ビジネスインサイツ71
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ハードは変えられなくても ハートはすぐに変えられる
情報
んでいるのはどこの国だと思います か︒欧米? 北欧? いえ︑ 日本です︒ とくに都市圏は交通機関のバリアフ リー化が進んでいますから︑これほ
ユニバーサルデザインの市場は想像以上の規模があり、 大きな可能性を秘めている。
社会的弱者 から顧客へ
日本は急速に交通機関のバリアフ
リー化が進んでいます︒オリンピッ
ク・パラリンピックの開催がはずみ
社会における3つのバリア
ところで︑世界でバリアフリーが進
妊婦、 子ども連れ、 外国 高齢者、 障害者、 LGBT 、 人など、 日本での移動や生活に不安を感じてい る人が直面している壁、 バリアは主に3つある。
をつけたことは間違いありません︒
多くの日本企業はまだそのことに気づいていない。
教育機関のバリアフリー化も進ん
でいます︒私が大学生だったころ︑
障害者の進学者はおよそ4900
環境
人でしたが︑今は 万3000人︒
ど外出しやすい国はありません︒で も︑外出したくなるかは別です︒
働く障害者も増えています︒外出で
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きる︑学べる︑働ける
︱ ︒社会的
意識
なぜかといえば︑障害者への対応 は︑無関心か過剰かの︑二極化して いるからです︒施設や設備といった ハードを変えることは︑そう簡単で はありません︒でも︑意識やハート は変えることはできます︒困ってい る人に自然と手を差し伸べることが できたらかっこいいと思いませんか︒ ミライロでは︑高齢者や障害者へ の適切なサポートやコミュニケーシ ョン方法を学ぶユニバーサルマナー 検定を実施しており︑受講者は 万
弱者ではなく︑おカネを稼ぎおカネ
ミライロは︑2016年に建物の
バリ アフ リ ー 情 報 を 集 め る た め の
︵ビーマップ︶ ﹂ というア ﹁Bmaps
子に移りたいことがあります︒ 良かれと思ってやっていること が︑障害者のニーズとのすれ違いを 生んでいることもあるのです︒障害 者といっても︑一人ひとりのニーズ は違います︒ 椅子をどけるより先に︑ ﹁ 車椅子に乗ったまま食事をされま
プリを開発しました︒建物の入り口
に段差が何段あるか︑電源はあるの
か な ど︑移 動 に 不 安 を 感 じ てい る
人々が求めるバリアフリー情報をア
を伸ばしています︒なぜなら︑障害
プリユーザーが共有できるものです︒
者や高齢者だけでなく︑その家族・
これからは飲食店︑美容院︑ドラ
友人なども利用するからです︒
の視点を
ッグストア︑レジャー施設などに高
ある関西のチェーン店では︑店舗
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人を超えました︒ ここで適切な対応とはどういうも のか︑一例を紹介しましょう︒私が 飲食店に入ると︑椅子をどけられて ﹁こちらにどうぞ ﹂と案内されるこ とがほとんどです︒でも︑長時間車 椅子に座り続けていると︑ほかの椅
すか? それとも椅子に移って食事 をされますか ﹂と聞いてほしい︒必 要なのは︑選択肢なのです︒ ミライロでは︑社会の障害︵バリ ア︶を意識︑環境︑情報の つの側
齢者や障害者が買い物に来やすい環
のバリアフリー化とスタッフのユニ
境の整備が求められています︒
バーサルマナー研修を徹底した結
たとえば︑日本に飲食店はたくさ
果︑健常者のリピート率 割に対し
んありますが︑車椅子でも入店でき
て︑高齢者は 割︑車椅子ユーザー
るお店は︑その内の約 %しかあり
は 割になったそうです︒障害者が
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面からとらえ︑それぞれを解消する ソリューションを提供しています︒
ません︒しかし︑先んじて取り組ん
顧客だと気づいた企業は︑大きなビ
でいる %の店をみると︑売り上げ
ジネスチャンスをつかんでいます︒
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交通機関のバリアフリー 化が進むことで、 外出す る障害者、 高齢者が増え ている。 だが、 外出先の 店や施設のバリアフリー 化はまだまだだ。 建物の バリアフリー情報を提供 するビーマップは、 日本 語だけでなく、 複数の外 国語に対応し、 多くの人 の外出機会をサポートし ている。
を使う障害者が増えているのです︒
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