ビジネスインサイツ74
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- 風 土 が あ っ て は 意 味 が な い。当 社
で は、社 外 取 締 役 が 情 報 共 有 す る
場として﹁エグゼクティブセッショ
ン﹂を設けています。必要に応じて
監 督 と 執 行 の
分離の重要性
できるので、社長は思い切って業務
指名委員会等設置会社は、業務執
行の決定を執行役に委任することが
見 交 換 し、取 締 役 会 で の 議 論 が 活
を進めていくことができます。その
社長や取締役会議長も参加して意
性するよう取り組んでいます。
代わり、監督側は厳しい目で執行を
監督するわけです。執行と監督の分
離がかなり明確になっています。
私の中で、これがとても良い結果
を 生 ん だ と 思 っ た の は、
い こ と が あ る。 そ う い う
ときに﹁ 正しい判断をしな
さい ﹂とアドバイスするの
が、 取 締 役 会 の 監 督 責 任
なのです。
企業変革を表す
コングルエンシー
モデル
下図が示すのは、企業変
革のモデルです。内部、外
直し、後日説明すると約束する中、
主に対し、中期経営計画の骨子を見
難しい状況になりました。私は、株
ま現中期経営計画を推進することが
年のことです。コロナ禍で、このま
もありません。組織風土の
果が出るかというとそうで
ん。しかし、それだけで結
えないとうまくいきませ
きには、組織やルールを変
め、仕事や業務を変えたと
部の環境は常に変化するた
月に社長を退任。新社長は、中計
では、
﹁ 中計は後回しにして、今は
陥 り ま し た。こ の と き の 取 締 役 会
に当てはめてみます。指名委員会等
方です。これをガバナンス改革の話
が、コングルエンシーモデルの考え
相まって、成果に結びつくというの
ることも重要です。すべての変革が
そ成果につながります。そして、企
できる強い現場力は両輪で進めてこ
を育てる ﹂こと。優れた戦略と実行
﹁ 大きなビジョンを示す ﹂ことと﹁ 人
え し ま す。も っ と も 重 要 な 仕 事 は
かすのに必要だと感じたことをお伝
な改革を進めてきた中で、会社を動
環境・資源・歴史
構造改革を急ぐべきだ ﹂との意見が
設置会社に変えるだけでなく、企業
業に変革を起こすには最初の ミリ
変革や企業文化の変革が不
あ り ま し た。社 外 取 締 役 は 現 実 を
風土、取締役会の文化を変える環境
が大切です。どんなに大きな岩でも
の骨子見直しに取り組むわけです
し っ か り 見 て い る の で、執 行 側 が
づくり、社外取締役や執行側の能力
可欠です。人材の育成や能
見たくない現実もはっきりと指摘
の発揮も必要です。それらが相まっ
が、新 型 コ ロ ナ に よ る 緊 急 事 態 宣
し ま す。そ の と き に、執 行 と 監 督
力アップなど、感情に訴え
が分離していることは非常に重要
て、ガバナンス改革が成功するとい
言 が 発 出 さ れ、大 丸 松 坂 屋 も パ ル
な こ と だ と 実 感 し ま し た。執 行 側
ます。ぜひ初動に全力を尽くしてく
・人の育成
ださい。
日間営業ができない状態に
・モデル構築
・顧客支持
う仕組みなのです。
ミリ動けば転がり、加速していき
1
コも
⑥成果
は 現 状 延 長 線 上 で 頑 張 り ま す が、
フィードバック
・業績
③公式組織
・ルール
②仕事
・業務
①戦略・目標
④人間・感情・能力
・顧客価値の実現
⑤組織風土・文化
アウトプット
組織の構造化と運営プロセス
年間、さまざま
最後に、私が約
経営を変え、大きなフレームで企業を変える
「コングルエンシーモデル」
1
50
インプット
2
0
2
0
没入してしまい全体を俯瞰できな
24
本稿は2022年9月8日(木)に開催した「JMACエグゼクティブクラブ」における山本良一氏の講演を再構成したものです
Business Insights Vol.74
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