ビジネスインサイツ77号
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- り参考にならないということもある
用の拠点から出たアイデアは、あま
観がプロジェクトメンバーのベー
後ろ姿から感じ取ってきたこの価値
バーたちとのやりとりもやりがいを
技術があるか学ぶことも若いメン
き姿に近づけるために、どういった
い。各施策を整理、とりまとめて発
管理職がその意見を代弁する形がい
をプロジェクト内で共有するには、
ば、現場から反発が出ても不思議は
たなプロジェクトを強引に走らせれ
とはいえ、慢性的な人財不足のな
かで生産性や品質を維持しながら新
いる気がします ﹂
︵ 多賀谷さん ︶
側がレ
きているのか解析し仮説を立てても
く、今起きているトラブルがなぜ起
クチャーして施策を進めるのではな
は ボ ト ム ア ッ プ。
自動化、省人化のためのシステム
やツール導入においても、貫いたの
話す。
持って取り組めるようになった ﹂と
ス に あ る か ら、ボ ト ム ア ッ プ 型 の
プロジェクトを推進できて
表するのは課長、係長の役割だとい
ない。そこで現場全員が腹落ちする
ように、忙しさやたいへんさを把握
﹁ 初めのほうのミーティングでは、
な業務量を調査。計量から包装・梱
生産、設備保全、事務作業など詳細
に業務工数の﹁ 見える化 ﹂を進めた。
さん ︶
できるようになりました ﹂
︵ 多賀谷
のオペレーターが具体的にイメージ
業務がなくなる 〟ということを現場
との話し合いの場では岡部さんに任
チャーしたうえで、実際のベンダー
テップで進めるかを事前に十分レク
ら っ た。 加 え て、 要 件 定 義 は ど の
なかなか発言する人がいなくて何で
包工程といった製造中の時間を対象
てもらうためだ。
せた。
﹁デジタル人財 ﹂として育っ
よ う な 観 点 を も ち、ど の よ う な ス
もいいから頭に浮かんだことを伝え
に 稼 働 分 析 を 実 施 し た。そ れ ら の
データをもとに改善の対象を絞り込
と、 近 藤 さ ん は 隣 に い る
部群馬工場製造一課係長の多賀谷敬
いうこと、何を伝えなければいけな
をするのではなく、やりたいことを
﹁ベンダーとのやりとりは“買い物 〟
いのかなど実地で学んでいきまし
みなど、
改善の方向性を導き出した。
作業がラクになることが数値化さ
れ、現場に腹落ち感は生まれた。た
た。ベンダー 、 社とやりとりを
具体的には、
﹁ 帳票記入・転記業務
だそれだけでは、これまでの改善活
介さんを見て笑う。それでも2カ月
動と大きな違いはない。
﹁ 最新技術
経ったころには、現場の課題認識や
削減できる ﹂
﹁ 設備情報を自動収集、
するのにすべてひとりで抱え込み、
志を持ってあるべき姿に近づいてい
できて、自分自身で考え成長し、意
従業員一人ひとりが安心して仕事が
で新たな気づきもありました。製造
し若手を活動に巻き込んでいくこと
ましたが、ひとりじゃ無理だと実感
たいへんな状況になったこともあり
自由闊達な議論の場ができあがって
くことが必要だ ﹂と近藤さんは考え
のオペレーションだけに特化すると
伝えて形をつくってもらうことだと
現場で監視することなく遠隔操作・
は導入した先から陳腐化が始まる。
の関与人数を減らし総工数比率を
いった。
遠隔監視によって移動時間の総工
や自動化でどのくらい作業がラクに
ている。それに応えるように、エン
%削減できる ﹂など、デジタル化
ピードカメラを群馬工場にいち早く
なるかを数値で可視化した。
ジニアリング部門の係長で
ことで新しいことに着手する一時の
り、岡部秀紀さんは﹁ 工場をあるべ
プロジェクト推進メンバーのひと
に挑戦し、自分の考えや意思を伝え
くなることがあります。新しいこと
ける設備のトラブル解析でハイス
導入したのも近藤さん。みんなと同
りました。ですが業務を数値化した
﹁ここにいちばん時間と手間がかか
る。こうしたことに価値をおいてい
苦労はありますが、
“ 自動化でこの
仕事のやりがいや楽しさがわからな
じではなく間違ってもいいから誰も
下げると移動時間を
下げることで業務量は
﹁ 現場で近藤さんの後ろ姿をみんな
数比率を
60
.
9
%
考えつかないようなことにも挑戦す
3.8
%
60
る人だと知っています。近藤さんの
d
f
X
6.5
%
ンバーそれぞれから意見が出てくる
ずっと見てきました。高速で動き続
5
6
成長できる工場で
人財を育てる
本
後ろ姿で感じたプロジェクト
オーナーの価値観
うことを最初に徹底した。
るなかで拾い上げた率直な現場の声
かもしれない。それぞれに背景があ
dfX プロジェクトマネジャー・西井直之さん
て欲しいと言ったことがあるよな ﹂
し取り組みの成果を理解するため
J
M
A
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d
f
X
ありたい姿についてプロジェクトメ
S
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Vol.77
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