ビジネスインサイツ75
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- CX- CA R G O
C O N S U LT I N G C A S E 3
部署に応援に行けるレベルは身に着
保管がすごく効率的になりました ﹂
しまった。ワークサンプリングは顕
点。うまくやろうとして遅くなって
﹁ 以前から手が余っている人がいる
︵ 宍戸さん ︶
著な例です。データを採ったからと
いたと思います。コンサルティング
という認識はありました。ただ、当
は良い機会でした。あのまま普通に
いって、実はその 日には個々に今
時はそういう人を他の作業に割り振
改革を開始して半年で
大幅なコスト削減を実現
だけに特化しただけでしょうから ﹂
作業していたら、自分の部署のこと
の︵ 他部署との ︶連携がなく、他部
このほか改革は〝モノ︵マテハン・
保管機器 ︶
〟にも着手した。その一
る場所がなかったんです。縦とか横
署への人員調整という考えもなかっ
例 が 棚 の 増 設 だ。 倉 庫 の
が
た。しかも応援を送っても習熟度が
激増したことを受けて、新たな棚を
一 方 で、
もっと細かいデータがほしくなる。
は、 デ ー タ を す
な言い訳があるはず。 そうなると
人、モノ、そしてスタッフの〝 心 〟
を整理整頓しながら進めた物流改
月は約
ぐ分析して、いったん方向性を仮定
して、物事を進めて検証する。その
年
万円の赤字だったところ、
速さが私には不足していた。間違え
改革を始めた
革。損益の推移︵ 左図 ︶を見ると
日は体調が悪かったとか、さまざま
1
J
M
A
C
万円の赤
11
低いと戦力にならない。効率的な人
員管理ができていませんでした。
に対応した棚の数が足りな
設けることにした。
﹁
を見極めるようになり、玉野課長の
送ってもある程度作業ができるなど
多品種の商品が多々あったので、段
も取ります。しかも通販業態は少量
簡単に増やせないし、大きくて場所
かった。従来のパレットラックは、
﹁ 私に厳密なデータを取ってから
宍戸さん自身の意識にも改革が
あったと語る。
を実現した。
意識改革は浸透した。社員たちは明
改革が進んだ現在でも、赤字解消
や人員整理など課題は残るものの、
改革を始めた 2021年 11月から徐々に状況が好転。荷役単体の
損益は赤字のままだが、その幅は確実に小さくなっている
&
から学
J
M
A
C
最初に通販センターを見せていただいたときは在庫がトラッ
クバースにまで溢れており「これは難易度高いぞ」と覚悟し
ました。当初は短期策を中心に検討しましたが、やはり現
場実態の定量把握が必要と考え稼働分析を行い、そこか
ら改善が回るようになりました。分析が進んで改善案が具
体的に出始めると、初めは懐疑的だったメンバーのみなさ
んも徐々に主体的に関わるようになり、最終的に今回の成
果につながったと思います。JMAC はヒントを出しただけ
で、ここまでの改革が実現できたのは現場のみなさんの努
力あってのことです。
ラーのマインドを
広瀬卓也(ひろせ たくや)
シニア・コンサルタント
びました ﹂
C O N S U LTA N T
エ
話にもあったように手順書を準備し
ボールを買ってきて簡易的な小さい
じゃないと正しい手が打てないとい
日を見つめて日々励んでいる。
5月度
4月度
3月度
2 月度
1月度
12 月度
荷役損益
労務費
荷役収益
た ら や り 直 せ ば い い。ト ラ イ
て、応援先でもある程度のレベルで
在庫棚を大量につくってみました。
う思い込みがあったのが大きな反省
損益の推移
荷役収益と労務費のみで比較
字。わずか半年で大幅なコスト削減
作業ができるようにはなりました。
都合 万棚増設したことで、集品や
写真上:整理整頓された現在の倉庫。
写真下:かつて 50 人以上が作業していた現場。
現在は作業員数ゼロ
個人的な結果で言うと、私自身の
作業知識が増えましたね。各方面の
翌年5月には約
9
0
0
0
S
K
U
サンプリング後は、他の作業場を
よ く 見 に 行 っ て、こ こ な ら 応 援 を
2
0
2
1
2
5
0
0
11月度
※社名・役職名などは取材当時(2023 年 2 月)のものです。
Business Insights Vol.75
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to
C
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