ビジネスインサイツ JMAC40周年記念特別号
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- 経営者が考えるグレート ・ リセット
うと︑その情報を見たときに︑適 切な意思決定をし︑アクションを 起こすためのノウハウを身につけ なければなりません︒IIJ の 人々が在宅勤務になり︑新しい服 を買わなくても済むことに︑多く の人が気づきました︒これから想 定できる消費者動向は︑本当に必 要なものを︑必要な分だけ︑必要 なときに買うスタイルになるとい うことです︒ ﹁ 適時︑適材︑適量 ﹂ のものづくりが︑グローバルビジ ネスのポイントとなり︑どこに縫 製の需要が移るかを考えながらビ ジネスを行う必要があります︒ るというビジネスモデルが受け入 れられない時代に入りました︒今 回のコロナ禍を契機に︑デジタル テクノロジーによって﹁ 少ない労 働力を使って︑よりよい商品を早 く提供できる国はどこか ﹂という ような動きになると思います︒こ れは予測ですが︑大きく市場が変 化したときにこそ︑楽観的な予測 すると︑2030 年以降およそ 億トンが廃棄されます︒衣料品 をたてずに︑今どういう準備をす るべきかを考え︑さまざまな業務 鈴木さんがおっしゃったように︑ インターネットという革新的な技 術があるので︑考え方も含め︑仕 組みからガラッと変えていくアク ションが必要だと思います︒ ます︒そして︑コロナで世界中の 破壊産業であるとまで言われてい
まな意味で︑石油産業に次ぐ環境
カムラさんもSD Gs︑ESG
の違いです︒日本人はマーケット
について関心の高い企業だと伺っ お考えでしょうか︒
全体といっても 億人超︒この程
ています︒中村さんはどのように
度の規模で考えがちです︒たとえ
ば100 円のソフトウェアを世
中村 私どもの業界でもオフィス
界で 億の人が毎月使ってくれる
家具のリサイクルは課題です︒鉄
と︑どれほどの売り上げになるの
やアルミ︑プラスチックの主な原
か︑という発想にはならない︒地
材料は︑リサイクル率は高いので
球上のマーケットを見ながら︑人
すが︑問題は売れない製品をつく
材育成をする︑あるいは事業をつ
グローバ ルの視点で 人材育成をどう考えるか
松田 さて昨今︑コロナ禍による アパレル業界の衣料品の大量在庫 ルに起こりつつあるビジネス環境 の変化をにらみ︑たとえば過剰な 供給とエシカルな消費の増加な ど︑どう捉えるべきか︑大谷さん にお聞きしたいと思います︒ 大谷 世界の衣料品の消費と生産 の乖離というのは︑コロナ前から 大きな社会問題になっています︒ 現状どおりアパレルの生産が推移
ってしまうこと︒それらの廃棄は
くっていくというような大きな視
環境的にもなくさなければなりま
座を︑企業は持たなければなりま
せん︒リサイクル率を高めて︑売 ていく努力も必要です︒
せん︒ はじめから世界市場を見て︑
れる製品を製造し︑無駄をなくし
どういう人材が必要かを考える必
要 が あ る︒会 社 のI T 化 の た め
問題が問われています︒グローバ 安い労働力を使ってものをつく
こ れ か ら 企 業 は S D Gs や
に人材を育成するというような狭
ESG が ひ と つ の 評 価 尺 度 に な
い視野では︑これからのグローバ
ってきますから︑ある程度目標を
ルビジネスは展開できないように
決めて︑環境にやさしいものづく
思います︒
りのための投資を継続的に進めて う経営の観点だと思います︒
松田 中村さんは人材育成につい
いくべきです︒そこが従来とは違
てはどのようにお考えですか?
中村 当社で行っているのは︑プ
松田 ありがとうございます︒で
ロジェクトを立ち上げ︑それに参
は︑グローバルビジネスと人材育 はどのようにお考えですか︒
加してもらう人材育成です︒プロ
成について︑IIJ の鈴木さん
ジェクトで異なる領域のメンバー
と解決策をしっかり議論する︒そ
鈴木 たとえば︑GAFA のよ
して︑こうやればいいということ
1
の廃棄では︑ 燃やせば大気を汚し︑ 土に埋めると土壌を汚す︒さまざ
改革を行う必要があります︒ 松田 ありがとうございます︒オ
うな企業と日本企業の違いは︑マ
を身をもって体験することが︑人
ーケットを見るスケールそのもの
間の成長にとっては重要だと感じ
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JMAC 40th Anniversary
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