ビジネスインサイツ77号
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- Shikishimaseipan
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労働環境の変化で
﹁ 守りの活動 ﹂に課題
敷 島 製 パ ン・ 犬 山 工 場 は、 中 京
圏 の 市 場 を 中 心 に 食 パ ン、菓 子 パ
ンなどの主力製品を供給する重
要 な 役 割 を 担 っ て い る。
推進部長の田中友基
して再出発した。取締役・上席執行
などは工場側が事前に準備し、当日
れまでのコンサルティングでは資料
さんは、その背景をこう語る。
メントや講評をするという形式が
説 明 し た 後、コ ン サ ル タ ン ト が コ
は工場側からテーマごとの活動を
役員で
活動に割ける人員や時
中 心 だ っ た。 新 体 制 で は、 工 場 側
で、
﹁ 導入時に比べ省人化が進んだこと
間が減り、従来の体制を維持できな
と
い、コンサルティング当日はワーク
の双方が事前準備を行
くなってきました。また、雇用の流
ディブローのようにじわじわと効い
お ろ そ か に な る と、そ の 影 響 は ボ
設備保全のような﹃ 守りの活動 ﹄が
もらうことが難しくなっています。
が認定する﹁
活動のゴールも変えた。これまで
は、日本プラントメンテナンス協会
向となった。
ントと一緒に課題を解決していく方
中心とした時間にして、コンサルタ
ショップを含むディスカッションを
てきて、故障によるラインの停止な
賞を獲得することが当面の目標とさ
の支援
敷島製パンのもうひとつの課題
は、工場ごとのレベルのバラつきを
年にわたって
難ながらも本当に重要な部分に活動
れてきた。しかし、次第に審査のた
改善することだ。犬山工場を含む
がフォーカスされました ﹂
きた。
うした課題を克服するための新体制
めの資料や帳票を整える作業にばか
り追われがちになり、実態が伴わな
カ所の﹁モデル工場 ﹂で積み重ねら
ひとりで複数の部会長を兼務するな
得ることは出来ません。一方で、よ
な成果は出ますが、継続的な成果を
の生産性を改善しても短期間で大き
活動を進めていくことになった。
場の進捗状況と歩調を合わせながら
回、
﹁ 横串定例会 ﹂を行い、他工
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ない。新体制では、主力製品など困
ねられて、成果を出すのは簡単では
﹁コア・ノンコア分析 ﹂だ。
﹁コア・
品質管理、労働安全、人材育成 ︶に
の関与のあり方も、
﹁指
インは、すでに多くの改善が積み重
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年からは活動内容を
る。現在は、モデル工場以外の工場
れた知見は、
﹁ 敷島スタンダード ﹂
値による指標で成果を見ていくこと
でも、
﹁ 敷島スタンダード﹂の実践
くなる傾向にあった。新体制では、
にした。犬山工場長の谷本和隆さん
が進められている。
というテキストに随時まとめられて
活 動 で は、 コ
これまでの
スト改善、自主保全などテーマごと
は次のように語る。
より直接的に経営上の利益を上げる
に つの部会に分かれて活動してい
﹁ 約 カ月ごとに入れ替わる新製品
いき、全国に ある工場に共有され
たが、課長クラスが就任すべき部会
ことを目標とし、労働生産性など数
長の人数が工場によっては足りず、
ど無理が生じていた。新体制では、
り利益向上に貢献する主力製品のラ
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部会を つ︵ 生産革新、設備保全、
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統合し、組織をスリム化した。
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活動 ﹂と
TPM推進部長・田中友基さん
が、
大きく変更した﹁ 新
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また、部会の活動はこれまで各工
場で完結していたが、新たに年 ∼
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﹁ 指導 ﹂から﹁ 支援 ﹂
へ
目指すは生産性向上
でリスタートすることにしました ﹂
約
年に導入。以後、
を受けながら、生産システム上のロ
どのリスクが高まってきます。コロ
とも早い
スをなくして継続的な生産性向上と
ナ禍が落ち着いたタイミングで、こ
優秀賞 ﹂などの
収益確保を目指す活動に取り組んで
経 営 ︶も、同 社 の 工 場 の 中 で も っ
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による
コロナ禍により
支援は全工場で 年ほど中断した
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犬山工場長・谷本和隆さん
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︵
動化によって非正規や時短の従業員
Total
Productive
Maintenance
の割合が増え、一律の教育を受けて
&Management 生 産 保 全 の 生 産
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そして、さらなる生産性向上のた
めに今回新たに導入された手法が、
導 ﹂型から﹁ 支援 ﹂型へ改めた。こ
Business Insights Vol.77
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