ビジネスインサイツ74
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- RYOICHI
YAMAMOTO
実効性評価 ﹂の導入、社外取締役へ
締役会を客観的評価する﹁ 取締役会
とは、第三者機関を使って当社の取
さらに、決議ではなく﹁ 協議事項 ﹂
を設け、必ずしも 回の論議で決議
しました。
に事前説明を行う場を設けることも
ばいけないのです。
そういう取締役会にしていかなけれ
で﹁ 違う ﹂と言えるのが社外取締役。
行きたがりますが、そこを冷静な目
組みです。社長自身も解任される可
分の裁量で決めることができない仕
から、経営トップが自らの人事を自
など取締役の選解任を議論すること
ジ数も多い。取締役会は、 割が資
当時の取締役会資料は細かく、ペー
い方向で改めて取締役会に提案を
聞き、再度執行側で論議し、より良
役会にはかり、社外取締役の意見を
性が見えた生煮えの段階で一度取締
しないことにしました。骨子や方向
が、当社の取締役会の改革でした。
方向づけを決める場所を目指したの
高い視座で戦略を論議し、社外取
締役の知見を生かして会社の大きな
ら﹁ルビコン川を渡る︵ 一線を越え
私が指名委員会等設置会社に移行
したいと提案したとき、みなさんか
の事前説明、論議時間の確保です。
た。質問に答えるのも社長だけ。お
能性があるわけです。
よそ活性化された取締役会とは言え
し、決議をするということです。
料説明で 割が論議という状況でし
で戦略論議を行う時間を捻出するた
できる取締役会になったのです。
度となりました。侃々諤々の論議が
で出てきた課題すべてを取締役会で
ガバナンス改革は取り組むほどに課
取締役会の論議の時間は増えまし
たが、それで十分ではありません。
社に移行しました。
い た か ら で す。 何 度 も 議 論 し て
置会社が最善であると自信を持って
きではないか ﹂という意見が出てき
は指名委員会等設置会社に移行すべ
由闊達に意見を交わす中で、
﹁ 当社
外取締役です。完全にモニタリング
外取締役であり、委員の過半数は社
監査の法定三委員会の各委員長は社
役 名のうち6名が社外取締役とい
う体制になりました。指名・報酬・
ナンス委員会 ﹂を設置しました。自
ました。
とができます。
ですが、海外の投資家からは評価さ
す。一番多いのは監査役会設置会社
取締役会の場を有効にするための
い う と、 な か な か そ う で も な い。
しかし、体制が整ったからといっ
て取締役会の実効性が高まるかと
型のガバナンスに移行したと言うこ
れていないと感じています。
員 会 等 設 置 会 社 に し て も、社 外 取
ら意見を言えないような雰囲気や
仕 掛 け づ く り は 必 要 で す。指 名 委
もっとも少ないのが指名委員会等
設 置 会 社 で、 上 場 企 業 の 中 で も
締役が社長の顔色をうかがいなが
監査等委員会設置会社の つありま
日本企業の機関設計には、監査役
会設置会社、
指名委員会等設置会社、
2
0
1
7
10
社に満たないといわれてい
ます。法定の﹁ 指名委員会 ﹂が社長
3
かんかんがくがく
めに、取締役会に付議する基準を見
論議できないため、社外取締役、社
JFR経営塾などを開始
●
経営人財評価の活用
●
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0
0
M
&
A
など
M
&
A
経営人財のあるべき姿
●
年に指名委員会等設置会
私が社長時代に提案した
が、
﹁これはやるべき
ではな
経営人財の育成
題が出てきます。毎年の実効性評価
直し、
議案を絞りました。たとえば、
い ﹂と社外取締役から棄却されたこ
委員会における改革
決議を要する金額基準を引き上げた
指名委員会等設置会社への移行
ということです。また、当日の説明
エグゼクティブセッションなど)
など
サクセッションプランの客観性・透明性の強化
●
役員報酬制度の見直し
●
指名委員会における経営人財評価を強化
●
など
社外取締役の拡大
●
法定3委員会・委員長に社外取締役
●
監督と執行の分離による経営監督機能の強化
●
など
移行後は、段階的に社外取締役の
割合を増やし、今年の総会後は取締
●
社外取締役の知見の最大活用(ガバナンス委員会、
長、取締役会議長で構成する﹁ガバ
●
取締役会実効性評価
ともあります。執行側は前へ前へと
ナンスの方向性は、指名委員会等設
れを選びました。当社が目指すガバ
よ ﹂と言われました。しかし私はそ
る ︶決断ですよ、後戻りできません
ません。そこで取締役会を﹁ 戦略を
8
に着手しました。限られた時間の中
2
8
指名委員会等設置会社に
移行した理由
論議し、決定する場に変える ﹂こと
割
このような取り組みの結果、
だった論議の時間が 割から 割程
1
6
2
取締役会改革
時間を短くするために、社外取締役
コーポレートガバナンス改革の
主な取り組み
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Vol.74
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