ビジネスインサイツ JMAC40周年記念特別号
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- 念が表明されてきた︒ひとつは経
に︑あたかも変化がなかったもの
営企画部門は企業変革を推進する
として経営が行われる危険性が高
部署であるべきなのに︑中計で疲
まるということだ︒ 年計画を持
弊しているというものだ︒その中
ちながら︑一年ごとに変化を織り
計が有効であればまだしも︑中計
込むローリングを行っている企業
はかえって変化対応力を劣化させ
は多いと思うが︑ひそかに進行す
るのではないか︑ との問題提起だ︒
る地盤の変化を早めに捉えて計画
まず︑ 年という時間枠が大きな
を大幅につくり直すまでのこと
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変革には短すぎる︑という指摘も
が︑ 年の途中でもできるだろう
ある︒この文脈で提案される代替
か︒クルマのモデルチェンジでは
案︑OKRは︑ 年後の目標︵オ
10
ないが︑メジャーチェンジは 年
3
3
と︑それに ブジェクティブ=O ︶
ごと︑マイナーチェンジは毎年︑
向かって進んでいることを示す具
というような定例になっていない
体 的 な 成 果︵ キ ー・ リ ザ ル ト =
か︒次の中計まで大幅な見直しを
の管理を︑より高頻度で行 KR ︶
待つことで失う 年︑ 年の意味
1
うのがよい︑という考えだ︒その
は大きい︒
利点は︑短期の具体的な行動を︑ 点にある︒
長期の野心的な目標に結びつける
イノベーショ ンの 余地を奪っていないか
懸念
大薗 恵美 (おおその えみ) 氏
一橋大学商学部卒業。住友銀行勤 務ののち、ジョージ・ワシントン大学 で MBA 、一橋大学大学院商学研究 科博士後期課程を修了後、同大より 博士号 (Ph.D.) を取得。 早稲田大学アジア太平洋研究科客 員講師 (専任扱い) 、一橋大学大学 院国際企業戦略研究科専任講師、 准教授などを経て、現職。
一橋大学大学院 経営管理研究科 国際企業戦略専攻 教授
変化に硬直的な 計画にな っ ていないか
2
最後に︑中計は現場発のイノベ
ーションを抑制するのではない
か︑との心配もされる︒多くの企
次に︑変化に対応する柔軟性を
業が︑自社の存在意義や価値観を
懸念
3
失わせるのではないか︑との指摘
基盤として設定し︑ 年長期ビジ
定して︑前提条件が変わったとき
経営計画を設定し︑これを単年度
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Business Insights
だ︒向こう 年間の事業環境を想
ョンへの中継地点として 年中期
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