災・
KEY WORD 2
き重点課題として次の5分
りをイ メージし て名づけられた。
え︑スパコンのユーザーとしての成
の ﹁ 富岳 ﹂ ほかの大学との共同研究や 月 がスパコン︒ポスト ﹁京﹂
13
Business Insights Vol.70
10
15
- ▲TOP
- ページ: 14
- データサイエンス型の開発を いかに社内に浸 透させるか
常に新しい価値の創造を目指してきたコニカミノルタ。 デジタル化が急速に進む中、 新たな技術を獲得し競争 優 位に立つには、 技術人材が データサイエンスを駆使すると同時に創造性を発揮する 〝サイエンスデザイナー へ進化する必要がある。
APPROACH
独自の材料開発を進めて 技術の競争力を高める
材料技術に裏づけられたデバイスの開発では、 材料開発を ボトルネックにしないための高効率な手法が必要になる。 新たな手法を社内に浸透させるには協力者が欠かせない。
Predicted Wavelength (nm )
発 光ピーク 波 長 ︵ nm︶ 半値幅 ( nm )
Predicted half-band Width (nm )
R&D _ Case 4
KONICA MINOLTA
コニカミノルタ株 式 会 社
課題
実 現したい 姿を思い 描く 根 気 強く効 用を訴え 続ける 成 果 の出る仕 組みづくり 新しいことに挑 戦 する意 欲
コニカミノルタ株式会社 開発統括本部 要素技術開発センター 価値創造室 インフォマティクスグループリーダー 荒井
健夫
氏
(のちのコニカ) と、1928年「 日 1873年創業の「 小西屋六兵衛店 」 独写真機商店 」 から始まったミノルタが、2003年に統合。現在はオ フィス向けデジタルソリューションや、光学技術などを使い「 課題 提起型デジタルカンパニー」として事業を展開中。材料分野の新開 発手法 〝マテリアルズ ・ インフォマティクス に注目が集まっている。
Vol.70
14
- ▲TOP
- ページ: 15
- 本部の荒井健夫氏が説明する︒ ﹁このMIを使えば︑たとえば︑約
として、MI のコンセプトを地道に 各種社内発表会で技術者や経営層 ほか、全社横断の品質工学の推進 委員会において、開発手法の一つ
ち残れないという危機感をもとに成
とができます︒こうした研究開発の もともとコニカミノルタの祖業の 手法が確立すれば︑開発期間を従来 の 分の ないし 分の まで短縮 一つである銀塩の写真フィルムは︑
KEY WORD 2
開発プロセス の革新に データサイ エ ンスを活かす
15
万構造の計算を 日で完了するこ
社内への浸透
果の出る仕組みをつくり︑さらに開
発者の挑戦意欲を高めていく︒そこ
3
には﹁ 力を蓄えてから ﹂ではなく︑
﹁ 実力のちょっと先 ﹂を目指す姿勢
アピール。
20
が必要不可欠だと荒井氏は言う︒
5
1
職人的な勘と経験が活かせる分野で できます︒ できることは計算でやり︑ 技術者は結果の中から新たな原理を 見抜く力が求められます ﹂ そこで問題になったのが︑このM Iの活用をどう社内に浸透させるの かということだった︒荒井氏らはま ず社内の協力者とMI活用の連絡会 を発足させ︑外部情報や問題意識を 共有した︒だが︑実際のMI活用を 進める中で︑新しいやり方への抵抗 も大きかった︒ ﹁データ自体が少ないうえに分析精 度も不十分︒なかなか開発現場とマ ッチングできないのです︒当初現場 では﹃こんなのつくれない ﹄ ﹃ピン とこないな﹄ との声が頻発しました﹂ あり︑製品開発は半年から 年半と いうサイクルが可能 だった︒しかし︑銀 塩写真の技術開発が 終焉し︑勘と経験の 通じない新規分野で は製品の頭出しまで に 〜 年もかかる
1
﹁ 自分たちが実現したい姿を描いて︑
多角的にかつ根気よく相手の動機に
1
訴え続ける︒そうすれば︑だんだん
協力者が増えて裾野も広がってきま
す︒そして大事なのは︑メンバーは
その状況を打開するため︑荒井氏
必ず答えを出してくれるという思い
らは︑あらゆる場でMIのコンセプ
です︒コンセプトとメンバーへの信
トをアピールし続けると同時に自前
頼こそが組織を変える原動力となる
で実験 ・ 評価を行うチームを編成し︑
のです ﹂
3
ようになり︑いかに 研究開発のスピード を上げるかが大きな 課題となっていた︒ そこで同社が課題 解決のために取り組 んだのが︑サイエン スとデータ科学の融 合による開発プロセ
〝サイエンスの目 を養う
「第 23 回 R&D イノベーション
5
開発テーマを一体化︒さらに計算結 成や仕組みづくりに努めた︒
何度もメンバーと話すことで現場
果を開発現場に翻訳できる人材の育
は〝 窓 〟 を開いてくれる︒信頼を築
くことから実績は生まれるのだ︒
POINT OF VIEW
「異質な知の組み合わせ」 の事例として、社内で生まれた新たな「知」
ません。 一方で、 こうした活動で成果を出すことは容易ではありません。
の浸透について講演していただきました。R&D の生産性を高めるため
﹁こうした取り組みの結果︑少しず スの革新だった︒そ
マテリアルズ・インフォマティク ス (MI) とは、実験・シミュレー ションから得たデータを機械学習 などの AI で解析し、帰納法的に材
つ成果が出始めました︒とくに入社
フォーラム」 の講演資料より
半年の新人が 万個の組み合わせの
のとき欠かせないのが材料開発にお
KEY WORD 1
中から 個のポイントとなる組み合
けるデータサイエンス︑すなわちマ テ リ ア ル ズ・ イ ン フ ォ マ テ ィ ク ス ︵ MI ︶だ︒このMIとは︑実験・ シミュレーションから得たデータを 機械学習・ディープラーニングなど AIによる解析によって帰納法的に 材料設計する手法だ︒同社開発統括
わせを抽出し︑実際にそのとおりの
MI
実験結果になることを実証したのは
料設計する手法。
驚きでした︒さらに︑過去の製品に
使用した材料が別の用途に有効だと
には新たな「知」 と、その取り組みをドライブさせる人の存在も欠かせ
問題に直面しながらも新たな「知」 の浸透を実現した取り組みが本事例 イノベーションのための
「 知」 新たな の社内浸透を実現
近藤晋 (R&D コンサルティング事業本部長 シニア・コンサルタント)
〝 実 力のちょっと 先 〟 で 挑 戦 意 欲 を 高めていく
10
50
事例はとくに経営層に受けました ﹂
MIを使わなければ開発競争に勝
のポイントです。
いう事例も相次ぎました︒こうした
15
Business Insights Vol.70
- ▲TOP
- ページ: 16
- R&D _ Case 5
生産技術部のある土浦工場。
1956 年に稼動を開始した総合
製造工場だ
Mitsubishi Corporation Life Sciences
小規模チームで 多様な仕事に立ち向かう
企業の合 併統合により人事編成が目まぐるしく変わる中で、 組 織改革に着手。 利益改善、 業務 効率化……目に見える成果はどのようにして生まれたのか。 協業体制が定着した。 約 2 年の取り組みで新規事業への参入が増加し、
APPROACH
生産技術グループの弱みは 人的環境から変えていく
既存設備を前提としたプロセス改善が優 先されるなか、 手薄になりがちな 3 つの課 題に着手。 ノウハウの消失な ど、 将来を見据えると深刻な問題に取りかかった。
三 菱 商 事ライフサイエンス 株式会社
課題
新 規 分 野 へ の取り組みが 弱い グル ープ 内の 協 業 体 制が 不十 分 仕事 の属 人化
三菱商事ライフサイエンス株式会社 戦略企画部 マネジャー
宮垣 太郎
氏
三菱商事フードテック、 2019年4月、 MCフードスペシャリティーズ、 興人ライフサイエンスの3社を事業統合し、三菱商事ライフサイエ ンスとしてスタート。調味料をはじめとする食品素材やニュートリ ション事業など、食と健康分野における新たな価値創造をミッショ ンとする。生産技術部プロセス開発グループは新規事業にかけられ る工数不足などが課題となっており、組織改革に着手した。
Vol.70
16
- ▲TOP
- ページ: 17
- に積極的に取り込めるようになりま
小規模チーム導入の結果、 「開発 と増加。さらに「新規の製造支援 業務」 も増加し、組織改革プロジ 業務」 のシェアが 5%から 28%へ ェクトが新規事業に向けて好循環
5 % 28 %
KEY WORD 1
人的環境を 整え パフォーマンスを 上 げ る
していることがわかる。
テーマの見 直しで 大 幅な 利 益 改 善
した ﹂
そしてもうひとつ︑宮垣氏が小規
模チームを導入した理由がある︒ 字の追求にもこだわった︒
多くの企業でも課題になっている ﹁ 業務の属人化 ﹂ と ﹁チームのコミュ ニケーション不足 ﹂は︑業務の効率 化︑新規事業参入へのスピードを失 速させる︒三菱商事ライフサイエン スは︑企業の合併︑再編を繰り返し て生まれた会社であるがゆえ︑密な コミュニケーションはなおさら大き
「第 23 回 R&D イノベーション
宮垣氏は︑今回の組織改革で︑数
﹁ 当社のように︑原籍が異なるメン
バーが集まるチームは︑相手とは異
﹁ 利益改善額を集計して︑チームメ
なる価値観を持っているケースが多
ンバーに対しても見える化を行った
い︒コミュニケーション不足は相手
ところ︑自分でも気づいたことがあ
に対する怖れや不信︑社内の溝が生
りました︒工場︑製品ごとに利益改 人材の異動によるノウハウの消失 はあってはならない︒ましてやR&
まれ︑悪循環を生みがちです︒価値
善効果が高いもの︑たとえば生産量
観を認め合う仕事の仕方を追求する
が大量のAという製品のように収率
ためにも︑この小規模チーム導入は
属人化を廃止し、業務は
チーム制へ。技術の継承
な課題だった︒ ﹁ 私たち生産技術本部プロセス開発 グループは既存品の工程改良やコス トダウン︑開発品の工業プロセスの 確立などを担うセクションです︒会 社からのミッション は︑成 果 利益 の 改 善︑ 業務の効率化となって いますが︑たくさんの 会社が集まった企業と いう特徴があり︑人材 のローテーションが速 いという事情がありま した︒ 年前に 人い
が %改善するだけで利益改善効果
効果があったと思います ﹂
フォーラム」 の講演資料より
Dのフィールドでノウハウは財産だ︒
﹁これまでは各人にテーマがぶら下が っており︑メンバー間での協業がほと んどありませんでした︒そこで︑小 規模チーム制の導入を行ったわけで す︒たとえば新しいプロジェクトが 立ち上がったとき︑適正なメンバー をピックアップして小規模チームを つくります︒以前は 件あったテー マのうち︑ 案件は個人で担当して いましたが︑改革後は テーマが小 規模チームの担当に︒この取り組み
1
が高いものがある︒一方︑苦労した
実際に年に 回提出してもらう自
割に利益改善額が低い製品もありま
己申告書を見ても︑メンバーの仕事
もスムーズに
した︒そこで長年慣例的に行われて
への意欲やコミュニケーションが格
きた効果額の小さい利益改善テーマ
段に高まったのである︒
や売上の小さい開発テーマを見直し
た結果︑大きな利益改善額を達成し
リスクも生じます。このような課題に同社では「小規模チームの導入」
らす一方で、コミュニケーションギャップや組織の生産性を阻害する
れるようになり︑その分︑新たな研
究テーマや新規プロジェクトテーマ
と利益改善額の「見える化」 によりメンバーの協力体制を構築し、業務
効率化を実現しました。背景の異なるメンバーが集うチームの融合と
企業の合併・再編は 「異なる知」 の融合を促し、事業成長の機会をもた
小規模チームと見える化による成果
で︑技術の継承がスムーズになった
には 人しか残ってい ないといった状況で す︒これでは︑技術の 継承ができないという 問題が残されていまし た﹂
への比重が大きかった仕事のやり方
から︑新規分野に比重をかけられる 体制に変えることができました ﹂ 開発部門から上がってくるオー ダーにも︑応えられる余力ができた ことは大きい︒
KEY WORD 2
たメンバーは︑ 年後
のはもちろんですが︑既存製品対応
して多くのチャレンジに取り組まれた事例でした。 して、月次報告書に記載し、メン バーにも見える化した。また、効 果額の小さい利益改善テーマや、
2017 年 5 月から利益改善額を集計
売上の小さい開発のテーマは見直
しも行った。
近藤晋 (R&D コンサルティング事業本部長 シニア・コンサルタント)
ました︒さらに各人の工数が空けら
2
8
見える化
4
2
POINT OF VIEW
14
16
22
1
17
Business Insights Vol.70
- ▲TOP
- ページ: 18
- スマー トファク ト リーを 実現するために IoTをどう使いこなすのか
(Internet of Things: モノのインターネット) を導入しただけでは IoT
解決の糸口は見いだせない。 IoTにより自社の課題を見える化し、
それに最適化したツールを正しく使うことで、 初めて改善に向かう
第4 次産業革命を乗り切るビジネスの視点
せん︒ところが今では︑各種識別タ
グやセンサー︑デバイスが発達して
きて︑改善のやり方も大きく変化し
ています︒
ある企業では︑半製品や完成品が
﹁ 今どこにあるのか ﹂を見える化す
製 造 業のあ り 方 を 大き く 変 え るI oT
る仕組みをつくっています︒ さらに︑
これらを運搬するフォークリフトの
﹁ 今どこにあるのか ﹂ ﹁ 今どのよう
従来の改善活動では︑現場の実態
な 状 態 な の か︵ 運 搬 中・ 待 機 中 な
を正しく把握するために多くの時間
ど︶ ﹂といった情報の見える化にも
と手間を費やしていました︒ビデオ
取り組んでいます︒
カメラやストップウォッチを片手に
これらの情報を統合して管理すれ
現場を走り回ることも珍しくありま
ば︑運搬担当にリアルタイムで指示
JMAC デジタルイノベーション 事業本部 チーフ・コンサルタント
神山洋輔
Vol.70
18
- ▲TOP
- ページ: 19
- 1.Location 7.Quality
人・モノ・機器の位置 や動きを捉え、ムリ・ より効率的な品質関連 業務を確立する ムダ・ムラを解消する 人の動きを計測し、最 適な作業を設計する
2.Operation
6.Availability
IoT 7つ道具
改善が見える、 改善が変わる。
®
コンサルティング ・ サービスを行っています。 あらゆる機器の状況を 把握し、オペレーショ ンを最適化する 不 良 発 生の瞬間を捉 え、効果的な打ち手を
JMACはお客さまの課題に対し、 IoT 7つ道具®を最適化して導入支援の
3.Situation
5.Hazard
4.Count
見つける
危険を確実に記録し、
※ IoT 7 つ道具は、日本能率 協会コンサルティングの登録 商標です。
より楽に、便利に数量 をカウントする
安全対策につなげる
MESHを使って カート組立手順を指示!
小さなブロック形をした無線電 子ブロック 「MESH」 と IoT 電球 で、作業をセンシングし次の作 業を指示するプロトタイプを作 成。写真右側で点灯しているの が、 MESH による作業指示。
(東京ビッグサイト) の JMAC ブース ▲写真は 「スマートファクトリー Japan2019」
われわれJMAC では︑ものづ
このように︑I oTツールの普及
I oTツールとセットで﹁ I oT7
提唱しています︒
に高度化・高速化させました︒
する︑という一連のプロセスをさら
同士を連携させ︑③問題を見える化
は︑①情報を取得・蓄積し︑②情報
を つの視点で分類しています︒具
連携・活用 ︵ 見える化 ︶ ﹂ すべき情報
くり現場の課題解決のために ﹁蓄積 ・
つ道具® ﹂ というコンセプトとして
現できます︒
大活用︑置き場面積の有効活用が実
ができて︑結果としてリソースの最
体 的 に は 上 図 に 示 す よ う に︑各 種
7
JMAC トップセミナーのご案内
〜第一線で革新に挑む経営者から学ぶ〜
「JMACトップセミナー」 は、日本を代表する 経営トップの方をお招きし、経営者として改革を断行された 視点 ・ 考え方などをお話しいただく経営トップ向けセミナーです。
日 時 (火 ) 2019年9月10日
15:00 〜 18:30
基調講演
ミライロ 代表取締役社長
垣内俊哉 氏
● ● ●
I oTに関する技術は日進月歩で
忘れてはいけないことは﹁ ︑I oT
I oT×人 間の知 恵で ベストソリューションに
です︒成果に結びつく改革シナリオ
で何が実現したいか ﹂を考えること
で何ができるか ﹂ ではなく︑ ﹁I oT
かにし︑適切なI oT技術を取捨選
めに必要なデータや活用方法を明ら
ります︒改革シナリオを実現するた
進化しています︒
択する
やI oT活用の全体構想が重要とな
恵を絞れるかが成功のカギです︒
「 バリアバリュー〜障害を価値に変える〜」
バリアをバリューへ 今、 向き合うべき3つのバリア 社会貢献だけでなくビジネスへ
︱ ここにどれだけ人が知
会 場
( 東京都千代田区丸の内1-7-12サピアタワー)
定 員 対 象 参加料
(お申し込み順 ) 50 名
ステーションコンファレンス東京
経営トップ層、部門長の方々
( 消費税込 ) ※参加者交流費を含む 10,800円
URL
www.jmac.co.jp/seminar/
19
- ▲TOP
- ページ: 20
- Business Insights Vol.70
2019年7月発行
発行人:鈴木亨 編集人:田中強志 編集:柴田憲文 豊島涼子 ディレクション:中山真理子 (Project8) 編集・ライティング:島田ゆかり 國貞文隆 デザイン:井上宏樹 村松哉 (DynamiteBrothersSyndicate) 撮影:山田英博 角守裕二 整理:本橋健 木村舞子 (Natty Works) 校閲:寺薗かおる 表紙イラスト:平田利之 株式会社日本能率協会コンサルティング 〒105−0011 東京都港区芝公園3−1−22 日本能率協会ビル7F
© 2019 JMA Consultants Inc.
www.jmac.co.jp
本誌の送付先情報の変更、 ご意見・ご感想は、 こちらで受け付けています
https://dlabo.jmac.co.jp/bi
本誌の無断転載・複写を禁じます
- ▲TOP