ビジネスインサイツ77号
- ページ: 20
- ものづくりフォーラム@名古屋
成果を出す3つの提言
∼『 生産技術者の未来実態調査 』報告∼
日本の製造業はイノベーションを起こしきれていないのではないか。
そこで、イノベーションのコアであるはずの
「 生産技術 」に特化したアンケート調査を行い、
その結果報告とJMAC からの提言を行った。
JMAC
生産コンサルティング事業本部
シニア・コンサルタント
山本 真也(やまもと しんや)
●
回答企業
プロファイル
業種分類で見ると装置系は
「3% 未満」がもっとも多く、約 50%
加工・組立系が
「3% ∼ 5%」がもっとも多く約 30%
● 業種間で差が生じている
●
加工・組立系、プロセス系幅広く回答
● 売上規模も規模 4 分類で 25% 程度ずつの回答
● 全社における生産技術部門人数は 3% 未満がもっとも多い
J
M
A
C
競争力がある生産技術部門の
要件を満たすために
日本の製造業の生産性研究を行っ
ている
は﹁ 企業の持続的成
長にはイノベーションが不可欠で、
ものづくり機能の中核を担う生産技
術部門がその核になる ﹂と考えます。
しかし、生産技術に特化したベンチ
マークはまだ少なく、課題把握や情
報発信が難しいのが現状です。生産
技 術 者の 活 躍 は 業 績 良 化 に 貢 献 度
が高いはずですが、現場では専門性
の調 査で
に寄りすぎて、スループットで見る
く あ り ま せ ん。
J
M
A
C
●
ことができないなど、改善点は少な
は、業績が良い企業は﹁ 社内的に生
産技術部門の認知度が高い ﹂ことに
強い相関があり、将来に向けた生産
技術の開発を推進していることがわ
かりました。そこで生産部門に所属
結果、競争力がある生産技術部門の
される方にアンケートを実施。その
要件として﹁ものづくり戦略 ﹂
﹁ 生産
4
﹁ 生産技術部門の課
技術部門の役割 ﹂
導き出しました。しかし各要件には
﹁ 人材育成 ﹂︵ 下図 ︶の 分類を
題﹂
﹁ 財務目標やスローガンだけになって
遅れの実態 ﹂などの課題が残ります。
﹁ 取り組み
いる ﹂
﹁ 数字が下流傾向 ﹂
生産技術部門の機能強化のためには
長期視点の戦略や業務改善、人材育
から つの提言を行います。
3
成などが不可欠。調査結果を踏まえ、
J
M
A
C
N 数 : 207 件
●
生産技術部門の成果を測る4つの要素と3つの提言
成果を創出している
ものづくり戦略
● 具体的な改革を示すものづくり戦略
● 戦略内容の充実度・達成度
生産技術部門の役割
● 生産技術部門のあるべき姿
● 将来的業務の役割合致度・発揮度
生産技術部門の課題
1
提言
成果
成果創出と関連性のある要素
提言
図の中央は成果の関連要素を分類したもので「ものづ
くり戦略」
「生産技術部門の役割」
「生産技術部門の
課題」
「人材育成」の 4 分類とした。これらの要素か
ら、図右の提言「戦略」
「役割」
「育成システム」が導
き出された。今回の調査結果を踏まえ、ものづくり全
体のさらなる発展・成長とその中核を担う生産技術部
門の機能強化のための 3 つの提言について、次ペー
ジから詳細に示す。
2
ものづくりの構造変革を
実現するための
「戦略」
を描け
生産技術部門の
「役割」
を
変革せよ
● 課題先取りと着実な取り組み
● 生産技術独自の要素の織り込み
● 人材育成手段の充実度
提言
人材育成
3
生産技術独自の
「育成システム」
を確立せよ
Vol.77
20
- ▲TOP