ビジネスインサイツ72
- ページ: 19
- 会議によって進捗や悩みを共有でき
コスト削減活動で得たもの
ーマを元に︑自由に課 題を立て︑改善活動を
K E Y WO RD 3
中に必要であれば製造
は、 数字もさることながら 「従 業員全員の成長」 だった。こ
るようになり︑現状動いている施策 は何か︑どこまで進んでいて︑問題 点はこのように対応している︑とい ったことを共有できるようになりま した︒それが一番よかったと思いま すね︒そして全員がいつまでに何を するべきか道筋が見えたことで︑改 善の速度を上げることができたと思 います ﹂と話す︒ 億円削減という 活動を行って︑最優秀 賞︑優秀賞のチームに賞金を出す仕 組 み を つ く り ま し た︒ た と え ば ﹃ 5S ﹄というテーマで自分たちは どんな成果を出したのか︒その取り 組みを手描きのポスターにして︑食 堂に掲示し︑管理職が投票します︒ 立派な手づくりのポスターを見る と︑みんなの秘めたパワーを感じま 目標は︑たったの 年半で達成され たのである︒ ひとつとして︑小集団 と思っています︒その ったぶんは還元したい 感してほしいし︑頑張 スト削減の達成感を実 ﹁ 現場の人たちにもコ 行うものだ︒
する使命がある︒これ
れに勝る価値はない。
個々の 成長
からも変化し続ける市
場で︑科学的根拠をも
とに︑品質を維持しな
がら︑コストマネジメ
ン ト のP D C A を 全
員で回していかなけれ
ばならない︒ す﹂ ︵ 吉末さん ︶
2 10
﹁ 目標を達成して終わ
り︑ではなく︑生産現場を常に最適
社員のモチベーションを 重視する経営
製造部の各部署内には﹁ 小集団 ﹂ と呼ばれるグループがある︒ 〜
働きやすい環境づくり︑更衣室の 5S︑危 険 予 知 活 動︑モ ノ を 探 す で改善活動が行われている︒
化し︑コストを下げる方法を絶えず
考え続けなければなりません︒それ
時間の削減など︑さまざまなテーマ
が習慣的に根づいた組織にするのが
最終的な目標です ﹂ ︵ 笠井さん ︶
﹁こうした活動によるモチベーショ
ンアップを大切にしています︒当社
年は︑全員に根づいた 2020 改善意識で︑競争力のある工場へと
5
人のチームで︑定期的に設定したテ
6
は経理理念の つとして﹃ 富士製薬
向かう︒
工業の成長はわたしたちの成長に正
比例する ﹄ということを掲げていま
す︒日頃︑決められたことを間違い
る改善活動になりました。工場トップが「絶対にやり切る」 という 富山市内にある富山工場。タイの工場 (OLIC) と 合わせて 100%の生産拠点だ
品ごとの採算はどうなっているのか、現場のどこにどのようなロス
が発生しているのか、1 つひとつ丁寧に紐解き、見える化・共有に
FSIP は、コストの実態を正確に捉えることから始まりました。製
全員で取り組みました。皆が同じ数字を意識することで一体感あ
いう課題の中で︑知恵を絞り︑アイ
デアを出し合い︑議論しながら高め
コストを見える化して全員で共有する
けでは︑成長しません︒改善すると
メッセージを発信し続けたことも、大きな成功要因と言えます。
執行役員 富山工場 製造部 部長
なくやることは重要ですが︑それだ
1
ます︒そのためにモチベーションは 不可欠です ﹂ ︵ 笠井さん ︶
C O N S U LTA N T V I E W
あっていくことが企業の価値になり
吉末 貴則 さん
神山 洋輔
医薬品メーカーは︑ 薬価が下がり︑ たとえ不採算製品となっても︑世の
C ase 0 4
19
Business Insights Vol.72
コスト競争力のある 工場の未来に向けて
チーフ・コンサルタント
JMAC デジタルイノベーション事業本部
- ▲TOP