ビジネスインサイツ JMAC40周年記念特別号
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- るパーム油は︑ボルネオが一大産 当初は﹁パーム油を使うな ﹂と
地です︒ボルネオでは︑需要が増
ご批判も多数いただきましたが︑
えるに従いジャングルを切り開い
ブレずにやってきたことにより︑
てパーム園に変わっていきまし
ヤシノミ洗剤は自然派のカテゴ
た︒そのため︑絶滅危惧種である
リーの中ではナンバーワンブラン
ボルネオ象などの生息地が破壊さ
ドに成長しています︒
れ て い る と い う の で す︒ こ れ は
パーム油を使うヤシノミ洗剤が原
因なのではないか︑ヤシノミ洗剤 指摘を受けました︒
生物多様性で学んだ 事業と商品の多様化
は環境に悪いのではないか︑とご 多様性の受容は大切ですが︑一
方で﹁ 三方良し ﹂ にすることが難
実際︑その事実を知らなかった
しくもなります︒しかし︑ 私は ﹁杉
ため︑これをきっかけにボルネオ
林だけの山は︑杉がだめになると
について詳細に調べ︑ 現状を把握︒
山全体がだめになってしまう ﹂と
そして現地に﹁ボルネオ保全トラ
いう考え方を持っています︒里山
﹂を協力して設立 スト︵ BCT ︶ 上げの
のように多種の木が植わっている
し︑ヤシノミシリーズなどの売り
と︑杉がだめになっても他の木に
「生物多様性 」 から環境保護と
% をBCTに寄付する
よって︑森が維持される︒これは
ビジネスの両立を学びました
というビジネススキームを組みま
1
経営の考え方と同じです︒
した︒川沿いの緑を保全すること たとえば︑今回のコロナ禍で外
で︑ある程度多様性が保たれると
1951年生まれ。74 年大 阪 大 学工学部卒業。75 年カリフォ ルニア大学バークレー校工学 部衛生工学科修士課程修了。 76 年サラヤ 株 式 会 社 入社。 取 締役工場長などを経て 98 年代表取締役社長に就任。
食産業はお客さまが減り︑厳しい
いうことがわかったのです︒この
状況になりました︒ 一方︑ スーパー
仕組みでお客さまとボルネオをつ
(さらや ゆうすけ)
マーケットは売り上げ増︒ステイ
更家 悠介 氏
なぎ︑環境保護とビジネスの両立
サラヤ株式会社 代表取締役社長
ホーム需要が高まり︑店頭で弊社
が可能になりました︒生物多様性
の洗剤もよく売れています︒ また︑
くいく︒貢献のバリューチェーン ができ上がったのです︒
バックヤードで利用される衛生商
品︑これはBt oBですが︑こち
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Business Insights
に貢献しながら︑ビジネスもうま
加工食品も売れるということで︑
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