ビジネスインサイツ77号
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- Shikishimaseipan
C ONSULT ING C A SE 2
は多くの点が改められた。だが、長
月からの今期に入っ
でもっとも多かった故障の回数が、
アイデアを求めたり、他社の成功事
についてコンサルタントに具体的な
ました ﹂
年までに
る前の段階では一時的に点検項目が
やっているのですが、効率化を進め
の負担を少なくしたいという思いで
﹁
﹃やらされ感 ﹄をなくしたい、工場
も少なくない。
田中さんはこう語る。
は、社内から反発の声があがること
が、少しずつ意識が変わってきた成
だ満足できる数字ではありません
てもかなりラクになります。まだま
からそれが少なくなると、体感とし
どの対応に追われて本当に大変です
﹁ 故障が立て続けに起きると修理な
障ゼロの月も 回あったのだ。
て全工場の平均レベルまで減少。故
成することが目的化していた面があ
﹁これまでは発表のための資料を作
う。
なものになってきたと感じるとい
も、従業員からの反応がより積極的
がとれるようになったのだ。谷本さ
綿密に双方向のコミュニケーション
ます。そうした
た自分たちの利益として戻ってき
としてそれが会社の利益になり、ま
い る。 新 た な
にするという野心的な目標を掲げて
年
増えますから、現場としては負担が
果が出始めていると思うと、達成感
ん は、
ある
活動の小集団
活動を通した
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改革の道のりは、まだまだスタート
によって労働生産性を上げ
したばかりだ。
﹁
れば自分たちもラクになるし、結果
の考え方を、
りましたが、
新体制になってからは、
してもらうことが一番大切です。教
頭ごなしではなく従業員自身に理解
育には、とくに力を入れていきたい
す。しかし目標達成のために活動そのものを革新の道具と
考え、どのように使うかは時代と共に精査する必要があり
ます。Pasco の「新 TPM 活動」はまだスタートしたばかり
ですが、新たな手法を活用したロス改善が「今までと違う
活動」の象徴にもなっており、目標達成のアプローチや活
動の雰囲気は徐々に変わってきました。これからも Pasco
の一員であるといった思想で、同じ目線に立ち、議論を重
ね、ありたい姿を追求するために、一緒に改善を進めてい
きます。
30 年もの歴史がある活動を一新するのには勇気がいりま
ですね ﹂
︵ 谷本さん ︶
チーフ・コンサルタント
た生の声を出してくれるようになり
鐘ヶ江 克則(かねがえ かつのり)
﹃こんなところに困っている﹄
といっ
C ONSULTA N T
援 ﹂型になったことも、良い変化を
より具体的に﹃ やって良かった ﹄
、
に年に 度行っている工場長診断で
倍
増えたと感じるかもしれません。理
があります ﹂
︵ 武内さん ︶
年比で
論的に正しいことを言うだけでは、
く続けてきたやり方を変えることに
敷島製パンは
労働生産性を
人は動かない。最後は、熱意を伝え
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P
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コンベアーを 動 かすモー
ターの電流の異常値を検知
するとランプが光って知ら
せる。点検の時間を省きつ
つラインの停止を防ぐ
生んでいる。設備保全の改善点など
異常検知モニター
●
オイルゲージの「見える化」
犬山工場では、目に見える成果が
出てきたことで現場の雰囲気も変わ
ねじをゆるめて金属のカバーを取り外さないと確認できなかったミキサーの
金属カバーに開閉式の小窓をつけることで、オイルゲージの点検の手間を
大幅に省力化
り つ つ あ る。こ れ ま で 全 工 場 の 中
点検の省力化
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例 を 紹 介 し て も ら っ た り と、よ り
るしかないと思っています ﹂
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から一方的に指導を受
ける形ではなく、一緒に考える﹁ 支
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記事内容に関しては、取材時
(2024 年 4 月)のものです。
Business Insights Vol.77
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食パン、菓子パンなどの主力製品を製造する敷島製パン・犬山工場
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