脱炭素社会へ転換させる社会的ティッピングポイントに関する意識調査
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- (5) 設問1ー3、1-4 のまとめと論点
• 「夏の暑さでの健康被害」「暴⾵⾬や洪⽔」については、個⼈が⾝をもって感じる現象
であり、60〜70%が被害を受けていると回答。
• 「新たな感染症の増加」は、コロナ禍は気候変動との直接関係はないが、⾝近な被害と
して、特に⼤学⽣グループは強く感じていると推測される。
• 「森林⽕災」「⽔不⾜」「農業に影響した⾷糧不⾜」「⽣態系への影響によるもの」に
ついては、世界各地で被害発⽣のメディア情報に影響されていると推測され、とくに
「⽣態系への影響によるもの」については、教職員・団体職員グループが59%と⾼い。
• 企業や団体における「サプライチェーンの混乱」「エネルギーや⽔不⾜」「リスク対策
コストの上昇」は、コロナ禍や国際情勢による影響や、市場から企業への環境リスク開
⽰の要請が影響していると考えられ、メーカー系企業で被害を感じる割合が⾼い。
• こうしたロスやダメージに対しては、若い世代である⼤学⽣グループが敏感という想定
があったが、全体的には社会⼈より関⼼が低い結果となった。
論点
• ロスやダメージのとらえ方にグループ間でばらつきがある
→
気候変動の原因だけではなく、最近の新型コロナや国際情勢などの影響
が混ざり合って、メカニズムが複雑になっている。学術研究やメディアから
のわかりやすい説明を期待。
• 企業はリスク対応に追われている
→
企業のサプライチェーンがグローバルレベルに広がり、気候変動に対する
各国の規制やリスク開示の対応に追われている。国際標準設定の期待が
大きいが、一方で自国の得意分野のスタンダード化の働きかけも重要
• 大学生の気候変動への関心度を高める必要
→
欧米と異なり、市民活動的な動きが少ないため、気候変動に関するボラン
ティアなどの機会を増やす取り組みも必要か。
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