ビジネスインサイツ JMAC40周年記念特別号
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- 日本人が大切にしてきた 「清流の思想」 を経営に生かす サラヤが見据える未来
「衛生 ・ 環境 ・ 健康」 が不可欠な社会に。 Withコロナ時代を迎え 創業から一貫して、 その3 本を柱として事業展開してきたサラヤの成功は、 「生物多様性 」 の考えを経営に組み込んだことだった。
弊社は創業より︑ ﹁ 衛生 ・ 環境 ・ 健康 ﹂を事業の柱として︑ビジネ スを展開しています︒父が創業し た1952年ごろ︑日本では赤痢 が流行していました︒厚生労働省 の統計によれば︑ 万1000人 が赤痢になりました︒そこで︑手 洗い石けん液を開発し︑商品化し たのがシャボネットです︒学校な どでの手洗いも習慣化されまし た︒ここから始まったのが私ども の ﹁ 衛生事業 ﹂ です︒ その後︑1970年代にヤシノ 河川の汚濁がかなりひどい状況で した︒石油系の界面活性剤は値段 が安いため︑非常に普及し︑その 排水により河川で泡がもうもうと 立ち︑魚が大量に死にました︒洗 剤に含まれるリンによって富栄養 化が起き︑河川の環境破壊が起き たのです︒ところがヤシノミ洗剤 て手肌にもやさしい︒これが﹁ 環 境事業 ﹂のスタートです︒このヤ
サラヤ株式会社
シノミ洗剤は︑このあと私どもの ます︒
た︒また︑それがなくなっていく
新たなビジネスのきっかけになり
ことに対する反骨的な要素も持っ
ていたと思います︒ そういう中で︑
ミ 洗 剤 を 発 売 し ま す︒こ の 頃 は そして健康事業ですが︑父は甘
自然が循環していくような商品づ
いものが大好きで糖尿病を患って
くりを考えたようです︒今もその
いました︒それで﹁ 健康でゼロカ
考えを継承しています︒
11.17 TOP INTERVIEW SESSION
ロリーの天然の砂糖代わりになる
ものを探すように ﹂と命が下り︑
行き着いたのが中国の羅漢果で
生物多様性と経営が 結びついたきっかけ
につ す︒これは今のラカントビジネス 事業として﹁ 生物多様性 ﹂
で︑現在も発展しています︒これ
いて気づきを得たのは︑ 2004
が ﹁ 健康事業 ﹂ の始まりです︒
年にテレビのインタビューを受け
は分解性が良く︑環境負荷が低く 父は熊野の山奥で育ち︑きれい
たことです︒ ﹁サラヤさんのヤシ
な水のある環境だったこともあ
ノミ洗剤はパーム油が原料ですよ
り︑生理的に清潔を好んでいまし
ね ﹂と指摘されました︒原料であ
原料のヤシ油に殺菌成分を配合し、手洗いと同 時に殺菌・消毒のできる石けん液「パールパー ム石けん液 」 と、 液を衛生的に供給する容器 「押 出・押上式 」 石けん容器を開発、発売した。
衛生 ・ 環境 ・ 健康の 本のビジネス
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JMAC 40th Anniversary
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