ビジネスインサイツ JMAC40周年記念特別号
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- 経営者が考えるグレート ・ リセット
」 への思いと未来へ向けたメッセージ
能動的な意思が 次の時代を切り拓く
株式会社オカムラ 代表取締役 社長執行役員
﹁ Boys, be ambitious﹂ 大志や夢が未来をつくる
株式会社インターネットイニシアティブ 代表取締役会長 兼 CEO
中村 雅行 氏
鈴木 幸一 氏
かつてオフィスは処理する場所でしたが、今は思考す る場になりました。しかし、ただ単にオフィ スを変えれば 生産性が上がる、新しい発想が起こる、というものでは ありません。 コロナを経験した今、家庭でのリモートワークとセンタ ーオフィスへ出勤という区分けに応じ、仕事の内容を見 極めようという流れになっています。米国には"Loose
「 究極の分散は、究極の集中につながる」 。私は以前か らインターネッ トの本質をそう捉えています。今では昔の 大型コンピューターと同程度の処理速度をもつスマホを、 誰でも日常的に使える社会になりました。世界中に分散 したデータにどこからでもアクセスできるようになったの です。一方で監視状態をつく り出すことも容易です。 つまり、通信と情報が同じ技術基盤になったインター ネッ トは、既存のあらゆる仕組みを根本から変えてしまう 巨大な技術革新と言えるのです。 インターネッ ト黎明期のころ、スティーブ・ジョブズな ど若い事業家たちと交流しましたが、彼らにはインターネ ットによって世界中の人が情報共有できる社会をつくる という志がありました。あのころ米国政府は、これから は製造業ではなく情報通信技術で世界の覇権を握ると言 っ ていたのです。 この巨大な技術革新で、次に何が起こるのか。たとえ ば、人工知能 ( AI) を限られた領域ではなく、産業や社会 全 体 で 使うと 想 像したらどうでしょう。 「Boys, be
Furniture"という言葉がありますが、仕事の質に合わせ
て環境を変えるオフィ スも出てきています。 つまり、新しい価値を生み出すには、個人が集中でき る環境 (Focus) と、さまざまな人のアイデアや意見が交 わる場 (Collaboration) の二つが必要なのです。 だからと言って、この二つを織り込んだ環境を整えて、 デジタル化を進めたとしても、組織の中にイ ノベーション が起こるとは限りません。知識と経験に加え、たとえば、 数字を見ておかしいと言える、感性豊かな自立した人材を どれだけつく れるかがカギなのです。 経営者も同じではないでしょうか。決める、選択する、 そして実行する。それらの意思をどれだけ能動的に持て るかです。その意思で、次の時代へのイ ノベーションの扉 を開くことになるのです。
ambitious」世界の主導権をとり続けようという野心、
本田宗一郎、井深大のように世の中を 「こ うしたい」とい う思いが、未来をつく る原動力なのです。
JMAC 40th Anniversary
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