ビジネスインサイツ JMAC40周年記念特別号
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- 会社のためになると信じることなら、
経営企画の面白いところです。
ソニーのような規模の企業にな ウトカム を分子に置き︑そのア ウトカムをヘルスケアシステム全 体が提供するのに必要なコスト︑ つまりリターン・オン・インベス トメントという考え方です︒この 価 値 を つ く り︑ お 届 け す る の が もっとも重要なミッションだ︑と いうことが会社の隅々まで行き渡 るようにしています︒ 2018 年にリリースした経 営戦略では︑医療用医薬品にビジ ネスを集約し ﹁F r ea oc u sA アプローチ﹂を掲げています︒市 場に投入している製品のオペレー ショナル・エクセレンスを徹底的 に追求し︑現業からキャッシュを 生む︒そのキャッシュを元に︑治 療領域ごとの研究開発をもっと追 いかけ︑患者さんの価値に変えて いくという追いかける順番をひっ くり返す考え方です︒そして︑医 療用医薬品を超えて患者さんに とっての本当のアウトカムにつな がる取り組みに挑戦しています︒ ると︑全体の戦略を一つにまとめ るのは非常に難しい部分がありま す︒しかし︑その中でトップマネ ジメントとして︑どういう方向に 会社を持っていくのかを考え︑そ れに各事業のベクトルを合わせて いくような提案をするところが経 営企画の重要な役割ではないで しょうか︒ 富永 小林さん︑ありがとうござ います︒ソニー改革の一端が見え た気がします︒では︑アステラス 製薬の岡村さんはいかがですか︒ 岡村 弊社は2015年に ﹁ 変化 する医療の最先端に立ち︑科学の 進歩を患者さんの価値に変える ﹂ というビジョンを打ち立て︑経営 計画に展開しています︒ そこでは︑ ﹁ ﹃患者さんの価値﹄ とは何だろう﹂ と一度立ち返りました︒これを統 一しておかないと︑価値の捉え方 が︑ いろいろ出てきてしまいます︒ たとえば︑営業部門や研究部門が 体として困るので︑価値の共通定 義を定めました︒それは︑患者さ んにとって 本当に意味のあるア
それぞれの部門の解釈では会社全
VALUE という言葉を全
社員が使うようにしているので︑ きわめて実効性の高い経営計画を つくっていると自負しています︒
何でもやれるのが
(現・アステラ 1986 年、山之内製薬 ス製薬) 入社後、経営企画や事業開 発を担当。2010 年に 40 億ドルを投 じた米 OSI ファーマシューティカルズ の買収などを指揮。 2019 年より現職。 経営戦略、財務を担当。
岡村 直樹 (おかむら なおき) 氏
アステラス製薬株式会社 代表取締役副社長
JMAC 40th Anniversary
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