ビジネスインサイツ72
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- Mon oz u ku r i
た︒ このリソースを全体に適正配分︒ また︑設備の設定自体を見直した︒
検査工程の手順を改善して 直接労務費を見直し、大きな削減に
﹁ FSIP 会議には製造部の各グ
原形をとどめないほどに変わりまし
ループのマネージャーが出席しま
た︒ プロジェクトが始まった当初は︑
冒頭で紹介した造影剤の検査工程 は︑これまで 回行うことで精度を 上げていたところ︑設備を調整し︑ 回でも同じ精度で検知できるよう
す︒そこで︑各ラインのコスト削減
各グループは︑取れる数字を意味な
案︑改善の進捗状況を発表します︒ 現可能性からABC の
く羅列したレベルの資料であり︑理
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そして予測される原価削減額と︑実
想とは程遠いものでした︒そこから
段階でラ
時間も手間もかかりましたが︑今は
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に改善した︒医薬品メーカーは︑検 査工程にかなりの工数がとられる︒ ここの改善で労務費が大きく削減で きたという︒ ﹁ 造影剤については︑製造のロット
ンク付けをして状況を見ています︒
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問題点も目標も具体的になり︑意図
また他グループの取り組みを共有す
を持った明確な数値管理ができるよ
ることは相互の気づきや競争意識に なっています︒
うになりました ﹂ ︵ 吉末さん ︶
もつながってとても有意義な会議に
プロジェクトマネージャーの白尾 さんは︑ ﹁ 各グループは︑以前から
書の見直しや点検︑運搬︑作業指示 待ち︑会議などに関わる時間が多か ったのです︒あるラインのすべての
Fu j i P h a r m a
量を増やす︵スケールアップ︶改善 も︑原価削減に寄与しました︒これ らの改善により︑工程全体でどこに 何人配置すれば︑生産量を増やせる かなど︑今後の計画もつくりやすく なりました ﹂ ︵ 笠井さん ︶
会議資料は︑最初の頃と今では︑
コスト削減の施策はたくさん持って
いたのですが︑ ﹃ 今︑改善がどこま
富山工場 製造部 生産管理グループマネージャー 兼 生産管理課リーダー
作業員の 日の作業内容を分析した
白尾さんが掲げているのは 「小集団活動」 の活動成果 をまとめたもの。5 〜 6 人で 活動を行い、定期的に発表 する場を設けている。1 位と 2 位のチームには賞金が
でいっているのか︑どこで問題があ
ってつまずいてるのか ﹄という点が
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ら︑直接作業のオペレーション時間 は少なかった︒直接活動時間は企業 の収益活動に直接貢献する時間です から︑人員の組み合わせを変えるな ど︑最適配置を行いました ﹂ ︵ 吉末 さん ︶ 名分 作業のロス分析により︑約 の工数が削減できることがわかっ
白尾 淳之 さん
グループ内でも共有できず︑他部署
からのアドバイスももらえないよう
理想の ﹁ 見える化 ﹂ が 完成するまで
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これ ま で︑生 産 部 門 の 役 職 者 会 議では﹁ 計画達成率 ﹂ のみを管理し て生産効率などの﹁ 管理指標 ﹂ はモ ニタリングしていなかった︒また︑ 原価を管理するための会議におい て も 結 果 の 報 告 中 心 で︑コ ス ト を
な状況でした︒ところがFSIP
クトの名称。 情報共有の場に。
「富 productivity の略であり、
士の船出」 でもあるプロジェ
The first step in improving
削 減 す る 視 点 は な か っ た︒そ う し たマーネジメント側の課題も取り 上げて︑今回の改善プロジェクトを ︵エフシップ︶ ﹂ と名付け︑ ﹁ FSIP 定期的にFSIP 会議を行ってい る︒ 〝 生産性向上の第一歩 〟という 意味を込めたネーミングだ︒
KE Y WORD 2
FSIP
Vol.72
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